最終回が目前に迫るも、いまだ勢いはとどまるところを知らないNHKの連続テレビ小説『あまちゃん』。その影響力は恐ろしいほどで、なかには『あまちゃん』がきっかけで人生を変えるほどの事件が起きてしまった人もいる。そこで、思わず「じぇじぇじぇ!」と叫ばずにはいられない、市井の「あまちゃん事件」を総力取材した!
◆アイドル魂に火がついて、コスプレでカラオケ熱唱
「松田聖子 スーパー・ヒットコレクション Vol.1」
松田聖子をはじめ、チェッカーズ、おニャン子クラブなど、年代アイドルソングが随所に使われ、当時10代だった40代の視聴者の琴線をかき鳴らすのも『あまちゃん』の魅力のひとつ。相沢奈緒さん(仮名・43歳)は、かき鳴らされすぎた結果、週3ペースでカラオケ店に一人でこもり、コスプレに身を包んでアイドルソングを熱唱しまくっている。
「歌うのはやっぱり松田聖子さん、おニャン子クラブ、中森明菜さん。今までコスプレはしたことなかったんですが、ミニの制服がお気に入りです。私の高校時代はロングスカートのセーラー服だったので、一度着てみたかったんです。歌っているときは『おら、日本一のアイドルだ!』と妄想しながら歌ってます(笑)」
もともとアイドルに憧れていたわけではなかった奈緒さん。だが、ヒロインであるアキがアイドルを目指し、苦悩したり失敗したりしてもくじけず這い上がる姿を見て、心の奥のアイドル魂に火がついた。
「アキちゃんを見てると、日々の小さなことでクヨクヨしてる自分が恥ずかしくなって……。頑張る彼女に自分を重ねて『よし、おらもアイドルになる!』と、コスプレサービスつきのカラオケ店に駆け込みました」
充実した毎日を過ごす彼女だが、家族にバレるのだけが心配だとか。
「40過ぎてミニの制服を着ているなんて、高校1年生の娘にはもちろん、主人にも言えません。一度、学校帰りの娘をカラオケ店の前で見かけたときは、心臓が止まるかと思いました。でも、快感すぎて当分やめられそうにありません!」
― 私の『あまちゃん』事件簿【2】 ―