日本人なら知っていなければならない
昭和の歌手100人

歌謡曲(流行歌)は日本の貴重な文化であり、後世に継承してゆくべき
ものです。
ところが過去の音楽は放送もされず聞く機会も失われ、名曲の数々が
埋もれてしまっているので、このままいくと、将来「名曲」を誰も知らない
という事態に発展しかねない。
日本人なら知っていなければならない歌手100人と有名な曲をここに取
り上げてゆきます。

昭和の歌手を100人にしぼること自体、非常に難しいことですが、日本
人の教養として最低限知っておくべき歌手と曲を掲載します。どうぞ参
考にしてください。

第 1回 三橋美智也 第21回 上原 敏 第41回 森山良子
第 2回 村田英雄 第22回 水原 弘 第42回 布施 明
第 3回 三波春夫 第23回 加山雄三 第43回 三浦洸一
第 4回 美空ひばり 第24回 霧島 昇 第44回 森 進一
第 5回 島倉千代子 第25回 ペギー葉山 第45回 青江三奈
第 6回 石原裕次郎 第26回 菅原洋一 第46回 美川憲一
第 7回 北島三郎 第27回 鶴田浩二 第47回 藤 圭子
第 8回 フランク永井 第28回 西田佐知子 第48回 石川さゆり
第 9回 東海林太郎 第29回 橋 幸夫 第49回 井沢八郎
第10回 藤山一郎 第30回 舟木一夫 第50回 荒木一郎
第11回 田端義夫 第31回 西郷輝彦 第51回 テレサ・テン
第12回 越路吹雪 第32回 加藤登紀子 第52回 ダーク・ダックス
第13回 春日八郎 第33回 小林 旭 第53回 ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
第14回 岡 晴夫 第34回 伊藤久男 第54回 弘田三枝子
第15回 都 はるみ 第35回 江利チエミ 第55回 三田 明
第16回 灰田勝彦 第36回 ハナ肇とクレージー・キャッツ 第56回 梓 みちよ
第17回 ディック・ミネ 第37回 岸 洋子 第57回 津村 謙
第18回 坂本 九 第38回 宮史郎とぴんからトリオ 第58回 こまどり姉妹
第19回 アイ・ジョージ 第39回 小畑 実 第59回 水前寺清子
第20回 ザ・ピーナッツ 第40回 和田弘とマヒナ・スターズ 第60回 松崎しげる

第61回 ザ・タイガース 第81回 内山田洋とクール・ファイブ
第62回 高峰三枝子 第82回 渚ゆう子
第63回 尾崎紀世彦 第83回 山口百恵
第64回 大橋純子 第84回 五輪真弓
第65回 鶴岡雅義と東京ロマンチカ 第85回 五木ひろし
第66回 黒沢明とロス・プリモス 第86回 ちあきなおみ
第67回 いしだあゆみ 第87回 二葉あき子
第68回 渡辺はま子 第88回 倍賞千恵子
第69回 チェリッシュ 第89回 細川たかし
第70回 サザンオールスターズ 第90回 今井美樹
第71回 松任谷(荒井)由実 第91回 松田聖子
第72回 井上陽水 第92回 中森明菜
第73回 園 まり 第93回 ピンキーとキラーズ
第74回 天地真理 第94回 ハイ・ファイ・セット
第75回 八代亜紀 第95回 岩崎宏美
第76回 小椋 佳 第96回 ピンク・レディー
第77回 岡本敦郎 第97回 中島みゆき
第78回 由紀さおり 第98回 トワ・エ・モワ
第79回 千 昌夫
第80回 竹内まりや


☆100回まで続ける予定です。

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三橋美智也
昭和29年『酒の苦さよ』でデビューしたがな
かなか売れず、7曲目の『おんな船頭唄』が
初ヒット。だがこの曲はレコードのB面にま
わされ、男なのに『おんな船頭唄』だなん
て・・・と発売の際に反対されたというエピソ
ードが残っている。

音が良い「ステレオ録音」よりも、昔の生の
声の「モノラル録音」を支持する三橋美智
也ファンが圧倒的に多い。
それだけ地声が美声だったということです。
のど自慢大会で、高音のきれいな人は三
橋美智也の曲を歌う人が特に多かった。

民謡の師匠だけあって、民謡の素地を生
かした歌謡曲というのがひとつの大きな特
徴で、もう戻ってこない日本の古き良き時
代を感じさせてくれる歌手といえる
素朴な日本人の心を歌った大ヒット曲の
数々で昭和30年代に黄金時代を築いた。

『石狩川悲歌』(昭和36年11月発売)


有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎おんな船頭唄
  あゝ新撰組
◎あの娘が泣いてる波止場
◎リンゴ村から
◎哀愁列車
  母恋吹雪
  一本刀土俵入り
  おさげと花と地蔵さんと
◎夕焼けとんび
◎赤い夕陽の故郷
◎古城
  快傑ハリマオの歌
◎達者でナ
◎武田節
  石狩川悲歌
◎星屑の町
  流れ星だよ
  東京五輪音頭
  二本松少年隊
<私の好きな曲ベストテン>

@リンゴ村から
Aおんな船頭唄
B星屑の町
   昭和37年レコード大賞歌唱賞
C母恋吹雪
D新選組の歌
   TBSテレビ『新選組始末記』主題歌
E黒潮の男
F石狩川悲歌
G一本刀土俵入り
H快傑ハリマオの歌
I達者でナ

※一番ユニークなのは『星屑の町』。この曲
を聞いた時の感動は忘れられない。


村田英雄
昭和33年『無法松の一生』でデビュー。
浪曲仕込みのドスのきいた力強い声で「男
の世界」を歌ったヒット曲が多い。
柔道(『姿三四郎』)・相撲(『男の土俵』)・将
棋(『王将』)など「男の勝負」を歌わせたら
No.1であろう。
重厚、豪快で「怒っているかのように歌う」
イメージもある。
演歌の源流は村田英雄の浪花節から発し
ているという説が有力で、北島三郎と並び
演歌の祖であるといえる。

コロムビア時代の昭和30年代〜40年代初
めに全盛期を迎えるが、50年代東芝に移
籍してからもうひとつの活躍のピークがあ
る。
『無法松の一生』の中に『度胸千両』を入れ
た『無法松の一生(度胸千両入り)』はカラ
オケでよく歌われる名曲です。

『王将』(昭和36年11月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<コロムビア>
  無法松の一生
◎人生劇場
◎王将
◎柔道一代
◎姿三四郎
◎男の土俵
◎皆の衆
◎花と竜
  若い衆
◎柔道水滸伝
  祝い節
◎夫婦春秋
◎無法松の一生(度胸千両入り)

<東芝>
  人生峠
  夫婦酒
  なみだ坂
  俺が村田だ
<私の好きな曲ベストテン>
@柔道一代
A王将
B柔道水滸伝
C花と竜
D人生峠
E皆の衆
F浪花の勝負師
G捨てて勝つ
H汐鳴
Iすすきの宿

※唯一のGS曲が『太陽に祈ろう』(『捨てて
勝つ』のB面)で、いわゆる「一人GS」として
歌謡曲マニアが注目している。

三波春夫
浪曲師から歌謡界入りし、昭和32年『メノコ
船頭さん』でデビュー。その年『チャンチキ
おけさ』『船方さんよ』のAB両面ヒットを放
つ。

和服姿で「お客様は神さまです」という有名
なフレーズや絶えざる笑顔はファンサービ
スの精神にあふれていた。
長編歌謡浪曲、セリフ入り歌謡曲を得意と
し、まるで舞台を見ているかのような臨場
感あふれる歌の楽しさは他の人の追随を
許さなかった。
艶があり、力強く伸びのある声は本物の
「芸」を感じさせた。
紅白歌合戦のトリを何回も務め、長く国民
的歌手として君臨した。
8分以上にわたる『元禄名槍譜 俵星玄
蕃』は必聴の曲です。

『大利根無情』(昭和34年6月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎チャンチキおけさ
◎船方さんよ
◎雪の渡り鳥
◎大利根無情
◎一本刀土俵入り
◎東京五輪音頭
◎俵星玄蕃
  百年桜
  豪商一代 紀伊国屋文左衛門
◎世界の国からこんにちは
  赤垣源蔵
  おまんた囃子




<私の好きな曲ベストテン>

@大利根無情(STEREO)
A雪の渡り鳥
B百年桜
C東京五輪音頭
D船方さんよ
E残月大利根
F古戦場
G俵星玄蕃
Hチャンチキおけさ
I一本刀土俵入り

※モノラル盤の『大利根無情』はセリフに
今ひとつ迫力がないので、ステレオ盤のほ
うを聞くことをお勧めします。
『三波春夫の忠臣蔵』という企画アルバム
をじっくり聞くのも楽しい。。

美空ひばり
昭和24年『河童ブギウギ』でデビュー。
11歳の時点で大人びた完成された歌を歌
い、天才少女と呼ばれた。
「お嬢」の愛称で親しまれ、江利チエミ、雪
村いづみと三人で、初代の「三人娘」となり
脚光を浴びる。

芸歴が長く第一人者として活躍したのでヒッ
ト曲が非常に多い。女優としても数多くの映
画作品に出演。生涯レコーディングした曲
は1,500曲に及ぶ。

男性のような低音から高音までいろいろな
歌い方や声を出すことができ、ジャンルも
演歌からジャズ・スタンダードまで、どんな
歌でも歌いこなせる実力と逞しさがあった。
昭和の女性歌手ではNo.1の存在感・安定
感を誇った。

『真赤な太陽』(昭和42年6月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎悲しき口笛
◎東京キッド
  越後獅子の唄
  ひばりの花売娘
  あの丘越えて
◎リンゴ追分
◎お祭りマンボ
  津軽のふるさと
◎港町十三番地
  三味線マドロス
  哀愁波止場
  ひばりの佐渡情話
  哀愁出船
◎柔
◎悲しい酒
  芸道一代
◎真赤な太陽
  おまえに惚れた
  裏町酒場
◎愛燦燦
  みだれ髪
◎川の流れのように
<私の好きな曲ベストテン>

@柔
Aみだれ髪
B港町十三番地
C津軽のふるさと
D新宿情話
E東京キッド
F川の流れのように
G三味線マドロス
Hむらさきの夜明け
I芸道一代

※『新宿情話』は細川たかし、ちあきなおみ
の歌がよく知られているが、美空ひばりも
いい味を出している。オリジナルは
ムーディー松島の曲。

島倉千代子
昭和30年『この世の花』でデビュー。
その可憐な姿と歌声で長く歌謡界で活躍し
てきた。

「泣いているかのように歌う」独特の「泣き
節」は一世を風靡。
メロドラマの主題歌などはまさにピッタリで、
女性のはかない運命を歌わせたらこの人
の右に出る者はいないであろう。
悲しさに耐える古風な昔の女性のイメージ
がある。
おしとやかでいくつになっても可愛らしさを
保っている歌手としても貴重な存在と言え
よう。

作品もシリアスなものからコミック調のもの
までいろいろなタイプの曲を歌っている。

『涙の谷間に太陽を』
(昭和41年10月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎この世の花
◎りんどう峠
◎東京の人さようなら
◎逢いたいなァあの人に
◎東京だョおっ母さん
  思い出さん今日は
◎からたち日記
  哀愁のからまつ林
  襟裳岬
◎恋しているんだもん
  夕月
  星空に両手を(守屋浩)
  赤坂の夜は更けて
◎ほんきかしら
  涙の谷間に太陽を
◎愛のさざなみ
  すみだ川
◎鳳仙花
◎人生いろいろ
<私の好きな曲ベストテン>

@涙の谷間に太陽を
A哀しみの川のほとりに
Bこの世の花
C赤坂の夜は更けて
D東京だョおっ母さん
E東京の人さようなら
F逢いたいなァあの人に
Gアモーレ東京
H哀愁のからまつ林
I星空に両手を(守屋浩)

※『この世の花』はモノラル盤、ステレオ盤
どちらも良い。
『赤坂の夜は更けて』は競作。西田佐知子
盤とはアレンジ・歌い方が全く違う。島倉盤
は「まろやか」な感じ。

石原裕次郎
日本を代表する映画スターであり、歌手とし
ても数多くのヒット曲を持っている。
しかし、なぜか一度も紅白歌合戦には歌手
として出場していない。本人の弁では、自分
は俳優が本業であり、歌手ではないという
ことだったが、大いなる謙遜であろう。
審査員としてしか出場しなかった。

最初は映画と連動した「タフガイ」のイメー
ジの歌が多かったが、途中からはムードの
ある低音で「夜」や「酒場」を連想させる「ム
ード歌謡」を多く歌い、ヒットを連発した。

ヒットしなかったシングル曲の中にも「渋い」
いい曲がたくさんある。

『銀座の恋の物語』はカラオケではデュエッ
ト・ソング不滅のNo.1に輝いている。

『雪国の町』(昭和40年10月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  狂った果実
◎俺は待ってるぜ
◎錆びたナイフ
◎嵐を呼ぶ男
◎銀座の恋の物語(牧村旬子)
◎赤いハンカチ
  夕陽の丘(浅丘ルリ子)
  俺はお前に弱いんだ
◎二人の世界
  泣かせるぜ
  夜霧の慕情
  こぼれ花
◎夜霧よ今夜も有難う
  粋な別れ
  港町 涙町 別れ町
  サヨナラ横浜
◎恋の町札幌
  別れの夜明け(八代亜紀)
◎ブランデーグラス
  よこはま物語
  わが人生に悔いなし
◎北の旅人
<私の好きな曲ベストテン>

@赤いハンカチ
A俺はお前に弱いんだ
B二人の世界
C夜霧よ今夜も有難う
D昭和たずねびと
E倖せはここに
F泣かせるぜ
G雪国の町
H夜霧の慕情
I波涛の彼方

※『倖せはここに』は大橋節夫とはちがって
ムード歌謡になっているところがいい。

北島三郎
巷の流し(演歌師)からプロ歌手になり大成
した稀有な存在として歌謡界に輝いてい
る。流し出身は他には渥美二郎ぐらいしか
いない。

「こぶしをきかせた演歌」というものは北島
三郎から始まったと言ってもよいだろう。
その点では演歌の祖ともいえる大御所で、
長い芸歴と多くのヒット曲を誇っている。

「サブちゃん」の愛称で親しまれ、自ら「原
譲二」のペンネームで『まつり』他たくさんの
曲を作曲もしている。

有名なのは『函館の女』からスタートした
『女』(ひと)シリーズの一連の作品。
『兄弟仁義』などの任侠路線でもピッタリは
まった歌を聞かせてくれる。

『霧島エレジー』(昭和43年2月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<コロムビア>
◎なみだ船
◎ギター仁義

<クラウン>
  ソーラン仁義
◎兄弟仁義
◎帰ろかな
  男の涙
◎函館の女
  博多の女
  関東流れ唄
  薩摩の女
◎仁義
◎加賀の女
◎歩
  終着駅は始発駅
◎与作
◎風雪ながれ旅
  炎の男
◎まつり
  箱根のおんな
  激唱−青函トンネル−
◎北の漁場
  川
  北の大地
<私の好きな曲ベストテン>

@加賀の女
A霧島エレジー
B激唱−青函トンネル−
C風雪ながれ旅
Dソーラン仁義
E兄弟仁義
F函館の女
G男の涙
H歩
I箱根のおんな

※『霧島エレジー』は北島三郎にしては珍し
く淡々と静かに歌う曲。ムード歌謡に近く
全作品の中でも異質な、それでいて名曲と
いえる。

フランク永井
「低音の魅力」という言葉はこの人の代名
詞として広く知られている。
語りかけるように歌うムードのある低音は、
あくまでもソフトで心地よい。
『有楽町で逢いましょう』など一連のヒット曲
で「ムード歌謡」のジャンルを確立した。

プロ歌手以前に「のど自慢荒らし」の異名を
とっていただけあって、マイクの使い方が絶
妙で、マイクに「いかに自分の声をうまくの
せるか」を常に研究していたという。
そのため発声に無理がなく、ささやくような
声でもマイクにのせて長く伸ばして歌うこと
ができるテクニックを持っている。

吉田正メロディーのヒット曲が多く、洗練さ
れたおしゃれなセンスが歌に感じられる。
『おまえに』はカラオケの定番曲として、知ら
ない人はいないくらい有名になった。

『生命ある限り』(昭和42年6月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎東京午前三時
◎夜霧の第二国道
◎有楽町で逢いましょう
  羽田発7時50分
  公園の手品師
◎西銀座駅前
  こいさんのラブコール
◎俺は淋しいんだ
◎夜霧に消えたチャコ
◎東京ナイト・クラブ(松尾和子)
  東京カチート
◎君恋し
◎霧子のタンゴ
  大阪ぐらし
  妻を恋うる唄
  東京しぐれ
  大阪ろまん
◎おまえに
  加茂川ブルース
<私の好きな曲ベストテン>

@夜霧の第二国道
A東京しぐれ
B東京午前三時
C霧子のタンゴ
D生命ある限り
E大阪ぐらし
F有楽町で逢いましょう
G君待てども
H妻を恋うる唄
I大阪流し

※『おまえに』は
昭和41年11月『大阪ろまん』のB面で発売。
その後昭和47年9月、昭和52年3月にA面
で発売されている。録音は2種類あり、後で
録音したほうがよく知られている。


東海林太郎
直立不動の姿勢で正面を向きまじめに歌
う。これが有名な東海林太郎のスタイルで、
その真摯な姿勢は終生変わることはなかっ
た。
三十代なかばの遅いデビューで、最初はな
ぜかキング、ポリドールの両社から発売し
ていた。昭和9年からの6年間でヒット曲を連
発。古典(スタンダード曲)として残った作品
もいくつかある。
やせた風貌のせいもあるが、「枯れた味」と
いうものを感じさせる歌手だった。
古い年代の伴奏で、日本調歌謡曲を聴くの
も実にいいものだ。現代の華やかな演奏・
アレンジと違った「しみじみ」とした味わいが
ある。
コロムビア、ビクター、キング、テイチク、ポ
リドール、クラウン、東宝、RVCと多くのレコ
ード会社で吹込み、キングとポリドールから
は全集も発売されている。

『東海林太郎歌謡大全集』
ポリドール(ステレオ録音)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎赤城の子守唄
◎国境の町
◎旅笠道中
◎むらさき小唄
◎野崎小唄
  お駒恋姿
  お夏清十郎
  椰子の実
◎すみだ川
  湖底の故郷
◎上海の街角で
◎麦と兵隊
◎名月赤城山
<私の好きな曲ベストテン>

@名月赤城山
A旅笠道中
Bむらさき小唄
C野崎小唄
D麦と兵隊
E赤城の子守唄
F国境の町
Gすみだ川
H湖底の故郷
I上海の街角で

※『名月赤城山』『旅笠道中』『すみだ川』
などの時代歌謡・日本調歌謡曲は、
他の歌手が録音したり、歌ったりして現在で
も曲が歌い継がれ生き残っています。
江戸時代などの風情が感じられてけっこう
いいものです。

藤山一郎
独特の歌い方は「クルーン唱法」と呼ばれ、
いつまでも溌剌とした若さを感じさせる歌手
だった。
発声、歌唱は正統派。歯切れよく爽やかさ
に溢れた歌を数多く発売している。
スマートで清潔なイメージがある。

学生時代からアルバイトで吹き込み、レコ
ードを発売していたのは有名。
古賀メロディーのヒット曲を一番多く歌った
のはこの人であろう。

NHK紅白歌合戦で指揮者として活躍してい
た姿が思い出される。
ビクター、テイチク、コロムビア時代があ
る。

『藤山一郎 若き日の歌声』
テイチク(モノラル録音)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎酒は涙か溜息か
◎丘を越えて
◎影を慕いて
◎東京ラプソディ
◎男の純情
◎青い背広で
  青春日記
  懐しのボレロ
  夢淡き東京
◎青い山脈(奈良光枝)
◎長崎の鐘
  ニコライの鐘
  丘は花ざかり
<私の好きな曲ベストテン>

@東京ラプソディ
A長崎の鐘
B青い背広で
C丘は花ざかり
D夢淡き東京
E青い山脈(奈良光枝)
F懐しのボレロ
G影を慕いて
H白虎隊
I男の純情

※昭和11年〜14年テイチク時代に名曲が
多い。
昭和55年の調査では、『青い山脈』が日本
人の好感度No.1の曲に選ばれている。

田端義夫
「バタやん」の愛称で親しまれ、トレードマー
クのギターを抱えて「オースッ」と挨拶して登
場する姿が強く印象に残っている。

「手作りのギター」や「紅しょうがのお弁当」
など人の心を打つエピソードを持ち、
大切な「日本人の心」を表現できる歌手で
ある。

マドロスもののヒット曲が多いが、『島育ち』
『十九の春』など渋い味もまた魅力がある。
流行歌の歌手で、童謡の『赤とんぼ』を心を
こめて歌えるのはこの人しかいないだろう。

男のつらさ、寂しさなどの哀愁を「独特の細
かいバイブレーション」で歌い、最高の味を
発揮する。

『田端義夫大全集』
(CD10枚組)モノラル/ステレオ
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎島の船唄
◎大利根月夜
◎別れ船
  梅と兵隊
◎かえり船
  ズンドコ節(街の伊達男)
  かよい船
◎玄海ブルース
◎ふるさとの燈台
  親子船唄(白鳥みづえ) 
◎島育ち
  出世船
◎十九の春 
<私の好きな曲ベストテン>

@かえり船
A玄海ブルース
B大利根月夜
C夜の柳ヶ瀬
D奄美エレジー
E別れ船
Fふるさとの燈台
G出世船
Hかよい船
I島育ち

※若い時の声を聴くのも良いし、晩年の声
もまた良い。私の愛聴盤はミノルフォンレコ
ードの「新・心の唄」という2枚組のベスト盤
です。

越路吹雪
「大人の歌」といえばこの人である。
宝塚歌劇団出身で、日生劇場のロング・リ
サイタルが有名だった。
レコードよりも、ライブで楽しみたい実力派
歌手の証明と言える。
粋でおしゃれなシャンソンの女王として日本
のポップス界に貢献した。

シャンソンを歌う時にフランス語ではなく日
本語の詞(作詞または訳詞)で歌うところが
日本人受けし、多くのヒット曲とファンを獲
得した一因と思われる。

『愛の讃歌』という不滅の大ヒット曲を後世
に残した功績は素晴らしい。
レコード大賞歌唱賞を受賞するなど、その
繊細な歌唱力は落ち着いた大人の雰囲気
に満ち溢れている。

『越路吹雪ゴールデン・ディスク』
(LP2枚組)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎愛の讃歌
  幸せを売る男
◎ラスト・ダンスは私に
◎サン・トワ・マミー
  ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー
◎ろくでなし
◎夜霧のしのび逢い
  別離(わかれ)
  夢の中に君がいる
  想い出のソレンツァラ
◎イカルスの星 
  人生は過ぎゆく
◎誰もいない海 
◎雪が降る
<私の好きな曲ベストテン>

@愛の讃歌
A夜霧のしのび逢い
Bラスト・ダンスは私に
C想い出のソレンツァラ
Dサン・トワ・マミー
E別離(わかれ)
F明日は月の上で
G誰もいない海
H枯葉
Iバラ色の人生

※レコード大賞歌唱賞受賞が昭和40年で、
その前後にいい作品が集中している。
若い時の歌声はコロムビア盤で聴くことが
できる。円熟してくるのは東芝盤。

春日八郎
一番印象に残るのは、その発声法・歌い方
である。
まさに「腹筋(お腹)から発声している」とい
うことを感じさせる歌い方で、真似をして歌
ってみれば、腹筋をすごく使うことがよくわ
かる。
ここまで顕著なのは、春日八郎の他には高
城丈二くらいしか思い当たらない、すごい技
である。
「演歌」というよりは、ツヤのある「艶歌」を
歌った。
精悍な姿で抜群の歌唱力を誇る一方、
『お富さん』『別れの一本杉』という個性的な
不滅のヒット曲もある。
ふるさと(地方・田舎)を歌った楽曲が多く、
そこには時代背景と人情が感じられる。
昭和20年代終わりから40年代中頃まで満
遍なくヒット曲を出している。

『新選組の旗は行く』
(昭和40年4月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎赤いランプの終列車
◎雨降る街角
◎お富さん
◎別れの一本杉
  別れの波止場
◎あん時ゃどしゃ降り
◎山の吊橋
◎長崎の女
◎ロザリオの島
  新選組の旗は行く
  大阪の灯
  たそがれの砂丘
<私の好きな曲ベストテン>

@ロザリオの島
A長崎の女
B新選組の旗は行く
Cたそがれの砂丘
D大阪の灯
E天下泰平
F赤いランプの終列車
G若狭生れ
H東京波止場
I北国の駅

※『新選組の旗は行く』は『新選組血風録』
の主題歌。新選組を題材とした曲の中では
No.1の人気を誇る名曲です。

岡 晴夫
「オカッパル」の愛称で親しまれ、「マドロス
もの」のヒット曲がいっぱいある。
時代を反映して、戦地もの、大陸(外国)へ
の進出、船乗り、といった題材の曲が多
い。
歌声は明るく、その中でも『憧れのハワイ航
路』のリズミックな群を抜く明るさは今どき
の若い人にもおおいに受けている。
心がはずむような楽しさを感じさせてくれる
「花売娘」シリーズもある。
地方巡業、生のステージで人々とのふれあ
いを大事にした歌手だった。

ほとんどがキングレコードのヒット曲だが、
唯一コロムビアから発売した『逢いたかっ
たぜ』はカラオケの名曲として知られてい
る。

『岡晴夫』(2枚組LP)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎上海の花売娘
◎港シャンソン
  花の広東航路
◎東京の花売娘
◎青春のパラダイス
◎啼くな小鳩よ
◎憧れのハワイ航路
  東京の空、青い空
◎逢いたかったぜ
<私の好きな曲ベストテン>

@啼くな小鳩よ
A逢いたかったぜ
B東京の花売娘
C憧れのハワイ航路
D上海の花売娘
E青春のパラダイス
F東京の空、青い空
G花の広東航路
H船は港にいつ帰る
I港のエトランゼ

都 はるみ
独特の「うなり節」を伴ったパンチの効いた
演歌は、それまでの歌謡界にはない大きな
魅力だった。

「演歌」というと、カラオケの浸透と共にいつ
の間にか不倫の歌のようなイメージに変質
してしまったが、元々は人々を元気づける
歌が演歌であったし、大衆に大いに歓迎さ
れた。都はるみ、水前寺清子、井沢八郎、
佐々木新一など、昭和40年代のヤング演
歌には溌剌としたヤングパワーがある。

若さを発揮した昭和40年代に一連のヒット
曲を放ち、昭和50年代は円熟した落ち着い
た演歌を歌って不動の地位を築きあげた。
デュエットのヒット曲も多い。声や歌い方を
聴けばすぐ誰だかわかる歌手の一人であ
る。

『アンコ椿は恋の花』
(昭和39年10月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎アンコ椿は恋の花
  さすらい小鳩
  よさこい鴎
  馬鹿っちょ出船
◎涙の連絡船
◎さよなら列車
  東京渡り鳥
  恋と涙の渡り鳥
◎好きになった人
  おんなの海峡
◎北の宿から
◎大阪しぐれ
◎浮草ぐらし
◎ふたりの大阪(宮崎 雅)
  東京セレナーデ
◎浪花恋しぐれ(岡 千秋)
◎夫婦坂
  ふたりのラブソング(五木ひろし)
<私の好きな曲ベストテン>

@アンコ椿は恋の花
A涙の伝言板
Bふたりの大阪(宮崎 雅)
C大阪しぐれ
D東京セレナーデ
E馬鹿っちょ出船
F裏町ごころ
Gさよなら列車
H札幌ふたりづれ(渕野忠明)
I東京渡り鳥

※後半の作品はカラオケの普及でよく
歌われていて、「大人の歌」という感じ。
一方、初期の作品群には歌に勢いが
感じられて気持ち良い。


灰田勝彦
略して「灰勝」。「ハワイ生まれの江戸っ子」
と称され、喧嘩早いが義理人情に厚い「熱
血漢」で、永遠の「青年」と言われた。

昭和11年『ハワイのセレナーデ』でデビュー
し、ハワイアンを主体にヒット曲を出すが、
途中から戦争の影響を受けて外国の歌が
厳しくなり、流行歌が多くなる。軍歌も歌っ
た。
ハワイアン特有のきれいな裏声を入れた曲
がいくつもある。

野球が大好きで、『野球小僧』はまさに本領
発揮の曲。活き活きしたその歌い方が伝わ
ってくる。

『灰田勝彦アーリー・デイズ』(CD)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  真赤な封筒
◎燦めく星座
◎森の小径
◎新雪
◎鈴懸の径
  加藤部隊歌(加藤隼戦闘隊の歌)
◎東京の屋根の下
◎アルプスの牧場
◎野球小僧
  水色のスーツケース
<私の好きな曲ベストテン>

@燦めく星座
A森の小径
B野球小僧
C東京の屋根の下
D鈴懸の径
E新雪
Fアルプスの牧場
G水色のスーツケース
H峠の我が家
Iあの日あの時

ディック・ミネ
日本のジャズ・シンガーの草分け的な存在
として高く評価されている。

学生時代からジャズに傾倒し、ダンスホー
ルなどで活躍。昭和の不良青年・モダンボ
ーイとも言われ、ジャズのフィーリングが大
いに受けた。

『ダイナ』をはじめとする洋楽曲のヒット、片
や古賀メロディや『夜霧のブルース』などの
流行歌でも人気を博した。
戦争中、歌手名のカタカナが敵視され、や
むなく「三根耕一」と改名せざるをえなかっ
た話は有名。
演歌のフィーリングでない『旅姿三人男』に
は、独特の味わいがある。

『ディック・ミネ メモリアル大全集』
(CD2枚組)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎ダイナ
  アイルランドの娘
◎二人は若い(星玲子)
◎人生の並木路
  愛の小窓
◎旅姿三人男
◎上海ブルース
◎或る雨の午后
◎夜霧のブルース
  雨の酒場で
<私の好きな曲ベストテン>

@夜霧のブルース
A旅姿三人男
B或る雨の午后
C上海ブルース
D想い出の丘
E林檎の樹の下で
F人生の並木路
G二人は若い(星玲子)
Hダイナ
I上海リル

坂本 九
「うれしさ」と「悲しさ」の両方を包括した独特
の声。「立体的な声」である。
この非常に珍しい声質と、はずむような歌
い方の特徴は、流行歌史の中でも坂本九
ただ一人であろう。
「ダニー・飯田とパラダイス・キング」時代に
オールディーズ・カバーのヒット曲がいくつ
かあるが、昭和36年ソロ歌手になってから
本領を発揮。

代表曲『上を向いて歩こう』は『スキヤキ』の
タイトルで「ビルボード誌」で1位獲得という
快挙を成し遂げ、「国民的歌手」の評価を
得た。
昭和40年前後に佳曲が集中している。
『坂本九 シングル全集』という6枚組のCD
が発売されており、その歌声を十分堪能で
きる。

『上を向いて歩こう』
(昭和36年9月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  悲しき六十才
  (ダニー・飯田とパラダイス・キング)
  ステキなタイミング
  (ダニー・飯田とパラダイス・キング)
◎上を向いて歩こう
◎一人ぼっちの二人
◎見上げてごらん夜の星を
◎明日があるさ
◎幸せなら手をたたこう
  サヨナラ東京
  夜明けの唄
  ともだち
◎涙くんさよなら
◎レットキス
  世界の国からこんにちは
  エンピツが一本
<私の好きな曲ベストテン>

@明日があるさ
Aサヨナラ東京
B上を向いて歩こう
C口笛だけが
D一人ぼっちの二人
Eともだち
Fステキなタイミング
  (ダニー・飯田とパラダイス・キング)
G哀しみのバイパス
H夜明けの唄
I恋の終り

※普通の流行歌手と違い、ミュージカルや
ボランティア活動、ファンとの交流といった
「人を楽しませる」視点を感じる歌手。
六・八・九トリオ(永六輔・中村八大・坂本
九)が懐かしい。

アイ・ジョージ
歴代の流行歌歌手の中で「声量」No.1を誇
る。
特に低音の圧倒的な迫力はマイクが壊れ
るのではないかと思わせるほどで、低音か
ら高音まで実に素晴らしい歌唱力を発揮し
た。
外国でも実力が認められ、昭和38年のカー
ネギー・ホールでの公演は当時大きな話題
を呼んだ。
『硝子のジョニー』『紅子のバラード』など自
ら作曲したヒット曲もある。

初期はラテンを得意とし多く歌っていたが、
その後ポピュラー、歌謡曲、外国民謡、唱
歌、軍歌までありとあらゆるジャンルを歌い
こなした。
肺活量が多いため声にゆとりがあり、常に
余力が残っているような声の厚みを感じさ
せる歌手である。

『モナリザの星』(昭和41年12月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  ラ・マラゲーニャ 
◎硝子のジョニー
◎ク・ク・ル・ク・ク・パロマ
  シェリト・リンド
  ダニー・ボーイ
◎紅子のバラード 
◎ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー
◎赤いグラス(志摩ちなみ)
◎カチューシャ 
  別れのバラード
  リパブリック讃歌

<私の好きな曲ベストテン>

@モナリザの星
A硝子のジョニー
B雲を空を貴女を
C霧のブルーナイト
D赤いグラス(志摩ちなみ)
E紅子のバラード
Fアスタ・マニアーナ
Gワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー
Hトゥナイト
I道頓堀左岸

※来日したトリオ・ロス・パンチョスの前座
歌手として歌ったところ認められ、一躍
脚光を浴びたというだけあって、ラテンを
歌わせたらNo.1。
ラテン・アルバムを多数発売している。

ザ・ピーナッツ
姉の伊藤エミ、妹の伊藤ユミによる珍しい
一卵性双生児歌手。
双子のデュオだからこそできる絶妙のハー
モニー。寸分の狂いもない正確できれいな
歌唱(ハーモニー)は高く評価された。
ザ・ピーナッツを超える音楽的センスを持つ
双子の歌手はその後出現していない。

『ザ・ヒットパレード』『シャボン玉ホリデー』
のレギュラーで活躍し、お茶の間で知らな
い人はいない存在になる。
洋楽カバーから日本独自の和製ポップスに
移り変わる時期にあたり、日本のポップス
界を牽引した。

恩師「宮川泰」作曲の『恋のバカンス』は、
時代を超えて老若男女を問わず歌われて
いる不滅のヒット曲といえる。

『恋のバカンス』(昭和38年3月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎可愛い花
◎情熱の花
  悲しき16才
  心の窓にともし灯を
◎ふりむかないで
  若い季節
◎恋のバカンス
◎ウナ・セラ・ディ東京
◎ローマの雨
  銀色の道
◎恋のフーガ
  哀愁のヴァレンティーノ
  大阪の女
<私の好きな曲ベストテン>

@恋のバカンス
A哀愁のヴァレンティーノ
Bウナ・セラ・ディ東京
C銀色の道
Dローマの雨
Eふりむかないで
F若い季節
G可愛い花
Hさいはての慕情
I心の窓にともし灯を

※『恋のバカンス』のシングル盤の歌詞
カードが実際の録音と違うのはご愛嬌?
『東京たそがれ』と『ウナ・セラ・ディ東京』を
聴き比べるのもよし。『手編みの靴下』と
『逢いたくて逢いたくて』(園まり)を聴き比べ
るもよし。

上原 敏
昭和12年〜13年の短期間に立て続けに名
曲を発表。やわらかい情感のこもった歌声
で人気があった。

『裏町人生』『流転』は「アベタケ・メロディ」と
言われ、多くの歌手が吹き込む有名なスタ
ンダード曲になった。

また三大道中もののうち『妻恋道中』『鴛鴦
道中』の二つを歌っている(あと一つは東海
林太郎の『旅笠道中』)ことも後世に残る大
きな勲章といえるだろう。

股旅もの、マドロスもの、大陸からの便りも
のを歌い、戦地へ慰問に赴くことが多かっ
た。出征して戦死(戦病死とも)したことが
惜しまれる。

『上原敏歌謡大全集』(2枚組LP)
(SP原盤)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎妻恋道中
◎流転
◎裏町人生(結城道子)
  流沙の護り
◎鴛鴦道中(青葉笙子)
◎上海だより
  泣き笑いの人生(東海林太郎)
◎波止場気質
<私の好きな曲ベストテン>

@裏町人生(結城道子)
A流転
B妻恋道中
C上海だより
D鴛鴦道中(青葉笙子)
E波止場気質
F泣き笑いの人生(東海林太郎)
G親恋道中
H南京だより
I従軍記者

水原 弘
ドスの効いた迫力ある低音。初期の頃は
「ざらついた」声で、聴いていて「ゾクッ」とく
るような録音もある。
歌はうまいと定評があったが、譜面どおり
に歌わず崩して歌うので、オーケストラの方
は大変だった。譜面と違う歌に引きずられ
ないよう、必死に正しいリズムを刻んで、
「歌を聞かないようにして演奏する」のに苦
労したというミュージシャンの談話は有名。

『黒い花びら』で第1回日本レコード大賞を
受賞。いまだに最初のレコード大賞として
語り継がれている。

栄光と挫折の壮絶な歌手人生を送った。そ
のため「怒っているかのように」歌う歌唱力
は圧巻。
LPで他の歌手のヒット曲を歌っても、オリジ
ナルとは全くちがう「水原弘」流の歌にな
る。物まねでない本物の歌手である証拠と
言っていいだろう。

『月曜日の男』(昭和37年1月発売)



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎黒い花びら
◎黒い落葉
◎黄昏のビギン
  禁じられた恋のボレロ
◎月曜日の男
◎君こそわが命
  君を愛して
◎愛の渚
  可愛い奴
  女の爪あと
  お嫁に行くんだね
<私の好きな曲ベストテン>

@月曜日の男
A愛の渚
B可愛い奴
C自由の旗の下に
D夜霧の別れ
E女の爪あと
F裏町人生(藤家虹二編曲)
G黒い花びら
H倖せはここに
I恋のかげろう

※「JJ」こと持統院丈太郎(待田京介)が
活躍する『月曜日の男』の主題歌は当時
10才の私でも覚えていた名曲です。
『裏町人生』は中村八大編曲でシングル盤
が発売されているが、藤家虹二編曲の
録音もある。

加山雄三
弾厚作のペンネームで自ら作曲。岩谷時
子の作詞と相まって大ヒットを連発し一躍
人気歌手となる。
『君といつまでも/夜空の星』、『夕陽は赤く
/蒼い星くず』という両A面といえるシング
ル盤の曲がすべてヒット! もったいない発
売の仕方だと言われたが、その才能は全く
枯渇せず、その後も素晴らしい作品を次々
と出してゆく。
この時期シンガーソングライターはフォーク
系の荒木一郎がいたが、加山雄三のほう
は歌謡曲で、どこまでも明るい曲調と、愛に
あふれた明るい歌声だった。よく聴くとかな
り甘ったるい歌い方だがそれが少しもイヤ
味にならないスケールの大きさを感じさせ
る。『君といつまでも』は名曲として日本全
国に知れ渡った。
娯楽映画『若大将シリーズ』に見られる「青
春」「恋」「スポーツ」というテーマとそのキャ
ラクターは若い人に絶大な支持を得た。
船「光進丸」はもとより、海を題材にした曲
を多く作り、「海の男」の面目躍如といえる。

『君といつまでも』
(昭和40年12月発売)




有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎恋は紅いバラ
◎君といつまでも
◎夜空の星
◎夕陽は赤く
◎蒼い星くず
◎お嫁においで
◎霧雨の舗道
◎夜空を仰いで
◎旅人よ
  二人だけの海
  君のために
  幻のアマリリア
  ある日渚に
  海 その愛
◎ぼくの妹に
  夕映えの恋人
  光進丸
  その日海からラプソディ
  湯沢旅情
  この愛いつまでも
<私の好きな曲ベストテン>

@俺たち
A恋は紅いバラ
B霧雨の舗道
C夕陽は赤く
D波乗り
E砂と波
F夜空を仰いで
G君の瞳の蒼空
H君といつまでも
I幻のアマリリア

※『加山雄三 ハワイの休日』というアルバ
ムが一番充実した内容になっている。
作曲はすべて弾厚作。
よくこんな素晴らしい作曲ができるものだと
当時大いに感心したものです。

霧島 昇
有名なヒット曲のほとんどが、女性歌手との
デュエット曲であるというのは珍しい。
映画主題歌を立て続けに歌ったことがその
理由だが、よく知られた曲ばかりである。

ちょっと鼻にかかったソフトな甘い声が特徴
で、戦前から戦後にかけて活躍した。
昭和13年に吹き込んだ松竹映画『愛染か
つら』の主題歌『旅の夜風』が爆発的に売
れ、流行歌最大のヒットと言われた。

古賀メロディも歌い『誰か故郷を想わざる』
『三百六十五夜』、『新妻鏡』(のち島倉千
代子が歌う)、『目ン無い千鳥』(のち大川
栄策が歌う)
軍歌では『若鷲の歌』という名曲を残した。

『霧島 昇 不滅の歌声』(LP3枚組)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎旅の夜風(ミス・コロムビア)
◎一杯のコーヒーから(ミス・コロムビア)
  愛染夜曲(ミス・コロムビア)
  純情二重奏(高峰三枝子)
  愛染草紙(ミス・コロムビア)
◎誰か故郷を想わざる
◎新妻鏡(二葉あき子)
  目ン無い千鳥(松原操)
◎蘇州夜曲(渡辺はま子)
◎若鷲の歌(波平暁男)
◎リンゴの唄(並木路子)
  胸の振子
◎三百六十五夜(松原操)
<私の好きな曲ベストテン>

@三百六十五夜(松原操)
A若鷲の歌(波平暁男)
B誰か故郷を想わざる
C旅の夜風(ミス・コロムビア)
D蘇州夜曲(渡辺はま子)
E夢去りぬ
F胸の振子
G新妻鏡(二葉あき子)
H純情二重奏(高峰三枝子)
I一杯のコーヒーから(ミス・コロムビア)

※『旅の夜風』の二番の歌詞を吹き込みの
時に間違えて歌い、そのままレコードに
なってしまったことがエピソードとして知られ
ている。

ペギー葉山
昭和27年『ドミノ』でレコードデビュー。
主にポピュラー歌手として活躍したが、『南
国土佐を後にして』という歌謡曲の大ヒット
もある。

初期のジャズ・ボーカルから発展してポピュ
ラー全般を歌うようになり、包み込むように
歌う厚みのある声はミュージカルでも本領
を発揮した。

『学生時代』は学校の2級先輩だった平岡
精二が作詞・作曲した名曲。まさに「ペギー
葉山自身の学生時代」を歌った曲として知
られている。

ステレオ録音もいいが、モノラル録音で聴く
初期の声(『ドミノ』など)もいいものだ。

『ラ・ノビア』(泣きぬれて)
(昭和39年3月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  ドミノ
  ケ・セラ・セラ
◎爪
◎南国土佐を後にして
◎ドレミの唄
  ドミニク
◎ラ・ノビア
◎学生時代
  エーデルワイス
  愛の贈りもの
  雲よ風よ空よ
<私の好きな曲ベストテン>

@学生時代
Aドミノ
Bラ・ノビア
C爪
D南国土佐を後にして
E火の接吻
F愛の贈りもの
Gキャンパス通り
Hエーデルワイス
I雲よ風よ空よ

※発売当時購入した『ラ・ノビア』のシン
グル盤(左上)のジャケット・タイトルは、
『泣きぬれて(泣いている花嫁)』となって
おり、原題として LA NOVIA と表示されて
いる。

菅原洋一
日本語でタンゴを歌う歌手というのは非常
に少ないが、全国に知れ渡ったのはこの人
である。
歌がうまくて実力がありながらデビュー以来
レコードが売れない時代が実に長かった。
昭和40年の『知りたくないの』のヒットでやっ
と日の目を見る。そのレコーディング時、
「過去」という作詞の部分をめぐり、なかに
し礼との「歌詞を変えてほしい」「プロなら歌
えるはず」のやりとりは有名なエピソードと
して残っている。
素晴らしい歌唱力は万人に認められ、「タ
ンゴの巨匠」アルフレッド・ハウゼ(楽団)と
のレコーディングも果たした。
昭和43年『誰もいない』で歌唱賞、昭和45
年『今日でお別れ』(初発売は42年)が日本
レコード大賞受賞。
その暖かく響く歌声と「ハンバーグ」という愛
称で多くの人に親しまれた。

『花は語らない』(昭和43年10月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎知りたくないの
◎今日でお別れ
◎芽生えてそして
◎誰もいない
  奥様お手をどうぞ
  潮風の中で
◎愛のフィナーレ
  忘れな草をあなたに
  ラ・クンパルシータ
◎アマン(シルヴィア)
<私の好きな曲ベストテン>

@夢のタンゴ
A行かないで
B知りたくないの
C今日でお別れ
D潮風の中で
E花は語らない
F時計
G心の港
Hその手を放して
I愛のブルース

※『恋心/知りたくないの』のカップリング
で発売された。『恋心』は岸洋子盤とは違い
なかにし礼が作詞している。

鶴田浩二
左手を耳に添えて歌う独特のスタイル。映
画界の大スターであり、歌手としても多くの
ヒット曲を出した。

特攻隊の生き残り(実際は特攻隊を見送る
役)と公言し、戦没者に対する熱い思いを
胸に秘めていた人である。
セリフだけで歌がないという『同期の桜』の
レコードは有名。

そうした戦争の傷跡をひきずっているため
か、甘いマスクに時折見せる瞬間の翳り。
それが大きな魅力になっている。

「泣き節」「嘆き節」という歌い方が大きな特
徴で、俳優であることを活かしその役になり
きって歌っている。

『赤と黒のブルース/鶴田浩二』
LP(ベスト盤:ステレオ録音)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  さすらいの舟唄 
◎弥太郎笠 
◎ハワイの夜
◎街のサンドイッチマン
◎赤と黒のブルース
◎好きだった
  東京詩集 
◎傷だらけの人生
  同期の桜 
<私の好きな曲ベストテン>

@赤と黒のブルース
A街のサンドイッチマン
B弥太郎笠
Cハワイの夜
D好きだった
E東京詩集
F傷だらけの人生
Gさすらいの舟唄
Hハバロフスク小唄
I同期の桜

西田佐知子
昭和35年、物憂げな歌い方の『アカシアの
雨がやむとき』が大ヒット。
この曲を1960年代の安保闘争の報道と結
びつけるマスコミも多く、非常に象徴的な曲
といえる。

ピーンと張り詰めたアクセントで、歌の聴か
せどころを作るのが実にうまく、
憂いとともに「突き放すような」歌い方で独
特の虚無感・孤独感を醸し出している作品
が多い。

後期の作品は『星のナイト・クラブ』のように
肩の力を抜いた曲も見られる。

『赤坂の夜は更けて』のB面だった『女の意
地』はカラオケでは誰もが知る有名曲となっ
た。

『赤坂の夜は更けて』
(昭和40年12月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎アカシアの雨がやむとき
  死ぬまで一緒に
◎コーヒー・ルンバ
◎エリカの花散るとき
  故郷のように
◎東京ブルース
◎赤坂の夜は更けて
◎女の意地
  はてしなき恋
  涙のかわくまで
<私の好きな曲ベストテン>

@涙のかわくまで
A赤坂の夜は更けて
B星のナイト・クラブ
C雲の流れに
Dコーヒー・ルンバ
Eはてしなき恋
Fアカシアの雨がやむとき
G東京ブルース
H死ぬまで一緒に
I裏町酒場

※5枚組のCD全集や、初期の録音を集め
たCDも発売されている。
『アカシアの雨がやむとき』のシングル盤
ジャケットは「西田佐智子」の表示に
なっている。

橋 幸夫
昭和35年ロカビリー全盛期に、角刈り・着
物姿で『潮来笠』を歌い鮮烈なデビューを果
たした。
一連の股旅調歌謡曲が、若く伸びのある本
人の声にマッチして、立て続けにヒット。
その一方で、若者の「若さ・恋・夢」を歌った
「青春歌謡」で一大ブームをおこす。
橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦の三人で「御
三家」を確立。「御三家」は爆発的な人気で
月刊平凡・明星の紙面を独占した。

吉田学校の優等生と言われ、常に新しい
音楽に挑戦し、次々と「リズム歌謡」を歌っ
てヒットさせた。吉永小百合とのデュエットも
佳曲が多い。
ちょっと首をかしげながら歌うその姿は、よ
く物まねの対象にもなっている。
日本レコード大賞の新人賞受賞。大賞を2
回、その他の賞も受賞している。

『沓掛時次郎』(昭和36年7月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎潮来笠
  南海の美少年(天草四郎の唄) 
◎江梨子
  若いやつ
◎いつでも夢を(吉永小百合)
  白い制服
◎恋をするなら
◎CHE CHE CHE
  あの娘と僕
  僕等はみんな恋人さ
◎雨の中の二人
  恋と涙の太陽
◎霧氷
  恋のメキシカン・ロック
  佐久の鯉太郎
◎京都、神戸、銀座
◎子連れ狼
<私の好きな曲ベストテン>

@沓掛時次郎
A青いセーター
B潮来笠
C恋と涙の太陽
D佐久の鯉太郎
E若いやつ
F絆
Gいつでも夢を(吉永小百合)
H中山七里
Iシンガポールの夜は更けて

※『颯爽!橋幸夫の股旅篇』(SJV-336)
というLPが私の愛聴盤です。
シングル盤のヒット曲をほとんど網羅した
6枚組CD『橋幸夫大全集』がある。
リバスターからは『ささえ』『絆』といった
人生をしみじみ歌う曲も発売されている。

舟木一夫
昭和38年『高校三年生』で颯爽とデビュー。
学生服に八重歯、「舟木カット」と呼ばれる
髪形で一躍人気者になる。

真面目で清潔な印象から、青春・学園ソン
グ、時代物、文学作品・叙情ものをよく歌っ
た。
哀愁の漂う声質で若者の心を捉え、御三家
の一人として大活躍した。
当時、橋幸夫がリズム歌謡の「スイム」なら
舟木一夫は「リーフ」だというように、御三家
は常に張り合って、次はどんな新曲で対抗
するのか楽しみだった。

レコード会社の期待が大きいため素晴らし
い曲が集中して作られている。
テレビ時代劇、大川橋蔵主演『銭形平次』
の主題歌は印象に残る人も多い。

『東京は恋する』(昭和40年4月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎高校三年生
◎修学旅行
◎学園広場
  仲間たち
◎あゝ青春の胸の血は
  君たちがいて僕がいた
◎花咲く乙女たち
◎北国の街
  東京は恋する
◎高原のお嬢さん
  哀愁の夜
  友を送る歌
◎銭形平次
◎絶唱
  夕笛
<私の好きな曲ベストテン>

@花咲く乙女たち
A東京は恋する
Bあゝ青春の胸の血は
C君たちがいて僕がいた
D修学旅行
E哀愁の夜
F北国の街
G高校三年生
H涙の敗戦投手
I北国にひとり

※青春・学園ソングは遠藤実(作曲)の
功績が大きい。

西郷輝彦
クラウンレコードの「東西南北」の一人とし
て『君だけを』で昭和39年デビュー。
(東は東山明美、西は西郷輝彦、南は南蘭
子、北は北島三郎)
橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦の三人は「御
三家」と呼ばれ、その人気とヒット曲の集中
度はすごかった。

舟木一夫が優等生的イメージならば、西郷
輝彦はちょっと「ワル」の混ざったようなワイ
ルドなイメージ。曲もロック調でビートのきい
た歌謡曲を得意にしていた。
『赤い花』『海の子守唄』『恋のGT』などシン
グル盤B面のヒット曲がいくつもある。

俳優としても『どてらい男(やつ)』で評価が
高まり、『江戸を斬る』の遠山金四郎役など
を経て、その後時代劇俳優として大活躍し
ている。

『チャペルに続く白い道』
(昭和39年4月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎君だけを
  チャペルに続く白い道
◎星空のあいつ
◎十七才のこの胸に
◎涙をありがとう
◎恋人ならば
  星と俺とで決めたんだ
◎星娘
  恋のGT
  涙になりたい
  僕だけの君
◎星のフラメンコ
  傷だらけの天使
◎初恋によろしく
  願い星叶い星
  真夏のあらし
<私の好きな曲ベストテン>

@星空のあいつ
A赤い花
Bチャペルに続く白い道
C星と俺とで決めたんだ
D君だけを
E十七才のこの胸に
F恋人ならば
G願い星叶い星
H海の子守唄
I想い出を君に返そう

※初期のヒット曲は北原じゅんによる作曲
が多い。
クラウンレコードは当時「青春歌謡」に
力を入れていた。美樹克彦、山田太郎、
東山明美などが活躍していた。

加藤登紀子
日本アマチュアシャンソンコンクール優勝、
東大卒の歌手という鳴り物入りでプロデビ
ュー。
『赤い風船』で日本レコード大賞新人賞受
賞の好スタートを切る。

昭和44年「ひとり寝の子守唄」、46年「知床
旅情」で日本レコード大賞歌唱賞を受賞。
本来はシャンソン歌手だが、歌謡曲、フォ
ーク調のヒット曲も多く、さまざまなジャンル
を歌う。
「おトキさん」の愛称で親しまれ、自ら作詞・
作曲もする。
曲よりも詞の言葉のほうが伝わってくる歌
い方をし、「魂の叫び」を伝えることができる
歌手といえる。
『百万本のバラ 』はまさに集大成となった
名曲である。

『あなたのおもかげ』
(昭和43年2月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎赤い風船
  ギターをひこう
◎ひとり寝の子守唄
  帰りたい帰れない
◎知床旅情
◎琵琶湖周航の歌
◎愛のくらし
  黒の舟唄
◎灰色の瞳
  この空を飛べたら
  灰色の季節
◎百万本のバラ 
<私の好きな曲ベストテン>

@あなたのおもかげ
A百万本のバラ
B愛のくらし
Cギターをひこう
D虹をさがそう
E灰色の瞳(長谷川きよし)
F知床旅情
G琵琶湖周航の歌
H黒の舟唄
Iつめたくすてて

※大ヒット曲『知床旅情』の2番の歌詞を
「飲むほどに さまよい」と録音したが、
のちに「酔うほどに さまよい」と
吹き込み直している。

小林 旭
少しかん高く、はり上げるような「味のある
独特の歌唱法」は人々に強烈な印象を与
えた。
その特徴は非常に個性的で、よく物まねの
歌番組でも取り上げられた。
アクション・スターとして大活躍し、日活の黄
金時代に貢献した。

『ズンドコ節』『恋の山手線』『自動車ショー
歌』といった普通の歌手では歌えないような
洒落たコミック・ソングを歌う一方で、唱歌
的な趣のある『北帰行』『惜別の唄』『北
へ』、演歌では『昔の名前で出ています』を
大ヒットさせている。
普通の流行歌手とは違った独自の世界が
あり、まさにギターを抱えた「渡り鳥」といっ
たイメージを感じさせる曲が多い。
コロムビア、クラウン、ポリドールと在籍した
それぞれのレコード会社からヒット曲を出し
ている。

『女房きどり』(昭和51年5月発売)


有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  ギターを持った渡り鳥
  ズンドコ節
◎さすらい
◎北帰行
◎惜別の唄
  恋の山手線
  自動車ショー歌
◎ついてくるかい
  純子
◎昔の名前で出ています
  女房きどり
◎北へ
◎熱き心に
<私の好きな曲ベストテン>

@昔の名前で出ています
A熱き心に
B女房きどり
C北へ
D北帰行
Eさすらい
F私の名前が変わります
Gギターを持った渡り鳥
Hついてくるかい
I惜別の唄

※『女房きどり』は牧村三枝子もアルバム
の中で歌っており、また違った味を出して
いる。

伊藤久男
抒情あふれる楽曲を声量豊かに朗々と、じ
っくり歌いあげるのが特徴で、迫力があっ
た。

のちに歌声喫茶で流行る『あざみの唄』や
『山のけむり』といった名曲も歌っている。
特筆すべきは昭和25年発売の『イヨマンテ
の夜』。
ヒット直後しばらくは、のど自慢大会で『イヨ
マンテの夜』を歌う人ばかり続いて審査員
が困ったというエピソードも残っている。

重厚で豪快な歌唱力は軍歌のイメージとも
重なり、誰もが知っている有名な戦時歌謡
をいくつも歌った。

全国高等学校野球大会の歌である『栄冠
は君に輝く』を最初に歌ったのはこの人で
ある。(昭和24年7月発売)

GOLDEN DOUBLE FOR YOU 伊藤久男』
(LP2枚組)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎露営の歌
(中野忠晴、松平晃、霧島昇、佐々木章) 

  お島千太郎旅唄(二葉あき子) 
◎暁に祈る
  高原の旅愁
◎熱砂の誓い
  シベリヤ・エレジー
  栄冠は君に輝く
◎イヨマンテの夜
◎あざみの唄
◎山のけむり
  君いとしき人よ
  ブラジルの太鼓
<私の好きな曲ベストテン>

@あざみの唄
A山のけむり
Bイヨマンテの夜
C君いとしき人よ
D高原の旅愁
E熱砂の誓い
Fシベリヤ・エレジー
Gたそがれの夢
H数寄屋橋エレジー
Iブラジルの太鼓

※SP復刻CDや、CD全集も発売されており
歌声を十分楽しむことができる。

江利チエミ
昭和27年に『テネシー・ワルツ』でデビュー
し、その天才的なジャズ・フィーリングが注
目を浴びる。

外国曲に日本語詞をつけて歌う「カバー・ポ
ップス」のはしりと言えるかもしれない。
美空ひばり、雪村いづみと共に、「三人娘」
として活躍。

ポピュラー、歌謡曲から民謡、端唄、俗曲
まで歌う柔軟な歌唱力があり、歌声はやさ
しく暖かい。
着物姿で『さのさ』や『おてもやん』を歌って
いるシーンが今でも目に浮かぶ。

テレビドラマ『咲子さんちょっと』や『サザエさ
ん』に主演し庶民的な親しみが感じられた
が、プロ意識の高い人だったという。

『ひとり泣く夜のワルツ』
(昭和42年7月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎テネシー・ワルツ
◎家へおいでよ
  ウスクダラ
◎さのさ
  奴さん
◎新妻に捧げる歌
  おてもやん
  ひとり泣く夜のワルツ
◎酒場にて
  旅立つ朝
<私の好きな曲ベストテン>

@新妻に捧げる歌
A夢のカナリー島
Bひとり泣く夜のワルツ
Cテネシー・ワルツ
D思い出のサンフランシスコ
E家へおいでよ
F京の雨
G酒場にて
Hさのさ
I夜ふかし気分

※『新妻に捧げる歌』は、結婚式の定番
ソング。ほのぼのとした暖かさが感じられ
る曲です。

ハナ肇と
クレージー・キャッツ
渡辺プロダクションを代表するコミック・バン
ド。テレビ・映画で大活躍。

『おとなの漫画』『シャボン玉ホリデー』で日
本中に知られ、メンバーは
リーダーのハナ肇を筆頭に植木等、谷啓、
犬塚弘、安田伸、石橋エータロー、桜井セ
ンリ。

メイン・ボーカルは植木等が歌うことが多
く、その底抜けの陽気さと無責任な調子が
大いに受け、爆発的な支持を得た。
こういう明るい歌が今の時代にも欲しいも
のだ。

ヒットが難しいコミック・ソングで、沢山のヒ
ット曲をたて続けに出したことはすばらし
い。
「およびでない」「ガチョーン」など強烈な流
行語も残した。

『ビッグ・アーティスト・ベスト・コレクシ
ョン ハナ肇とクレージー・キャッツ』
(CD)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎スーダラ節
◎ドント節
◎五万節
◎無責任一代男
◎ハイそれまでヨ
  これが男の生きる道
  ショボクレ人生
  ホンダラ行進曲
  学生節
◎めんどうみたヨ
◎だまって俺について来い
◎ゴマスリ行進曲
  悲しきわがこころ
  遺憾に存じます
<私の好きな曲ベストテン>

@だまって俺について来い
Aめんどうみたヨ
Bハイそれまでヨ
C五万節
D無責任一代男
Eドント節
Fスーダラ節
Gショボクレ人生
Hゴマスリ行進曲
I悲しきわがこころ

※今改めてよく聴くと、植木等の「ノリ」の
良さには感心する。本人はシリアスな芸を
望んでいたようだが、ハチャメチャなノリは
他の人では「様にならない」。

岸 洋子
シャンソン、カンツォーネをよく歌い、
人生経験が豊富であるかのようなどっしり
とした「安定感」があった。
低音域がしっかりしていることと、スケール
が大きい堂々とした歌い方によるものであ
ろう。

昭和39年『夜明けのうた』、昭和45年には
『希望』で二度も「日本レコード大賞歌唱賞」
を受賞している。

満員の大きなステージのほうが、より実力
を発揮できるという、そういう歌手で、ゆる
ぎない歌唱力を発揮して「大人の恋」を聞
かせてくれた。

キングレコードよりCD8枚組、CD6枚組の全
集が発売されている。

『岸洋子ダブルデラックス』(LP2枚組)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎夜明けの歌
◎恋心
  悲恋
◎想い出のソレンツァーラ
  わかっているの
  ラスト・ワルツ
  酔いしれて
  愛ある限り
  別離
◎希望
◎ケ・サラ
<私の好きな曲ベストテン>

@恋心
A酔いしれて
B想い出のソレンツァーラ
C愛ある限り
D別離
E甦る明日
F夜明けの歌
Gわかっているの
H悲恋
I私の恋人

※シャンソンよりは、カンツォーネの方が
本領を発揮していると思います。

宮 史郎と
ぴんからトリオ
(ぴんから兄弟/宮 史郎)
ドロくさい演歌No.1。
スマートな曲の対極といえるこうした「ど演
歌」には「喜び」「悲しみ」「苦しみ」という日
本人の心が多く詰まっている。それを体現
した宮史郎の「ダミ声」には人生の苦労を
感じさせる独特の味わいがある。

破天荒な歌い方で400万枚近くを売り上げ
た『女のみち』は、いまだ演歌史上最大のヒ
ット曲として燦然と輝いている。
結成はリーダーの並木ひろし、宮 史郎、
宮 五郎(兄)の三人。
『女のみち』・・・380万枚
『女のねがい』・・・170万枚
『女のゆめ』・・・80万枚
「ぴんからトリオ」でデビューからこの3作の
数字は空前のヒットというにふさわしい。

『女のきず』から並木ひろしがはずれて「ぴ
んから兄弟」になるが、その後もカラオケで
歌われるヒット曲をいくつも出している。
昭和58年から宮史郎ソロになって今も活躍
している。

『宮 史郎全集』(CD4枚組)

「ぴんからトリオ」「ぴんから兄弟」の
レコードA-B面をすべて収録したCD


有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

★宮史郎とぴんからトリオ
◎女のみち
◎女のねがい
◎女のゆめ

★ぴんから兄弟
◎女のきず
◎ひとり酒
  あなたが欲しい
  女のちかい
  おまえ
  あなたのすべて

★宮 史郎
◎片恋酒
<私の好きな曲ベストテン>

@女のゆめ
A女のちかい
Bひとり酒
C女のきず
D女のねがい
E片恋酒
F夢を抱く女
G女のみち
Hほろり酒
Iいろいろありました

※ぴんからトリオから分かれた並木ひろし
は、「並木ひろしとタッグ・マッチ」を結成。
『男のなみだ』(東宝レコード)という
『女のみち』以上に強烈な歌い方の曲を
発売している。

小畑 実
美声では定評があり、高い声がキンキンし
ない滑らかな感じで気持ちがよい。

正確で安定感のある歌唱。技巧派でもあ
り、「声の魔術師」の異名もとる。

「スター歌手」として雑誌「平凡」の人気投票
で三年連続トップを獲得する人気歌手だっ
た。

昭和16年にポリドールからスタートして、ビ
クター、テイチク、キング、コロムビア、ビク
ター(また戻る)と多くのレコード会社で吹き
込み、「時代歌謡」「叙情歌謡」「青春歌謡」
といったいろいろなタイプの歌を歌ったが、
それぞれ声や歌い方を変えて工夫している
ところも評価されている。

『小畑 実 全曲集』(CD)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎婦系図の歌(湯島の白梅)
  (藤原亮子)
◎勘太郎月夜唄(藤原亮子)
  長崎のザボン売り
  小判鮫の唄
◎星影の小径
  薔薇を召しませ
◎アメリカ通いの白い船
◎高原の駅よさようなら
  山の端に月の出るころ
  そよ風のビギン
<私の好きな曲ベストテン>

@婦系図の歌(湯島の白梅)(藤原亮子)
A高原の駅よさようなら
B勘太郎月夜唄(藤原亮子)
C星影の小径
D青い流れに
E花の三度笠
F長崎のザボン売り
G小判鮫の唄
Hロマンス東京
Iそよ風のビギン

※昭和17年『婦系図の歌』は今では
その曲名が使われることはほとんどなく、
『湯島の白梅』のほうが一般的に使われて
いる。

和田 弘と
マヒナ・スターズ
リーダー和田弘が演奏するスチールギター
の独特の音色。ハワイアンでお馴染みの裏
声を歌謡曲に取り入れた佐々木敢一のき
れいな裏声。ヴォーカル松平直樹のいかに
も男女の恋を歌う雰囲気が大人のムードを
醸し出す。

フランク永井と並び、作曲家吉田正による
ムード歌謡の元祖といえる。
いろいろな女性歌手をメイン・ヴォーカルに
招き入れて録音した曲は、いずれも大ヒット
を記録した。
マヒナ・スターズの活躍は昭和40年代のム
ード・コーラスグループのブームにつながる
ことになった。

昭和30年代には(女の声みたいだと言わ
れ)奇異に聞こえたコーラスのファルセット
(裏声)は、その後完全に定着し、
ムード・コーラスにファルセットは付き物とい
うまでになった。

『涙と雨にぬれて』
(昭和42年9月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎泣かないで
  夜霧の空の終着港
  グッドナイト(松尾和子)
◎誰よりも君を愛す(松尾和子)
◎北上夜曲(多摩幸子)
◎寒い朝(吉永小百合)
  男ならやってみな
◎島のブルース(三沢あけみ)
◎お座敷小唄(松尾和子)
  雨の夜の東京
愛して愛して愛しちゃったのよ(田代美代子)
  涙くんさよなら
  女の恋ははかなくて
◎銀座ブルース(松尾和子)
  涙と雨にぬれて(田代美代子)
  北国は寒いだろう
<私の好きな曲ベストテン>

@涙と雨にぬれて(田代美代子)
A銀座ブルース(松尾和子)
Bお座敷小唄(松尾和子)
C愛して愛して愛しちゃったのよ(田代美代子)
D泣かないで
E誰よりも君を愛す(松尾和子)
F雨の夜の東京
G北国は寒いだろう
H男の夜曲
I島のブルース(三沢あけみ)

※『雨の夜の東京』は『ワン・レイニー・
ナイト・イン・トーキョー』、『女の恋ははか
なくて』は『女の意地』の曲名のほうが
よく知られている。

森山良子
昭和42年『この広い野原いっぱい』でデビュ
ー。ブラザース・フォアやP.P.Mなどの影響
を受け日本でもフォークソングが盛んにな
り、カレッジ・フォークがこの頃大いにはや
った。
外国曲のコピーの中で、日本独自のフォー
クが発生してくる時期でもあった。
その中で森山良子はフォーク・シンガーとし
てスタートし、マイク真木などと日本のフォ
ーク・ブームを作った。

しかし、世間に知れ渡ったのは、フォークの
楽曲ではなく、『禁じられた恋』『恋人』など
歌謡曲の連続ヒットによるものだった。
透明感のあるきれいな声と確かな歌唱力。
天使のような美声で人気を博した。

その後も途切れることなく活動を継続し、年
月とともに大人の歌手に変わってきた。
『さとうきび畑』や『涙そうそう』にはベテラン
の円熟味が感じられる。

『さよならの夏』(昭和51年4月発売)



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎この広い野原いっぱい
  ふたつの手の想い出
◎今日の日はさようなら 
  雨あがりのサンバ
  悲しき天使
◎禁じられた恋
  まごころ
◎さとうきび畑
◎恋人
  思い出のグリーングラス
  歌ってよ夕陽の歌を
  さよならの夏
◎涙そうそう
<私の好きな曲ベストテン>

@さよならの夏
Aひなげしの花
B恋人
C今日の日はさようなら
Dこの広い野原いっぱい
E涙そうそう
Fふたつの手の想い出
G恋はみずいろ
H禁じられた恋
I雨あがりのサンバ

※『さとうきび畑』は何回も録音されており、
ロング・バージョンは10分以上のタイムに
なっている。

布施 明
甘いマスクで情熱的な歌い方。歌謡界では
それまでにあまりなかった「絶叫型」タイプ
の歌手として人気があった。
伸びのある声と高音部の張りがすばらしく、
スマートな感じが大いに受けた。

デビュー曲こそカンツォーネ『君に涙とほほ
えみを』だったが、その後は一連の平尾昌
晃作品でヒット曲を連発した。
歌唱力が認められ、昭和49年『積木の部
屋』で日本レコード大賞歌唱賞、
昭和50年に『シクラメンのかほり』で日本レ
コード大賞を受賞している。

フランク・シナトラで有名な『マイ・ウェイ』も
この人が歌うのが一番似合っている。
熱唱する姿が「サマ」になる歌手、その姿が
瞼に焼きつく歌手である。

『おもいで』(昭和41年3月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  君に涙とほほえみを
◎おもいで
  銀の涙
◎霧の摩周湖
◎恋
  涙をおふき
  愛の園
◎そっとおやすみ
◎マイ・ウェイ
◎積木の部屋
◎シクラメンのかほり
  落葉が雪に
◎君は薔薇より美しい
<私の好きな曲ベストテン>

@そっとおやすみ
A君に涙とほほえみを
B君は薔薇より美しい
Cマイ・ウェイ
Dおもいで
E銀の涙
F華麗なる誘惑
G愛のこころ
H涙をおふき
I恋

※『おもいで』は作曲した平尾昌章(のち
昌晃に改名)自身が昭和40年にシングル
を発売したが、弟子の布施明が歌って
師匠をしのぐヒットになった。

三浦洸一
昭和28年『さすらいの恋唄』でデビュー。初
期は恩師「吉田正」の筆頭門下生として活
躍した。

真面目で誠実さを感じさせる風貌と人柄は
女性にも人気があった。
歌のほうもメロディを崩さず丁寧に正確に
歌い、そのきっちりした歌唱には美しさがあ
る。
まさに歌謡界の紳士といえる。

哀愁のある美声にかかわらず、低音部が
スムーズでしかもしっかりしていて、魅力あ
る響きを出している。
「流れもの」「岬もの」「都会もの」などいろ
いろ歌ったが、一番得意としていたのは抒
情的な歌だった。
ほかには『踊子』に代表される「文芸もの」
もイメージに合っている。

『三浦洸一 
 歌手生活55周年記念アルバム』
(CD2枚組)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎落葉しぐれ
◎弁天小僧
◎東京の人
  あゝダムの町
◎踊子
  街燈
  釧路の駅でさようなら
  桜の園
  青年の樹
  天と地と
<私の好きな曲ベストテン>

@落葉しぐれ
A東京の人
B踊子
C街燈
D弁天小僧
E青年の樹
F男なら
Gさすらいの恋唄
Hあゝダムの町
I釧路の駅でさようなら

※『三浦洸一 歌手生活55周年記念アル
バム』はオリジナル音源のベスト盤CD。
解説付きがうれしい。

森 進一
昭和41年『女のためいき』でデビューしたと
きの印象は強烈だった。
「歌手」といえば美声でなければならないと
いう既成概念を打ち破る「独特のかすれた
ような低い声」。職を転々と変え生きてきた
ハングリー精神を感じさせる風貌・歌声だっ
た。
こんな声でやってゆけるのかという批判が
多かったが、切実な女ごころを歌う一連の
路線が盛り場や薄幸の女性の絶大な支持
を受け、大ヒットが続いた。
まさに女になりきって歌うことができる歌手
であり、感情の移入をここまでできた歌手
はそれまでになかった。

当時の人気はものすごく、デビューして4年
目で紅白歌合戦のトリを歌うほどの活躍を
した。
昭和44年『港町ブルース』でレコード大賞最
優秀歌唱賞を受賞、46年には『おふくろさ
ん』で再度、歌唱賞を受賞。
その後、『襟裳岬』や『冬のリヴィエラ』など
異なったジャンルの作品にも積極的に取組
みヒットさせている。

『年上の女』(昭和43年11月発売)







有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎女のためいき
  東京みれん
  女の波止場
◎命かれても
◎盛り場ブルース
◎花と蝶
◎ひとり酒場で
◎年上の女
◎港町ブルース
  花と涙
  望郷
◎おふくろさん
◎襟裳岬
  新宿・みなと町
  恋月夜
  命あたえて
◎冬のリヴィエラ
◎北の螢
<私の好きな曲ベストテン>

@ひとり酒場で
A年上の女
B女のためいき
C東京みれん
D港町ブルース
E神戸の夜
F盛り場ブルース
G命かれても
H北の螢
Iネオンごころ

※『影を慕いて』という古賀メロディーのLP
を発売した時、『人生の並木路』を吹込む
際に、苦労した過去を思い出し、涙したと
いうことが大きく紹介された。
この曲と『影を慕いて』はどちらも吹込みに
二日間かかったという。

青江三奈
川内康範氏の小説『恍惚』の主人公の名を
そのまま芸名にしている異色の存在。
銀座のクラブで歌っていたが、昭和41年
『恍惚のブルース』でレコード・デビュー。

独特のハスキー・ボイスで森進一と共に「た
めいき路線」と称され、ビクターレコードの
両輪として大活躍。
ご当地ソングを多く歌い、新たなジャンルと
客層を掘り起こした。

とにかくふんわりした髪形がいつでもきれい
にセットされている人で、そのイメージが最
後まで続いた。
地の底を這うような怨念を感じさせるブル
ースは圧巻。
ブルースと歌謡曲の融合もすばらしく、『伊
勢佐木町ブルース』『池袋の夜』と二年連続
でレコード大賞歌唱賞を獲得している。

『夜がわたしを誘惑するように』
(昭和45年3月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎恍惚のブルース
  この恋なくしたら
◎伊勢佐木町ブルース
◎札幌ブルース
◎長崎ブルース
  新宿サタデー・ナイト
◎池袋の夜
  国際線待合室
  夜がわたしを誘惑するように
  夜の瀬戸内





<私の好きな曲ベストテン>

@恍惚のブルース
A伊勢佐木町ブルース
B中洲・那珂川・涙街
C池袋の夜
D長崎ブルース
Eこの恋なくしたら
F札幌ブルース
G夜がわたしを誘惑するように
H夜の紅花
I国際線待合室

※何といっても不気味な曲が『眠られぬ夜
のブルース』。是非一聴を!
発売したシングル盤で「○○ブルース」と
いう曲が20曲以上ある。まさにブルースの
女王といえる。

美川憲一
深みのある重低音ときれいな裏声、メリハリ
のある個性的な歌手である。

デビューから2曲目までは、青春歌謡的な
路線だったが、昭和41年に3枚目のシング
ルで、流しをしていた宇佐英雄が作詞作曲
した「柳ヶ瀬ブルース」を歌ったところ爆発的
なヒット!
本人はこの曲がイヤで、レコーディングの時
に、「ふてくされて」わざとぶっきらぼうに歌っ
たそうだが、その感情を入れない歌い方が
大いに受けたのだから、世の中はわからな
い。一躍スターダムにのし上がり、昭和40年
代に佳曲を続けて発売した。

重厚な低音が魅力的だが、その一方で、
『釧路の夜』や『霧のバラード』『夜の慕情』
など、裏声がきれいな印象もある。

今や歌手以外でも大活躍。お茶の間に定着
し、言いたい本音をズバッと出せるキャラク
ターで人気がある。

『柳ヶ瀬の女』(昭和41年11月発売)




有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎柳ヶ瀬ブルース
  柳ヶ瀬の女
  ネオン化粧
◎新潟ブルース
◎釧路の夜
  霧のバラード
  女とバラ
◎おんなの朝
◎さそり座の女
  幸せになりたい








<私の好きな曲ベストテン>

@霧のバラード
A柳ヶ瀬の女
B柳ヶ瀬ブルース
C釧路の夜
D新潟ブルース
Eネオン化粧
F女とバラ
G幸せになりたい
H花が散ったら
Iあの星のかなた

※高校の修学旅行で北海道に行った時、
各人で釧路ともう一ヶ所どちらか行く先を
選ぶことになり、私は迷わず釧路を選んだ。
それは『釧路の夜』に出てくる「ヌサマイ
橋」を見に行くためだった。
モダンなきれいな橋で、歌詞に出てくる
「船の汽笛」とは無縁の感じがした。
『釧路の夜』発売の翌年のことである。

藤 圭子
「演歌の星」というキャッチフレーズで昭和
44年『新宿の女』でデビュー。
荒削りだがドスのきいた低音と美貌で人気
が爆発。いままでの「演歌」ではない、怨念
の「怨歌」と言われた。

小柄で可愛い人形のような風貌に対し、声
はかすれてザラついた迫力があり、そのイ
メージのギャップが人々に強烈な印象を与
えた。「天は二物を与えずというが藤圭子
の場合は別だね」というほどの人気だっ
た。
デビューまでの厳しくつらい人生を大きく宣
伝したことと、五木寛之氏の絶賛によって
一層関心が高まり、一躍「時の人」となる。

ファースト・アルバムとセカンド・アルバム併
せて10ヶ月間連続「LP売上1位」という大記
録を打ち立てた。
『圭子の夢は夜ひらく』で昭和45年第1回日
本歌謡大賞を受賞している。

『新宿の女』(昭和44年9月発売)



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎新宿の女
◎女のブルース
◎圭子の夢は夜ひらく
◎命預けます
  みちのく小唄
◎京都から博多まで
  別れの旅
  花は流れて
  明日から私は
  はしご酒
<私の好きな曲ベストテン>

@女の真心
A女の流れ唄
B別れの旅
C港が見える丘(ライブ)
D新宿の女
E京都から博多まで
F明日から私は
G知らない町で
Hみちのく小唄
I花は流れて

※セカンド・アルバム『女のブルース』は
ファーストと違い、全曲オリジナルの作品で
私の愛聴盤。LPの帯はジャケットと違い
『命預けます/”演歌の星”藤圭子』
となっている。

石川さゆり
昭和48年3月『かくれんぼ』でデビュー。
最初はアイドル路線で売り出したが、山口
百恵の全盛期ということもあり、途中から演
歌系歌謡曲に方向転換した。

昭和52年、日本国民なら知らない人はいな
い『津軽海峡・冬景色』が大ヒット。この曲
は第19回日本レコード大賞歌唱賞を受賞。
続く『能登半島』『暖流』と連続ヒットでスター
歌手になった。

「古賀政男記念音楽大賞」「作詩大賞」「日
本有線大賞」など多くの賞、音楽祭の賞を
獲得していて、何らかの賞を受賞した持ち
歌が十数曲もあり、これだけさまざまな音
楽賞をとっている歌手も珍しい。

せつない女心を歌う可憐な花のようなイメ
ージはデビューから今日までずっと続き、
確固たる地位を築いている。

『青い月夜の散歩道』
(昭和48年8月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  あなたの私
  あいあい傘
◎津軽海峡・冬景色
◎能登半島
  暖流
  沈丁花
  火の国へ
◎鴎という名の酒場
◎波止場しぐれ
◎天城越え
  夫婦善哉
  滝の白糸
◎風の盆恋歌
  ウイスキーが、お好きでしょ
<私の好きな曲ベストテン>

@あいあい傘
A津軽海峡・冬景色
B青い月夜の散歩道
C能登半島
D滝の白糸
Eみちゆき博多発
F私でよければ
G火の国へ
Hウイスキーが、お好きでしょ
Iなみだの宿

※カラオケの定番としてよく歌われる
『天城越え』だが、元々は敢えて「カラオケ
で歌うのが難しい曲」というコンセプトで
作られたという。
ところが実際は難しいのを物ともせず、
この曲を歌う上手な人が沢山いるという
ことが実証されたわけである。

井沢八郎
美声と声量、この二つを兼ね備えた歌手で
ある。
明るく力強い歌い方が特徴で、昭和38年
『男船』でデビュー。
「男」とつく曲名の「男っぽい歌」を立て続け
に発売し、歌にすべてをぶつけるような、け
れんみのないストレートな迫力があった。

惜しかったのは日本レコード大賞候補曲で
最有力にあげられながら受賞できなかった
『北海の満月』。
『イヨマンテの夜』に似ているという理由で
涙をのんだが、誰もが大賞を受賞するもの
と思っていた傑作である。
『あゝ上野駅』は集団就職を象徴する、永
久に人々の心に残る歌となって輝いてい
る。

『南海の恋唄』(昭和42年7月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎男船
◎あゝ上野駅
◎男傘
◎男の街角
◎北海の満月
  度胸っ子
  男の流れ星
  さいはての男
<私の好きな曲ベストテン>

@南海の恋唄
A男の街角
B男傘
C北海の満月
D男の流れ星
Eあゝ上野駅
Fさいはての男
G男船
H流転舟
I度胸っ子

※一連の「男っぽい歌」を作詞したのが、
最近お亡くなりになった松井由利夫氏。
私もお世話になったことがある温厚で
魅力的な先生でした。

荒木一郎
昭和41年、ラジオの人気DJ番組『星に唄お
う』に出演。毎週自作の歌を放送し、リスナ
ーから大きな反響を得る。
レコードデビューするや、作詞・作曲・歌手
というシンガーソングライターの先駆者とし
て流行歌史に残る活躍をした。
自作自演は当時珍しく、加山雄三と並び貴
重な存在で、作曲以上に作詞の評価が高く
一躍時代の寵児となった。

最大の特徴は、「鼻歌」のような歌い方にあ
り、さりげなく歌いこなすところが「荒木一郎
の世界」。そこには何の「力み」もない。風
呂場で気持ちよく軽く口ずさんでいるのと同
じ感覚である。

『ギリシャの唄』の突然転調する箇所や、強
烈な「半音」を聞かせる曲など、それまでの
流行歌にない斬新な手法は深く人々の印
象に残った。

他の歌手への作品提供もたくさんあり、『あ
なたのいない夜』は多くの歌手に歌われて
いる「渋い名曲」といえる。

『紅の渚』(昭和42年3月発売)






有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎空に星があるように
◎今夜は踊ろう
◎ギリシャの唄
  梅の実 
  紅の渚
◎いとしのマックス〈マックス・ア・ゴーゴー〉
  ひとりの時も(吉永小百合)
  君に捧げん
◎あなたのいない夜
◎君に捧げるほろ苦いブルース
  ジャニスを聴きながら 
<私の好きな曲ベストテン>

@紅の渚
A梅の実
B君に捧げるほろ苦いブルース
C君に捧げん
Dあなたのいない夜
E海
F空に星があるように
G涙の風景
Hギリシャの唄
I今夜は踊ろう

※『海』は最初LPに収録されていたが、
のちアレンジを変えてシングル盤となった。

トリオレコードから発売された『君に捧げる
ほろ苦いブルース』はまさに荒木一郎の
世界の集大成ともいえる名曲。
お得意の「鼻歌」を存分に堪能できる。

テレサ・テン
台湾出身で昭和49年『今夜かしら明日かし
ら』で日本の歌謡界にデビュー。
その背景には欧陽菲菲(昭和46年)、アグ
ネス・チャン(昭和47年)から始まった東南
アジア系歌手への期待と起用があった。
李朱朗(リー・ジュラン)(昭和47年)、方怡
珍(ファン・イーツン)(昭和48年)、優雅(ゆ
うや)(昭和49年)といった美人歌手が続々
とデビューしている。注目されたのは2曲目
の『空港』のヒットから。

テレサ・テンの名前を不動にしたのが『つぐ
ない』『愛人』『時の流れに身をまかせ』の三
連続大ヒットだった。
しっとりとした「大人の恋」を綴った「聴く人
が心をいやされる歌声」は大衆の絶大な支
持を受け、昭和59年から3年連続で日本有
線大賞を受賞するという栄誉を獲得した。
これに『別れの予感』をプラスした4曲はカ
ラオケの4大ヒットとして頻繁に歌われた。

日本、台湾、香港、中国などで活躍、「アジ
アの歌姫」と呼ばれ、没後も高い評価を得
ている。

『女の生きがい』(昭和50年3月発売)






有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎空港
  雪化粧
  女の生きがい
  夜のフェリーボート
◎つぐない
◎愛人
◎時の流れに身をまかせ
  スキャンダル
◎別れの予感
<私の好きな曲ベストテン>

@女の生きがい
A時の流れに身をまかせ
Bつぐない
C空港
D夜のフェリーボート
E愛人
F雪化粧
Gあなたと共に生きてゆく
H別れの予感
Iスキャンダル

※『つぐない』からの三連続大ヒットは
作曲家三木たかしの功績が大きい。

ダーク・ダックス
四人組の正統派男声コーラス・グループと
して昭和30〜40年代に多くのヒット曲を出し
た。
メンバーは向かって左から、高見澤 宏(パ
クさん:テナー)、佐々木 行(マンガさん:テ
ナー)、喜早 哲(ゲタさん:バリトン)、遠山 
一(ゾウさん:バス)。
慶應義塾大学の伝統あるコーラス・グルー
プ「ワグネルソサエティ」の出身だけあっ
て、格調高く、洗練された素晴らしいハーモ
ニーは、雑念のない純粋さを感じさせ、
人々の感動を呼び好感度が高かった。

お得意のレパートリーである「山の歌」や
「ロシア民謡」は歌声喫茶で多くの人に盛ん
に歌われた。
流行歌のヒット曲は少ないが、ポピュラーや
歌謡曲、外国民謡、抒情歌、唱歌、童謡な
ど幅広く歌い、海外でも活躍している。

『ワシントン広場の夜は更けて』
(昭和39年2月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎ともしび
  トロイカ
◎雪山讃歌
  すずらん
◎山男の歌
◎かあさんの歌
  雪の降る町を
  アンジェリータ
◎銀色の道
  花のメルヘン
◎森の熊さん
  雪山に消えたあいつ 
<私の好きな曲ベストテン>

@河岸のベンチ
A銀色の道
Bすずらん
Cともしび
Dかあさんの歌
Eすばらしい明日
F雪山に消えたあいつ
Gアンジェリータ
H黒い瞳
Iワシントン広場の夜は更けて

※コーラス・グループとしては、他に
デューク・エイセス、ボニージャックスがある
が、それぞれが微妙に歌うジャンルを変え
ることにより、グループの特徴を出そうと
している。

ジャッキー吉川と
ブルー・コメッツ
一大ブームを築き上げたGS(グループ・サ
ウンズ)の創始者で、スパイダースとブル
ー・コメッツがほぼ同時期と言われている。
メンバーは、ジャッキー吉川(ドラムス)、高
橋 健二(ベース)、小田 啓義(キーボード・
作曲・編曲)、井上 忠夫(大輔)(テナーサッ
クス・フルート・作曲・編曲)、三原 綱木(ギ
ター・作曲・編曲)。

昭和41年洋楽の雰囲気を持った『青い瞳』
の英語盤が注目され、日本語盤の発売で
「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」の名は一気に
全国に知れ渡った。
GS界の紳士であり、その演奏技術も非常
に質が高いと評価され、センチメンタルな
路線でヒット曲を連発した。『ブルー・シャト
ウ』が昭和42年日本レコード大賞を受賞。

長髪でGSが「不良のイメージ」ということか
ら、グループ・サウンズを一切出演させなか
ったNHKにも唯一出演できたことからも、
そのステータスがいかに大きかったかがわ
かる。途中から歌謡曲路線も取り入れ、『さ
よならのあとで』『雨の赤坂』というヒットも出
している。

『何処へ』(昭和41年12月発売)






有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎青い瞳
◎青い渚
◎ブルー・シャトウ
  マリアの泉
  北国の二人
  こころの虹
  草原の輝き
◎さよならのあとで
  雨の赤坂



<私の好きな曲ベストテン>

@何処へ
A青い渚
Bさよならのあとで
C青い瞳
D雨の赤坂
Eすみれ色の涙
Fブルー・シャトウ
G草原の輝き
Hマリアの泉
I甘いお話

※井上忠夫の颯爽とした歌い方は本当に
カッコ良かったです。その後作曲家・井上
大輔としても大活躍しました。

弘田三枝子
昭和30年代中頃、洋楽に日本語詞をつけ
て歌う「カバー・ポップス」が大流行。
伊東ゆかり、森山加代子、田代みどり、な
ど女性ポップス系歌手が歌う中で、一番の
存在感をアピールした。

「カバー」というとどうしても「オリジナル」に
劣ることが多くなってしまうが、デビュー曲
の『子供ぢゃないの』『悲しき片想い』にして
も、ヘレン・シャピロの重厚な男のような声
にも負けないノリと迫力でヒット。
その後もカバー曲を本家をしのぐほど歌い
こなし、ポップスの女王として活躍した。

若さとパンチ力が魅力で、しっかりしたリズ
ムの安定感と抜群の歌唱力、エネルギー
あふれる元気な歌声は人気が高かった。
「アスパラ」「レナウン」のCMソングも有名。

昭和39年『ミュージックライフ』誌で人気投
票1位に輝く。(3年連続1位に)
カバー・ポップス主流の東芝レコード時代、
ポップス系歌謡曲のコロムビア時代それぞ
れでヒット曲を出した。『人形の家』は日本
レコード大賞歌唱賞を受賞している。

『枯葉のうわさ』(昭和42年11月発売)








有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<東芝>
  子供ぢゃないの
◎悲しき片想い
◎ヴァケーション
  悲しきハート
  私のベイビー

<コロムビア>
◎砂に消えた涙
  可愛いマリア
◎渚のうわさ
  枯葉のうわさ
◎人形の家
<私の好きな曲ベストテン>

@人形の家
A枯葉のうわさ
B渚のうわさ
C悲しき片想い
Dバラの革命
E可愛い嘘
F子供ぢゃないの
G都会の女
Hヴァケーション
Iダンケシェーン

※『渚のうわさ』は質量共に歌謡曲史上
No.1の作曲家である筒美京平の出世作。
この作品で世の中に認められたといって
もいいだろう。

三田 明
昭和38年10月『美しい十代』でデビュー。
この曲は青春歌謡を代表するNo.1の曲と言
っていい名曲である。

写真家の秋山正太郎氏が、「歌謡界はじま
って以来の美少年」と絶賛したのが評判に
なり、人気が急上昇。

同じビクターレコードに橋幸夫がいたので、
御三家に入れなかったが、三人をしのぐほ
どの活躍により、御三家+三田明で「四天
王」というキャッチフレーズができ、その方
がよほど人気の実態に合っていた。

月刊『平凡』『明星』に毎月掲載された誰か
らも愛される「自然体の好青年」。
どこまでもおだやかな、優しさを感じさせる
声が魅力。若者の素直さ、ありのままを投
影した歌い方はまさに吉田正の青春歌謡を
具現化した歌手といえる。

現在も現役で元気に活躍している。

『アイビー東京』(昭和41年5月発売)



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎美しい十代
  みんな名もなく貧しいけれど 
◎若い港
◎ごめんねチコちゃん
  高校騎兵隊
  若い二人の心斎橋(吉永小百合)
◎明日は咲こう花咲こう(吉永小百合) 
◎僕のそばには君がいる
  若い翼
  東京で二人
◎アイビー東京
  恋のアメリアッチ
◎恋人ジュリー
  青山通り
  薔薇の涙
<私の好きな曲ベストテン>

@アイビー東京
A東京で二人
B僕のそばには君がいる
Cタッチ・アンド・ゴー
Dあなたの涙
E美しい十代
F恋人ジュリー
G牛若丸
H若い港
I今夜の君はすてきだぜ

※歌手の物真似は天才的で、御三家
(橋・舟木・西郷)の三人の歌をそれぞれ
そっくりの声で歌ったのをテレビで見た
ことがあるが、その器用さには驚いた。

梓 みちよ
昭和38年1月『ボッサ・ノバでキッス』でデビ
ュー。5枚目から田辺靖雄とコンビを組み、
『ヘイ・ポーラ』で初ヒットを記録。
二人は「マイ・カップル」の愛称でデュエット
で活躍した。
昭和38年『こんにちは赤ちゃん』が第5回日
本レコード大賞を受賞。たちまち人気は全
国に広がった。
初期には独特の歌唱法が見られ、少しハス
キーで恥ずかしそうな歌い方。何となく遠慮
がちに歌っているように聞こえる部分が、か
えって好感の持てる歌い方に感じた。
まぶしそうにキラキラ見つめる瞳が印象に
残る。

カバー曲とオリジナル曲を歌っていたが、そ
の後歌謡曲に移って行き、個性的なヒット曲
を多く出した。
昭和49年の『二人でお酒を』は中高年に大
いに受け、大ヒットとなる。
ステージで胡坐をかいて歌う姿は、それまで
の優等生的な歌手像を打ち壊すものであっ
たが、大人の歌手の仲間入りを示す意気込
みを感じさせた。

『忘れな草をあなたに』
(昭和40年4月発売)





有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  ヘイ・ポーラ(田辺靖雄)
◎こんにちは赤ちゃん
  いつもの小道で(田辺靖雄)
  夢みる想い
◎リンデンバウムの歌
◎忘れな草をあなたに
  忘れたはずなのに
  ポカン・ポカン
◎渚のセニョリ−ナ
  月夜と舟と恋
◎二人でお酒を
◎メランコリー
  よろしかったら
  小心者
<私の好きな曲ベストテン>

@いつもの小道で(田辺靖雄)
A忘れたはずなのに
Bあなたの時計
C夢みる想い
D月夜と舟と恋
E忘れな草をあなたに
F二人でお酒を
Gリンデンバウムの歌
Hこんにちは赤ちゃん
I赤いつるばら

※『マイ・カップル』(梓みちよのMと田辺靖
雄のYからMYカップルと名づけた)
という20曲入りのCDが発売されたので、
『ヘイ・ポーラ』をはじめ、二人のデュエット
のほとんどの曲を聴くことができる。

津村 謙
100年近くに及ぶ流行歌史上、古今東西
「誰が一番声がきれいか?」という問いに
対して、津村謙がNo.1だと答える音楽関係
者が多いことだろう。
SP盤のモノラルの声しか残っていないが、
「ビロードの歌声」と言われ、きれいな高い
声が楽に出たという。

レコードもSP時代からEP、モノラルからステ
レオになり、録音技術の格段の進歩によ
り、現代ならきれいな声はいくらでも技術的
に作れるので、古今の歌手の声を比較した
場合、年代が後のほうが有利である。
しかし生の声のままで、ごまかしがきかない
古い録音技術のSP盤だからこそ津村謙の
美声はひときわ目立つのである。

代表曲は昭和26年の『上海帰りのリル』。
この大ヒットで一躍スター歌手になった。
「リル リル」と歌う高音の部分は強く張りが
あって、誰も真似ができない素晴らしさ。
37歳の若さで亡くなったが、端正な風貌と
No.1の美声は今でも人々の心に残ってい
る。

『津村 謙 ヒット・アルバム』
(SP原盤再録によるCD)





有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎上海帰りのリル
◎東京の椿姫
  リルを探してくれないか
  待ちましょう
  紅椿の歌
◎あなたと共に(吉岡妙子)
<私の好きな曲ベストテン>

@上海帰りのリル
Aあなたと共に(吉岡妙子)
B東京の椿姫
C紅椿の歌
D待ちましょう
Eマドロス追分
Fまぼろしの妻
G流れの旅路
H白夜行路
Iリルを探してくれないか

※『上海帰りのリル』をCDとLPで何回も
繰り返して聴いてみたが、CDの音の良さは
感じられなかった。
むしろレコードの方が雰囲気があり、声の
良さがわかるという意外な結果だった。

こまどり姉妹
流行歌史上、ヒット曲を多く出した双生児歌
手として思い浮かぶのは、ザ・ピーナッツ、
こまどり姉妹である。
並木栄子・並木葉子の双子による「しっとり
とした日本調歌謡曲」は、庶民的であり、日
本人の心に共感を呼んだ。

小さな頃から大変な苦労をし、北海道から
上京して浅草で流しをしていたが、昭和34
年『浅草姉妹』でレコードデビュー。
つらい生活から培った下町の「人情」を感じ
させる歌い方が特徴で、家族の絆を歌った
「母と子」「姉妹」をテーマにした曲が多い。

斉唱(ユニゾン)は整っており、少しの乱れ
も感じられない。
流しの経験から懐メロや民謡も得意なレパ
ートリーにしている。

『こまどり姉妹全集』
(CD5枚組)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎浅草姉妹
◎三味線姉妹
◎ソーラン渡り鳥
  姉妹酒場
  未練ごころ
  りんごっ子三味線
  アリューシャン小唄
◎幸せになりたい
  石狩川
  浪花節だよ人生は
<私の好きな曲ベストテン>

@ソーラン渡り鳥
A浅草姉妹
B幸せになりたい
C三味線姉妹
D石狩川
E恋に拍手を
F姉妹酒場
G福原エレジー
Hアリューシャン小唄
Iりんごっ子三味線

※デビュー曲『浅草姉妹』のシングル盤の
ジャケットは、「並木栄子・並木葉子」の
歌手名。まだ「こまどり姉妹」の名はない。

水前寺清子
人生の応援歌ならこの人。ボーイッシュな
髪形と元気の良さが印象に残る。

「演歌のクラウン」というキャッチ・フレーズ
が使われたクラウンレコードで北島三郎と
並び大活躍。
「チータ」の愛称で親しまれ、若さとイキの
良さで人々を勇気づける多くの演歌ヒットを
放った。

そのキャラクターと一連の曲調から、通常
の流行歌とは違う世界を形作り、時々語尾
を強調したあと「ハッ・・・」と息をぬく独特の
歌唱法が受けた。

『ありがとうの唄』はTBSテレビドラマの主題
歌で大ヒット。まさに庶民を代弁する歌手と
いえよう。

『涙を抱いた渡り鳥』
(昭和39年11月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎涙を抱いた渡り鳥
◎いっぽんどっこの唄
  どうどうどっこの唄 
  いつでも君は
◎三百六十五歩のマーチ
  真実一路のマーチ
  東京でだめなら
◎ありがとうの唄
◎大勝負
  有明けの海
<私の好きな曲ベストテン>

@涙を抱いた渡り鳥
Aありがとうの唄
B東京でだめなら
C有明けの海
D三百六十五歩のマーチ
Eいっぽんどっこの唄
Fどうどうどっこの唄
G人情一枚
Hゆさぶりどっこの唄
Iあの娘はいつも

※昭和40年頃は水前寺清子の他にも、
井沢八郎、都はるみ、佐々木新一など
青春演歌の花盛り。いい時代でした。

松崎しげる
ラブ・バラードをダイナミックに歌い上げる
ならこの人である。

迫力ある高音を張り上げる甘い歌声の中
にも喜怒哀楽の「深い人生経験」を感じさ
せるものがあり、情感あふれたエネルギッ
シュに歌う姿は、サマになっている。

わざと出だしを低く抑えて歌い、ここぞとい
う時に最大限に盛り上げて歌うそのスタイ
ルは、この人がNo.1であろう。
静と動のドラマチックな演出は聴いていて
実に気持ちが良い。

声量の豊かさ、情熱的な愛の歌の数々で
「ディナーショー・キング」の異名を持ち、ス
テージ(ライブ)で本領を発揮する実力派の
歌手である。
昭和52年「愛のメモリー」で日本レコード大
賞歌唱賞受賞。

『偽りのバラード』(昭和53年1月発売)


有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  君は何を教えてくれた
◎黄色い麦わら帽子
◎私の歌
  俺たちの朝
◎愛のメモリー
  偽りのバラード
◎ワンダフル・モーメント
  マイ・ラブ
  愛の静けさ
<私の好きな曲ベストテン>

@偽りのバラード
Aワンダフル・モーメント
Bマイ・ラブ
C愛の静けさ
D美しい季節
E愛のメモリー
F悲しみのない関係
G私の歌
H黄色い麦わら帽子
Iコートダジュール

※『君は何を教えてくれた』『黄色い麦わら
帽子』『私の歌』は、いずれも「グリコアー
モンドチョコレート」のCMソング。
一般にはあまり知られていませんが、
『抜け殻』は本人が好んでステージでよく
歌う曲。『愛のメモリー』の原曲である
『愛の微笑』を収録したCDも発売されて
いるので2曲を聴き比べることができる。

ザ・タイガース
グループ・サウンズ(GS)はわずか3〜4年
の間で爆発的なブームを記録。B級、C級も
含め百数十のグループが存在していた。
その中で断トツNo.1の人気を誇りGSの王
者に君臨したのはザ・タイガースだった。

沢田研二(ジュリー) 、岸部おさみ(サリ
ー) 、加橋かつみ(トッポ) 、森本太郎(タロ
ー)、瞳みのる(ピー) の5人が全盛期のメ
ンバー。加橋かつみ脱退後は岸部シロー
(シロー)が参加。

作曲家すぎやまこういち氏のしっかりした一
連のイメージ・コンセプトに支えられ、ジュリ
ーは「お城の王子様」のような貴公子のイメ
ージ。
低年齢層の女性も取込み、ものすごい人
気で、両A面ヒットを3回も記録している。
もう一人のボーカル、加橋かつみのハイト
ーンも素晴らしく、『花の首飾り』『廃墟の
鳩』で本領を発揮した

本格的な長髪系GSのスタイルを確立し、ま
た中性的アイドルグループとして洗練され
たヒット曲の数々で歌謡史に大きな足跡を
残した。

『ザ・タイガース シングル・コレクション
(CD)







有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎僕のマリー
◎シーサイド・バウンド
  星のプリンス
◎モナリザの微笑
◎君だけに愛を
  落葉の物語
◎銀河のロマンス
◎花の首飾り
  廃墟の鳩
◎青い鳥
<私の好きな曲ベストテン>

@銀河のロマンス
A落葉の物語
B青い鳥
C君だけに愛を
D廃墟の鳩
E星のプリンス
F花の首飾り
Gシー・シー・シー
Hシーサイド・バウンド
I白夜の騎士

※一番印象に残るのは『青い鳥』の
♪僕の手にのせたのに
という部分の最後の「に〜」で、加橋かつみ
の声が突き抜けて聞こえるところ。
強烈な印象がある。
『青い鳥』はザ・タイガースのメンバーが
作った唯一の曲。作詞・作曲は森本太郎。

高峰三枝子
歌う女優の第一号として知られている。
松竹から女優としてデビューし、高貴なお嬢
さん役など気品のある美貌で人気があっ
た。

レコードのソロ・デビューは昭和13年の『宵
待草』。その後、『純情二重奏』のヒットで
「歌う映画女優」「歌うスター」の地位が固ま
った。
最大のヒット曲『湖畔の宿』は戦争中に発
売禁止と言われながらも兵士によって歌わ
れ、その流行を止めることは誰もできなか
ったということが語り継がれている。

後のステレオ録音では「憂い」「寂しさ」「悲
しさ」を感じさせる歌い方が多く、『湖畔の
宿』にも一層磨きがかかったといえよう。
しみじみとした情感が伝わってくる。

『GOLDEN DOUBLE FOR YOU
高峰三枝子』
(LP2枚組:ステレオ録音)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  宵待草
◎純情二重奏(霧島昇)
◎湖畔の宿
◎南の花嫁さん
◎懐しのブルース
  別れのタンゴ
  情熱のルムバ
  おかあさん
<私の好きな曲ベストテン>

@南の花嫁さん
A湖畔の宿
B懐しのブルース
C別れのタンゴ
D純情二重奏(霧島昇)
E宵待草
F嫁ぐ日ちかく
Gたそがれの薔薇
H上海夜船
Iおかあさん

※「おかあさん」というイメージを感じさせる
人だった。オリジナル音源のCD全集も
発売されている。

尾崎紀世彦
ワイルドな風貌に長い「モミアゲ」がトレード
マーク。和製トム・ジョーンズとも言われ「キ
ヨ」の愛称で親しまれた。

3人組のGS「ザ・ワンダース」で活躍してい
たが、ソロになってのデビュー曲『別れの夜
明け』で、伸びのある素晴らしい声を聞か
せ、その実力の片鱗を見せた。

昭和46年発売のシングル盤第2弾『また逢
う日まで』が日本全国に知れ渡る大ヒット。
第13回日本レコード大賞と第2回日本歌謡
大賞をダブル受賞した。

日本人離れしたスケールの大きさ、重厚で
迫力のある歌声に人々はしびれた。
ポピュラー・ソングも得意で、アルバムの中
で数多く歌っている。

『別れの夜明け』(昭和45年8月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  別れの夜明け
◎また逢う日まで
◎さよならをもう一度
◎愛する人はひとり
  ふたりは若かった
  こころの炎燃やしただけで
◎ゴッドファーザー〜愛のテーマ
  あなたに賭ける
◎サマー・ラブ
<私の好きな曲ベストテン>

@サマー・ラブ
A別れの夜明け
B愛する人はひとり
Cまた逢う日まで
Dゴッドファーザー〜愛のテーマ
Eさよならをもう一度
Fふたりは若かった
G愛のみに生きて
H五月のバラ
Iこころの炎燃やしただけで

※『また逢う日まで』は『白いサンゴ礁』の
ヒットで知られる「ズー・ニー・ヴー」が
『ひとりの悲しみ』というタイトルで歌ったが
ヒットせず。歌詞を変えて尾崎紀世彦が
歌い大ヒットさせた。

大橋純子
あの小柄な身体からは想像できない「シャ
ウト」で、ものすごいパワフルな歌を聴かせ
てくれる。
ロック、ソウル、ボサノバなどの洋楽的なフ
ィーリングを感じさせ、その歌唱力は誰もが
認めるところ。

昭和49年にデビュー。「大橋純子&美乃家
セントラル・ステイション」というアルバムア
ーチストの印象があったが、昭和53年『た
そがれマイ・ラブ』の大ヒットから多くの人に
知れ渡り、シングル・ヒットを連発した。

バップに移籍してからは、人生や愛をじっく
り歌いこむような作品も増え、力強さ以外
の大人の女性としての魅力も大いに発揮し
ている。

『たそがれマイ・ラブ』
(ベスト・カップリング盤)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<フォノグラム>
  ペイパー・ムーン
  シンプル・ラブ
  (大橋純子&美乃家セントラル・ステイション) 
◎たそがれマイ・ラブ
◎サファリ・ナイト
  (大橋純子&美乃家セントラル・ステイション)
◎ビューティフル・ミー
  (大橋純子&美乃家セントラル・ステイション)
◎シルエット・ロマンス
  サンバ・ソレイユ

<バップ>
◎愛は時を越えて
  結婚
  禁じられた夢の中で
<私の好きな曲ベストテン>

@シルエット・ロマンス
A愛は時を越えて
Bたそがれマイ・ラブ
Cビューティフル・ミー
   (大橋純子&美乃家セントラル・ステイション)
D結婚
E禁じられた夢の中で
Fシンプル・ラブ
   (大橋純子&美乃家セントラル・ステイション) 
G砂時計
HRain
Iサファリ・ナイト
   (大橋純子&美乃家セントラル・ステイション) 

※大橋純子の声は、キラキラしたサウンド
にとてもよく似合う。バックに負けない力強
さがあるから実に気持ちよい。

鶴岡雅義と
東京ロマンチカ
昭和40年『好きなのさ』でデビュー。(のちの
メンバーとは異なる) 
リーダーの鶴岡雅義は古賀ギター歌謡学院
を首席で卒業した名ギター奏者で、レキン
ト・ギターだけでなく、作曲家としても素晴ら
しいヒット曲を次々に放った。

昭和42年三条正人をメインボーカルにした
『小樽のひとよ』の大ヒットに続き、昭和43年
からスタートしたフジテレビ『夜のヒットスタジ
オ』のレギュラー出演で全国に知られ、
「ひさしのような前髪」で若くて美男美声の三
条正人、「ひょうきんなコント」を演じた鶴岡
雅義はお茶の間に大いに受け入れられた。
昭和43年には日本レコード大賞歌唱賞を受
賞している。

『君は心の妻だから』は古賀メロディを彷彿
とさせる名曲。古賀政男の流れを汲む、鶴
岡ならではの作曲といえる。
ボーカルは山崎雅美、三条正人、浜名弘、
さらに次々と代わって行くが、テイチク時代
に名曲が多く残されている。

『ブェナス・ノーチェス東京』
(昭和42年11月発売)

(※全盛期のメンバーは6人。そこへ
浜名弘が加わる)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<テイチク>
◎小樽のひとよ
◎旅路のひとよ
  愛に散りたい
◎君は心の妻だから
  星空のひとよ
◎北国の町
◎別れの誓い

<コロムビア>
  くちづけ
  秘密

<CBS・ソニー>
  明日からあなたは
<私の好きな曲ベストテン>

@小樽のひとよ
Aブエナス・ノーチェス東京
B夜霧のドライブイン
C好きなのさ
D今夜かぎりで
E粉雪の町
F君は心の妻だから
G明日からあなたは
H機関士一代
I旅路のひとよ

※昭和42年9月発売の『粉雪のラブレター』
は『小樽のひとよ』の元歌。
2番と3番の歌詞が違い、歌い方も多少違う
ので聞き比べてみると面白い。

黒沢 明と
ロス・プリモス
昭和40年代前半、黒沢明とロス・プリモス、
鶴岡雅義と東京ロマンチカ、内山田洋とク
ール・ファイブの三大グループが中心となり
ムード歌謡コーラスのブームがおこった。
その中でも黒沢明とロス・プリモスの森聖二
の「女心を歌う」甘い魅力的なボーカルは
群を抜いて評判が高かった。

華やかな夜の世界、おしゃれな都会の夜、
スマートな恋や愛、ナイトクラブ、銀座の夜
などの「大人の恋」を歌い、人々を魅了し
た。
昭和41年発売『涙とともに』のB面曲だった
『ラブユー東京』が半年後から売れ出し、
AB面を入れ替え再発売し大ヒットとなる。
『ラブユー東京』は、ちょうど発足したばかり
のオリコンの第1回発表(昭和43年1月4日
付)で、名誉あるシングル盤売上1位を獲
得し歴史に名を残した。
続いて「銀座シリーズ」がヒット。「華やかさ
と哀愁」これが彼らの魅力である。

「カッコいい」歌が多く、それがカラオケでも
非常に多く歌われている理由であろう。

『ラブユー東京』(昭和41年4月発売)

(最初のジャケットで『涙とともに』が
A面になっている)


有名な曲(年代順)◎は特に有名な


<クラウン>
  涙とともに
◎ラブユー東京
  信濃川慕情
◎新潟ブルース
◎雨の銀座
  生命のブルース
◎たそがれの銀座
  城ヶ崎ブルース
◎さようならは五つのひらがな
◎君からお行きよ
  札幌の星の下で

<ビクター>
◎夜霧のインペリアルロード
  ヘッド・ライト
<私の好きな曲ベストテン>

@ゆく春を
Aラブユー東京
B涙とともに
Cさようならは五つのひらがな
Dたそがれの銀座
E夜霧のインペリアルロード
F札幌の星の下で
G夜のブルース(SV-937)
H雨の銀座
I君からお行きよ

※両A面ともいえるシングルが4枚もある。
「涙とともに」/「ラブユー東京」、 
「信濃川慕情」/「新潟ブルース」、
「雨の銀座」/「生命のブルース」、
「君からお行きよ」/「札幌の星の下で」

『涙とともに』はナイトクラブで歌う彼らの
テーマ曲として中川博之が作曲した。

いしだあゆみ
レコード発売以前にも石田良子の名でソノ
シートを何枚か発売し、ポップス系の曲を
歌うのが上手だった。元フィギュアスケート
の選手ということもあり、音感に優れていた
のだろう。

昭和39年ビクターからデビューしていくつか
のヒットはあったが、歌手一本に絞れなか
ったこともあり、伸び悩む感じがあった。
昭和43年心機一転コロムビアに移籍して歌
った筒美京平作品が立て続けにヒット!
ミリオン・セラーの名曲『ブルー・ライト・ヨコ
ハマ』でヒット歌手の仲間入りを果たした。

昭和40年代前半、オールディーズではない
日本の作家による和製ポップスを作る機運
が高まり、弘田三枝子、黛ジュン、伊東ゆ
かり、小川知子、奥村チヨ、中村晃子などと
共に活躍し「Gials Pops」スタートの中心的
役割を果たした。

『太陽は泣いている』
(昭和43年6月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<ビクター>
  サチオ君
  みどりの乙女

<コロムビア>
  太陽は泣いている
  夢でいいから 
◎ブルー・ライト・ヨコハマ
◎涙の中を歩いてる
◎今日からあなたと
◎喧嘩のあとでくちづけを
◎あなたならどうする
◎砂漠のような東京で
  おもいでの長崎
  さすらいの天使 
<私の好きな曲ベストテン>

@太陽は泣いている
A喧嘩のあとでくちづけを
B夢でいいから
C天使の足音
Dふたりだけの城
Eブルー・ライト・ヨコハマ
Fみどりの乙女
G待ちわびても
H絵本の中で
Iさすらいの天使

※ビクター時代の音源は、長い間入手しに
くかったが、2008年に『いしだ・あゆみステ
レオ・ハイライト』というCDが発売されたの
で、主要楽曲は聴くことができる。

渡辺はま子
戦前・戦後に大活躍し多くのヒット曲を記録
した歌手である。「はま子」という名前から
わかるとおり横浜出身で、どこか異国情緒
を感じさせる人だった。
デビューは昭和8年ビクターから。昭和11年
『忘れちゃいやヨ』の「ねえ」の部分が問題
となり発売禁止になったが、人気が高ま
る。
コロムビアに移籍してから、中国大陸方面
を題材にした曲が続けてヒット。「チャイナ・
メロディの女王」の異名をとった。
国民歌謡を歌い、戦地への慰問も数多くこ
なし、戦争の影響を大いに受けながら活躍
した歌手といえる。

モンテンルパの刑務所に収容されていた元
日本兵を勇気づけるために、現地で歌った
『ああモンテンルパの夜は更けて』を聴いた
フィリピンの大統領が感動し、日本人戦犯
の釈放決定につながるという大きな仕事を
成し遂げた。

『渡辺はま子ゴールデン ベスト』
(CD2枚組)




有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<ビクター>
◎忘れちゃいやヨ
  とんがらかっちゃ駄目よ

<コロムビア>
  愛国の花
◎シナの夜
  何日君再来
  いとしあの星
◎蘇州夜曲」(霧島昇)  
  雨のオランダ坂

<ビクター>
◎桑港のチャイナ街
ああモンテンルパの夜は更けて(宇都美清) 
<私の好きな曲ベストテン>

@桑港のチャイナ街
A蘇州夜曲(霧島昇) 
B忘れちゃいやヨ
Cああモンテンルパの夜は更けて(宇都美清) 
Dシナの夜
E東京の夜(藤山一郎)
F何日君再来
G火の鳥(宇都美清)
Hチャンウェイ・チャンウェイ
I長崎のお蝶さん

※2009年に生誕100年を迎えた渡辺はま子
を記念して発売された前掲の2枚組CDは、
ビクター、コロムビアの主要音源が網羅さ
れており、通常のベスト盤には収録されて
いない『忘れちゃいやヨ』も聴くことができ
る。

チェリッシュ
昭和46年『なのにあなたは京都へゆくの』で
デビュー。2作目まで5人組のグループでメ
ッセージ色のある歌だったが、3作目『ひま
わりの小径』からメンバーは松崎好孝と松
井悦子の二人になる。そのため息もぴった
り合って、ひたむきな愛の歌という路線に
変わった。

二人組とはいえ、ほとんどの曲は「悦ちゃ
ん」のソロともいえる構成で、愛らしい素晴
らしい美声が冴え渡った。
少しフォークがかった歌謡曲で大ヒットを連
発し、昭和48年には日本レコード大賞歌唱
賞を受賞している。

『てんとう虫のサンバ』もユニークな曲であり
ながら、結婚式の定番ソングとなって歌わ
れている。

『避暑地の恋』(昭和48年4月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎なのにあなたは京都へゆくの
  だからわたしは北国へ
◎ひまわりの小径
◎若草の髪かざり
  避暑地の恋
◎てんとう虫のサンバ
◎白いギター
  恋の風車
  ふたりの急行列車
  渚のささやき
<私の好きな曲ベストテン>

@ひまわりの小径
A白いギター
Bだからわたしは北国へ
C避暑地の恋
D恋の風車
E古いお寺にただひとり
Fなのにあなたは京都へゆくの
G若草の髪かざり
H渚のささやき
Iてんとう虫のサンバ

※『ひまわりの小径』『若草の髪かざり』
『白いギター』、4大ヒットのうちのこの3曲
がイラストのジャケットになっている。
大ヒットだけにアーチスト写真を使わない
のはもったいなかった気もするが・・・

サザンオールスターズ
まるで英語で歌っているかのようなフィーリ
ングのデビュー曲『勝手にシンドバッド』。
字余りの破天荒な歌い方と既存にない音
楽性は人々に衝撃的なインパクトを与え
た。メンバーは桑田佳祐、大森隆志(2001
年独立)、関口和之、松田弘、原由子、野
沢秀行。
第3作目の『いとしのエリー』はプロの作曲
家も驚いた名曲。この作品でゲテモノ扱い
から一躍全国民に愛されるバンドへと受け
入れられた。
海の男・加山雄三のヨットに対し桑田佳祐
はサーファーのイメージで熱い支持を受
け、作品の中には湘南や地元「茅ヶ崎」が
たびたび登場している。

曲のテーマも多種多様で、オーソドックスな
愛を歌ったスロー・バラードやロック・ビート
調の一方で、コミック調の作品やきわどい
表現のものもあり、若者を飽きさせない楽
しさに溢れている。ミリオンセラー曲を多数
記録。
日本語詞の中に英語がたくさんちりばめら
れているのも大きな特徴で、違和感なく聞
けるようになったのもサザンの功績だろう。

『いとしのエリー』(昭和54年3月発売)







有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎勝手にシンドバッド
  気分しだいで責めないで
◎いとしのエリー
  C調言葉に御用心
◎チャコの海岸物語
  匂艶 THE NIGHT CLUB
◎YaYa(あの時代を忘れない)
◎ミス・ブランニュー・デイ
  Bye Bye My Love (U are the one) 
  真夏の果実
◎涙のキッス
◎愛の言霊〜Spiritual Message〜
◎TSUNAMI
<私の好きな曲ベストテン>

@いとしのエリー
A夏をあきらめて
B匂艶 THE NIGHT CLUB
C勝手にシンドバッド
Dチャコの海岸物語
EYaYa(あの時代を忘れない)
F涙のキッス
G愛の言霊〜Spiritual Message〜
HBye Bye My Love (U are the one)
I愛と欲望の日々

※シングル曲を網羅したベスト盤がないの
が残念。主要曲を揃えるにはアルバムと
シングルを混ぜないとダメというのが不便。
3〜4枚組のベスト盤があれば最高なのだ
が・・・・

松任谷由実
(荒井由実)
「ユーミン」の愛称で親しまれ、一時期「サ
ザン/ユーミン」といえば若者に一番人気
のあるアーチストだった。
荒井由実と松任谷由実の時代があり、そ
れぞれにヒット曲がある。アルバム・アーチ
ストとして、また他の歌手へ作品提供したヒ
ット曲の多さでシンガーソング・ライターとし
て高く評価されている。

当時のフォークより一歩進んだ「ニューミュ
ージック」と呼ばれ、都会的なさらっとした恋
愛表現、生活感のないリッチな雰囲気が若
者に受けた。
初期のアルファ音源は大ヒットこそないが
個性的な佳曲がたくさんあり、ユーミンの原
点を感じとれる。

『いちご白書をもう一度』『赤いスイートピ
ー』『まちぶせ』など作詞・作曲が素晴らしい
ため、『ユーミン作品集』という本人の歌唱
が入っていない「インストルメンタル」のカセ
ットやCDもレコード各社から多く発売され
た。

『あの日にかえりたい』
(昭和50年10月発売)



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

★荒井由実
  ひこうき雲
  やさしさに包まれたなら 
  12月の雨
◎卒業写真
◎ルージュの伝言
◎あの日にかえりたい
  少しだけ片想い 
◎翳りゆく部屋
  中央フリー・ウェイ

★松任谷由実
  埠頭を渡る風
◎Destiny
◎守ってあげたい
  夕闇をひとり
  春よ、来い  
<私の好きな曲ベストテン>

@あの日にかえりたい
A翳りゆく部屋
Bルージュの伝言
C魔法の鏡
D守ってあげたい
E埠頭を渡る風
F夕闇をひとり
G中央フリー・ウェイ
Hやさしさに包まれたなら
IDestiny

※『甘い予感』アンルイス、『ためらい』増田
けい子、『恋人がサンタクロース』松田聖子
『時をかける少女』原田知世、
『まちぶせ』三木聖子or石川ひとみ
これらの曲も作曲者ユーミン自身のアル
バムやシングルに本人の歌で収録されて
いるので聴き比べることができる。

井上陽水
フォーク/ニューミュージックのブームを呼
んだのは、吉田拓郎、井上陽水、小椋佳と
いったシンガーソングライターだった。
流行歌の職業作家とは違った「私的な面」
を取り上げた作品が多く発表され、シング
ルヒットよりもアルバム・アーチストとして絶
大な人気を誇った。

井上陽水は独特の訴えかける「緊張感の
ある張り詰めた声」が特徴で、心の内面を
抉り出すような詞曲と歌唱法で個性的な作
品を数多く発表した。

ポリドール時代は私小説的な「心の葛藤」
やさまざまな「思い」が込められた曲が多
く、フォーライフ時代はそれが洗練された形
に変化してゆく。

初期は素顔のジャケットもあるが、途中か
らはサングラスをかけ、サングラスとアフロ
ヘアは井上陽水のトレードマークとなった。

『闇夜の国から』(昭和49年4月発売)



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<ポリドール>
  人生が二度あれば
◎傘がない
  東へ西へ
◎夢の中へ
  氷の世界
◎心もよう
  闇夜の国から

<フォーライフ>
  青空、ひとりきり
◎ジェラシー
◎リバーサイド・ホテル
◎いっそセレナーデ
◎少年時代
<私の好きな曲ベストテン>

@少年時代
A闇夜の国から
Bいっそセレナーデ
Cつめたい部屋の世界地図
D東へ西へ
E帰れない二人
F夢の中へ
Gジェラシー
H心もよう
I夜のバス

※他の歌手への詞・曲の提供では
『ダンスはうまく踊れない』『飾りじゃないの
よ涙は』『ワインレッドの心』『アジアの純真』
など有名なヒット曲が多数ある。

園 まり
伊東ゆかり、中尾ミエとともに「スパーク三
人娘」「ナベプロ三人娘」とも呼ばれ活躍。
デビューからしばらくは洋楽曲のカバーを
歌っていたが、歌謡曲路線に変更してから
の『何も云わないで』でヒット歌手の仲間入
り。
昭和40年の紅白歌合戦で『逢いたくて逢い
たくて』を歌ったところ、お色気ある独特の
囁くような歌い方が大反響を呼び、レコード
のほうも翌年1月に発売され大ヒット。苦心
して研究した歌唱法が一気に開花した。

誰も真似のできない「園まりのムード歌謡」
の世界を形作り、そのエレガントな雰囲気、
美貌とも相まって、二年連続でプロマイドの
売上1位を獲得。

せつない女心・恋心をしっとりと歌う曲が多
く、優しさの中にも真面目で清楚な歌い方
を感じさせる歌手である。

『逢いたくて逢いたくて』
(昭和41年1月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  花はどこへ行った
◎何も云わないで
◎逢いたくて逢いたくて
  やさしい雨
  何んでもないわ
◎夢は夜ひらく
  帰りたくないの
◎愛は惜しみなく
<私の好きな曲ベストテン>

@何も云わないで
A逢いたくて逢いたくて
B2人はパートナー
Cくちづけ
Dやさしい雨
Eひとりにしないで
F愛は惜しみなく
G夢は夜ひらく
Hこの喜びの日に
Iあなたとなら

※『逢いたくて逢いたくて』の原曲は、
ザ・ピーナッツが歌った『手編みの靴下』。
歌詞と歌い方を大きく変えて成功した。
『園まりCD・BOX』5枚組が発売されている
のでヒット曲を全部聴くことができる。

天地真理
国民的アイドル歌手No.1を選ぶなら、この
人「真理ちゃん」であろう。その爆発的な人
気は今でも語り草になっている。

昭和46年から、70年代アイドルと呼ばれる
歌手が次々と登場。小柳ルミ子(71/4)、南
沙織(71/6)、天地真理(71/10)、麻丘めぐ
み(72/6)、アグネス・チャン(72/11)など。
可愛らしさだけでなくヒット曲を連発し、さら
に山口百恵、桜田淳子、キャンディーズ、
浅田美代子、ピンク・レディーが続き「アイド
ル歌手」は一大ブームとなった。

その中でも天地真理は、TBSの人気ドラマ
『時間ですよ』の「2階のマリちゃん」役で一
躍人気スターとなり、「ソニーの白雪姫」とい
うキャッチ・フレーズでデビューするや、清
純であふれるような笑顔と明るい歌声は日
本中を包んだ。
『真理ちゃんとデイト』からスタートしたTBS
テレビの「真理ちゃんシリーズ」は5シリー
ズ・2年半も続く人気番組となった。
熱狂的なファンに支えられ、シングル5曲が
オリコン1位を獲得するという大記録を作っ
た。
おとぎ話の主人公のようなキャラクターで、
明るさの中にも哀愁のある声質に魅力が
ある。

『若葉のささやき』
(昭和48年3月発売)










有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎水色の恋
◎ちいさな恋
◎ひとりじゃないの
◎虹をわたって
◎ふたりの日曜日
  夏を忘れた海
◎若葉のささやき
◎恋する夏の日
  空いっぱいの幸せ
  恋人たちの港
◎想い出のセレナーデ
<私の好きな曲ベストテン>

@好きだから
A若葉のささやき
B想い出のセレナーデ
C青春
D初めての涙
E恋する夏の日
Fさよならは心をこめて
G空いっぱいの幸せ
H虹をわたって
I水色の恋

※セカンド・アルバムが私の愛聴盤で、
いい曲がたくさん収録されている。
『天地真理プレミアム』という10枚組の
CD-BOXが発売されており、シングルと
アルバムが網羅されているのがうれしい。

八代亜紀
「演歌の女王」といえばこの人である。
クラブ歌手出身ということから、どこか夜の
イメージがあり、薄幸の女性をイメージした
歌がぴったり合う人である。
『全日本歌謡選手権』出場でグランドチャン
ピオンになって一躍脚光を浴びた。
デビューから4枚目の『なみだ恋』(昭和48
年)が大ヒット。その後ヒットしない曲はない
というくらいの連続ヒットを飛ばし不動の地
位を築いた。

昭和50年前後、カーステレオ用の8トラック
カートリッジテープの販売が盛んになり、ト
ラックや車でさかんに歌が聞かれ、8トラで
は八代亜紀がNo.1。3年間に20本(種類)も
発売するほどドライバーに人気があった。
また昭和48年あたりからカラオケが普及し
てきたことも後押しして、せつない「女心」を
表現する彼女の歌は一般庶民にまで大きく
広がった。

第7回日本有線大賞受賞。日本レコード大
賞歌唱賞を最優秀2回を含み4回受賞。『雨
の慕情』で第22回日本レコード大賞の大賞
受賞。
テイチクからセンチュリー、さらにコロムビ
アに移籍し、活躍している。

『おんなの夢』(昭和50年1月発売)










有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<テイチク>
◎なみだ恋
  おんなの涙
  女ごころ
◎しのび恋
◎愛ひとすじ
◎愛の執念
◎おんなの夢
◎ともしび
◎貴方につくします
◎もう一度逢いたい
  おんな港町
  恋歌
◎愛の終着駅
◎舟唄
◎雨の慕情

<コロムビア>
  花(ブーケ)束
  愛を信じたい
<私の好きな曲ベストテン>

@しのび恋
Aなみだ恋
Bおんなの夢
Cなみだ川
Dもう一度逢いたい
Eともしび
F愛を信じたい
G貴方につくします
H幸せは消えて
I花(ブーケ)束

※レコード会社がまたがっているために、
すべてのシングル曲を網羅したCD全集
がないのは残念。

小椋 佳
おだやかな語りかけるような声。
まるでBGMのように響く、広がりのある癒し
に満ち溢れた声。その茫洋とした歌声はス
ケールの大きなしみじみとした情感を感じさ
せてくれる。

井上陽水とともにフォークのブームを作っ
た立役者であり、感性豊かな作詞で展開さ
れる独自の世界は人々の大きな支持を得
た。
銀行マンのかたわら作詞・作曲をするシン
ガーソングライターだということがわかっ
て、当時(昭和40年代後半)大変な評判に
なった。

のちに『シクラメンのかほり』(布施明)、『愛
燦燦』(美空ひばり)、『夢芝居』(梅沢富美
男)などの有名な大ヒットをいくつも作り、作
家としても評価されている。

『小椋佳/夢歌詩』
(CD2枚組)


有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎しおさいの詩
◎さらば青春
  春の雨はやさしいはずなのに
◎少しは私に愛を下さい
◎大いなる旅路
◎想い出して下さい
  うす紅色の
  白い一日
◎めまい
  揺れる、まなざし
  春なんだなあ
<私の好きな曲ベストテン>

@大いなる旅路
Aしおさいの詩
Bさらば青春
Cムーン・リヴァー
D想い出して下さい
E少しは私に愛を下さい
F春の雨はやさしいはずなのに
Gめまい
H木戸をあけて
I白い一日

※『夢歌詩』というCDに収録された
「ムーン・リヴァー」はアンディ・ウィリアムス
の有名なヒット曲。小椋佳が歌うと実に
サマになっている。

岡本敦郎
「ミスター・ラジオ歌謡」というイメージぴった
りの人である。
終戦後、人々の楽しみはラジオから流れる
歌声であった。
昭和21年に発売したホームソング「朝はど
こから」は爽やかで健康的な明るい歌声。
国民に大きな安らぎを与えた。
『あこがれの郵便馬車』『高原列車は行く』
など乗り物に関係ある軽快なヒット曲が有
名。

音楽の先生としても活躍し、きっちりした正
確な歌唱とおだやかで伸びのある声はまさ
に歌のお手本といえる。
ずっと後のステレオ録音を聴いてみても、
「青春の歌声」を感じさせる歌手である。

『岡本敦郎名唱集』(CD)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎朝はどこから(安西愛子)
◎白い花の咲く頃
  リラの花咲く頃
◎あこがれの郵便馬車
  チャペルの鐘
◎高原列車は行く
  ピレネエの山の男
  自転車旅行
<私の好きな曲ベストテン>

@あこがれの郵便馬車
A高原列車は行く
B白い花の咲く頃
C自転車旅行
Dチャペルの鐘
E朝はどこから(安西愛子)
Fピレネエの山の男
Gリラの花咲く頃
H渚で逢おうよ
I青いガス燈

※歌を崩して歌わないところが良い。
爽快感を感じさせてくれる。

由紀さおり
少女時代から童謡歌手(安田章子)として
歌っていたが、昭和44年歌謡界にそれまで
あまり馴染みのなかった「スキャット」を全
面に取り入れた『夜明けのスキャット』の大
ヒットで一躍注目される。
このミリオンセラー曲は1コーラス分の歌詞
しかなく、スキャットがメインという実に異色
の曲で、人々は驚いた。
次曲の『天使のスキャット』では歌詞の量は
多くなったが、スキャットは2曲目までで、以
降は『手紙』『生きがい』など普通の歌謡曲
作品をきれいな声で歌いヒットさせた。

おだやかな顔の印象で、声や歌い方に上
品な感じを醸し出しており、誰からも好感の
持たれる歌手といえる。
昭和45年度日本レコード大賞歌唱賞受賞。

姉の安田祥子とともに、童謡や唱歌を歌う
ことが多くなり、「安田姉妹」としての活躍も
よく知られている。

『枯葉の街』(昭和44年10月発売)



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎夜明けのスキャット
  天使のスキャット
  枯葉の街
◎手紙
◎生きがい
  ルーム・ライト
◎挽歌
  両国橋
<私の好きな曲ベストテン>

@枯葉の街
A手紙
B挽歌
C生きがい
D天使のスキャット
E夜明けのスキャット
F生きてよかった
Gこの愛を永遠に
H心に虹をもって
Iずっと前から

※スキャットでは「伊集加代子」が有名で、
『夜明けのスキャット』も録音している。

千 昌夫
「石の上にも三年」と言われるが、本当に三
年間一つの曲を根性で歌い続け大ヒットに
結びつけた。その曲が『星影のワルツ』であ
ることはよく知られている。
作曲家・遠藤実の弟子となり、創設したば
かりのレコード会社「ミノルフォンレコード」
からデビューし活躍した。

岩手県・陸前高田出身ということから、東北
なまりを武器とし、田舎をアピールする曲も
多く発表。猪突猛進型の八方破れな飾り気
のないそのキャラクターも愛された。

『歌謡曲ベスト1000の研究』という歌謡曲全
国調査において、ベストテンの中に『星影の
ワルツ』(第3位)『北国の春』(第8位)と2曲
もランクされ(どちらもミリオンセラーを記
録)、いかに庶民に人気があったかがわか
る。酒場の「赤ちょうちん」や「ふるさと」を感
じさせる歌手である。

『ふるさとの女』(昭和45年4月発売)


有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎星影のワルツ
  君がすべてさ
  アケミという名で十八で
◎夕焼け雲
◎北国の春
  ふるさとの祭り
  味噌汁の詩(うた)
◎望郷酒場
◎津軽平野
<私の好きな曲ベストテン>

@望郷酒場
A北国の春
B津軽平野
Cふるさとの女
D夕焼け雲
E星影のワルツ
F君がすべてさ
Gわが町は緑なりき
Hアケミという名で十八で
I味噌汁の詩

※『味噌汁の詩』に出てくるセリフ
「・・・金髪?きん・・・金髪だけはいいんじゃ
ないべかねぇ。」 という部分は強烈な印象
を残した。
原曲は『みそ汁の詩』(珍道中)昭和51年
9月発売。

竹内まりや
1960年代のオールディーズのような心地よ
いきれいなメロディー・ラインがこの人には
良く似合う。
初期の作品は本人の作詞・作曲でないもの
が多いが、そうした古き良き年代をしのぶノ
スタルジックな雰囲気を感じとることができ
る。
『SEPTEMBER 』で昭和54年日本レコード大
賞新人賞受賞。
昭和56年『NATALIE』以降のシングル作品
は、すべて本人の作詞・作曲になり一段と
磨きがかかった。
そのポップな感覚は若者に大いに受け入
れられ、シングル・ヒットとアルバム・アーチ
ストの両面で高い人気を維持した。

シンガー・ソング・ライターとして他の歌手へ
の楽曲提供も多く、『リンダ』(アン・ルイ
ス)、『けんかをやめて』(河合奈保子)、『元
気を出して』(薬師丸ひろ子)、『色・ホワイト
ブレンド』(中山美穂)、『駅』(中森明菜)な
ど。
ハッピーな気分にさせてくれる歌の一方で、
失恋や不倫をイメージしたブルーな曲も多
く、両面を楽しめるところがまたいい所であ
る。

『ドリーム・オブ・ユー』
(昭和54年2月発売)







有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  戻っておいで・私の時間 
◎ドリーム・オブ・ユー
〜レモンライムの青い風〜 
◎SEPTEMBER 
  象牙海岸
◎不思議なピーチパイ
  もう一度
  恋の嵐
◎駅
◎シングル・アゲイン 
◎告白 
◎純愛ラプソディ 
<私の好きな曲ベストテン>

@純愛ラプソディ
A磁気嵐
B象牙海岸
CSEPTEMBER
D恋の終わりに
Eドリーム・オブ・ユー〜レモンライムの青い風〜 
F駅
Gシングル・アゲイン
H恋の嵐
I告白

※アルバム『LOVE SONGS』は私の愛聴盤
の中でも1、2を争うもの。
すばらしい作品群です。

内山田 洋とクール・ファイブ
鶴岡雅義と東京ロマンチカ、黒沢明とロス・
プリモスがラテン系をルーツにしているコー
ラスグループなら、内山田洋とクール・ファ
イブはリズム&ブルースや演歌の色合いを
濃くしたグループと言えるだろう。

ソフトな歌声が特徴のムード歌謡とは違
い、前川清のボーカルは直立不動で情念
をぶつける歌い方。迫力がある。
何でも乗り越えて行ってしまうような力強い
熱唱と、そのキャラクターが国民に支持さ
れた。

デビュー曲『長崎は今日も雨だった』は不
滅の名曲。この1曲で全国に知れ渡った。
昭和44年第11回日本レコード大賞新人賞
受賞。その後、次から次とヒット曲を連発し
た。
グループ脱退後、前川清はソロ歌手として
活躍している。

『長崎は今日も雨だった』
(昭和44年2月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な


◎長崎は今日も雨だった
◎逢わずに愛して
  愛の旅路を
◎噂の女
  この愛に生きて
◎恋唄
◎そして、神戸
◎中の島ブルース
◎東京砂漠
  西海ブルース
<私の好きな曲ベストテン>

@長崎は今日も雨だった
A逢わずに愛して
B中の島ブルース
C西海ブルース
Dそして、神戸
E恋唄
F女のくやしさ
G恋は終ったの
H愛の旅路を
Iこの愛に生きて

※私が初めて大勢の社員の前でカラオケ
で歌った曲が『長崎は今日も雨だった』。
あまりに小さな声で歌ったので、「ずいぶん
SN比の小さな声ですね」(声が聞きとれな
いの意味)と言われたことを思い出す。

渚 ゆう子
最初はハワイアンを歌っていたが、ベンチ
ャーズ作曲の『京都の恋』『京都慕情』が連
続ヒット。ベンチャーズ・サウンドとも言わ
れ、一躍注目を浴びることになった。

女性らしさを感じさせる、やさしさと悲しさを
包括したような魅力あるきれいな声が特徴
で、『さいはて慕情』は昭和46年の第13回
日本レコード大賞歌唱賞を受賞している。

ちょうど昭和40年代前半から始まった女性
ポップス系歌謡曲の全盛期でもあり、確か
な歌唱力で人気があった。

心地よいサウンドが多く、癒される曲が多
い。

『今日からひとり』
(昭和47年4月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎京都の恋
◎京都慕情
◎さいはて慕情
◎雨の日のブルース
  長崎慕情
  今日からひとり
◎風の日のバラード
<私の好きな曲ベストテン>

@かえり道
A今日からひとり
B風の日のバラード
Cさいはて慕情
D忘れな草をこの胸に
E雨の日のブルース
F幸福
G長崎慕情
H京都の恋
I京都慕情

※B面にもいい曲が多い。
『幸福』『忘れな草をこの胸に』『あの人の
居ない街』など。

山口百恵
「百恵ちゃん」の愛称で親しまれ、14歳でデ
ビューし、21歳の若さで結婚・引退。二度と
芸能界に戻らないため、「伝説の人」として
人々の記憶にいつまでも残っている歌手で
ある。
2作目の『青い果実』から、少女が殻を破る
ような大胆な作品が注目を浴び、『ひと夏の
経験』が大ヒット。桜田淳子、森昌子と「花
の中3トリオ」と呼ばれ人気があったが百恵
ちゃんの人気は断トツだった。

昭和52年『秋桜』で第19回日本レコード大
賞歌唱賞受賞。19歳で紅白歌合戦のトリを
歌ったのは(曲は『プレイバックPartU』)最
年少記録で、いまだに破られていない。
アイドルを超えたスターであり、後半のヒット
曲には女性の優しさと強さが感じられる。
テレビの「赤いシリーズ」に数多く出演し、映
画も三浦友和と組んでヒット作品を連発し
た。
引退コンサートは大阪、名古屋、東京と三
日連続で行われ、その盛り上がりはすごか
った。ラスト曲『さよならの向う側』を歌い終
わり、マイクを置いて去って行く姿は今でも
この目に浮かぶ。

『横須賀ストーリー』
(昭和51年6月発売)







有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  禁じられた遊び
◎春風のいたずら
◎ひと夏の経験
◎愛に走って
◎横須賀ストーリー
  夢先案内人
  イミテーション・ゴールド
◎秋桜(コスモス)
◎プレイバックPartU
◎いい日旅立ち
  しなやかに歌って
  ロックンロール・ウィドウ
◎さよならの向う側
<私の好きな曲ベストテン>

@愛に走って
Aそして出逢い
Bいい日旅立ち
Cさよならの向う側
Dひと夏の経験
E春風のいたずら
F湖の決心
G禁じられた遊び
H太陽の友達
I曼珠沙華

※引退コンサートは名古屋で見ました。
レコード会社、ホリプロ、ファンの人々、
すべてに祝福されて引退の花道を飾れた
ことは本当にすばらしいことでした。

五輪真弓
昭和47年のデビュー当時から、シンガーソ
ングライターとして格調高い作品を発表しな
がら、その独自の世界がかえってファン層
を一部だけに限定することになっていた。

しばらくは自らが信じる路線を進んでいた
が、「いくら作品が良くてもヒット曲を出して
一般大衆に受け入れられなければ世間に
認められない」というアドバイスを受け、敢え
て作風を変えて世に問うた曲が昭和53年の
『さよならだけは言わないで』だった。

このヒット曲の成功により歌謡曲・流行歌の
ファン層を一挙に取り込み、昭和55年『恋
人よ』の大ヒットで五輪真弓の名は日本中
に知れ渡った。

アルバムアーチストなのでシングルヒットは
少ないが、アルバムには名曲が数多く見ら
れる。
シャンソン歌手を思わせる鼻に抜ける発声
とすばらしい歌唱力は折り紙付きで、東南
アジアでも絶大な人気を誇り、『心の友』は
インドネシアでは日本人が歌う曲で一番有
名な曲として知られている。

『ジャングルジム』
(昭和51年4月発売)






有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎は特に有名な曲

  少女
  煙草のけむり
  ジャングルジム
◎さよならだけは言わないで
◎残り火
  合鍵
◎恋人よ
◎リバイバル
  心の友
<私の好きな曲ベストテン>

@ジャングルジム
Aさよならだけは言わないで
Bさよならの街角
Cリバイバル
D残り火
E恋人よ
F合鍵
G約束
H夜汽車
I抱きしめて(愛は夢のように)

※『恋人よ』でレコード大賞を狙ったが、
惜しくも金賞受賞にとどまった。しかし、
一般大衆は親しみを持ってその実力を認め
たのだった。

五木ひろし
3回も歌手名を変え、五木ひろしという4番
目の芸名でやっと日の目を見たことはよく
知られている。
松山まさる(コロムビア)、一条英一(ポリド
ール)、三谷謙(ミノルフォン)とシングル盤
10枚を発売するも、約5年間全く売れなかっ
た。
転機は『全日本歌謡選手権』で10週勝ち抜
きグランドチャンピオンになってから。

昭和46年『よこはま・たそがれ』(五木ひろ
し)で再度デビューするやたちまち大ヒット。
以降次から次へと多くのヒット曲を連発し、
歌謡界で不動の地位を築いた。

拳を握り、眼を細め、自己陶酔するかのよ
うな熱唱が特徴で、その歌唱力は高く評価
された。
同じ熱唱タイプでも、森新一の深く心に響く
歌とは違う「やさしさを伴った軽快な感じ」が
カラオケブームにも乗って大いに受けたも
のと思われる。
日本レコード大賞2回、最優秀歌唱賞3回を
受賞している。

『ふたりの夜明け』
(昭和55年8月発売)






有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎よこはま・たそがれ
  長崎から船にのって
  待っている女
  あなたの灯
◎ふるさと
◎夜空
◎千曲川
  ふたりの旅路
◎おまえとふたり
◎倖せさがして
  ふたりの夜明け
◎人生かくれんぼ
◎居酒屋(木の実ナナ)
  細雪
◎長良川艶歌
  そして・・・めぐり逢い
<私の好きな曲ベストテン>

@おまえとふたり
Aふたりの旅路
B人生かくれんぼ
Cそして・・・めぐり逢い
D居酒屋(木の実ナナ)
E倖せさがして
Fふたりの夜明け
Gデュオ しのび逢い(マリエ&五木ひろし)
Hゆめかぜ
I千曲川

※五木ひろしとギターの名手「木村好夫」
とはつながりが深い。『ひろしとギター』と
いうアルバムが数多く発売されCD全集に
もなっている。
最大のヒット曲『おまえとふたり』も木村好夫
の作曲によるものだ。

ちあきなおみ
「思い入れ」を歌に託し、素晴しい歌唱力を
発揮する「存在感ある歌手」はこの人であ
る。
昭和44年『雨に濡れた慕情』でデビュー。お
色気ポップス路線でヒットを続けていたが、
『喝采』がレコード大賞候補曲にノミネートさ
れてから、急速に全国的な人気と評価が高
まり、ついに第14回日本レコード大賞を獲
得。
妖艶なメイクの一方でコミカルで型破りなキ
ャラクターも持ち合わせ、人気があった。
『矢切の渡し』が有線で大ヒットの兆候があ
りながら、移籍前のレコード会社の作品で
あるため本人が歌えないという事情で各社
競作になり、細川たかしが引き続き歌って
レコード大賞を受賞。本家本元なのに実に
もったいないことだった。

引退宣言をせず歌謡界から離れたため、
姿を見せない長期間の不在がかえってファ
ンの要望をかきたて、通信販売のCD全集
が記録的大ヒット! コロムビア、ビクター、
テイチクから発売された各種CDにより
ほぼ全部の音源が入手できるほどの盛り
上がりをみせて今日に至っている。

『X+Y=LOVE』(昭和45年8月発売)








有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

<コロムビア>
  雨に濡れた慕情
  朝がくるまえに
◎四つのお願い
◎X+Y=LOVE
  別れたあとで
◎喝采
  夜間飛行
  円舞曲
◎矢切の渡し

<ビクター>
  星影の小径

<テイチク>
◎紅とんぼ
  黄昏のビギン
<私の好きな曲ベストテン>

@X+Y=LOVE
A喝采
B私という女
C別れたあとで
D四つのお願い
E矢切の渡し
F朝がくるまえに
G円舞曲
H雨に濡れた慕情
I無駄な抵抗やめましょう

※コロムビア時代が全盛期といえるが、
移籍してからはしみじみとした人生を感じ
させる歌い方が多い。
「タンスにゴン」のCMは有名。You Tubeで
見ることができる。

二葉あき子
昭和11年『愛の揺籃』で流行歌デビュー。
平成15年に引退するまで懐メロ番組にたび
たび登場し、67年間も歌っていた驚くべき
長寿歌手である。

戦前は美声の純情歌手として、戦中は軍
国歌謡を歌い、戦後は高音を捨ててむしろ
低音を生かしたヒット曲を多く放った。
広島の原爆投下のときトンネル内にいたこ
とで生き延び、『フランチェスカの鐘』を被爆
者の鎮魂歌として長い間歌ったことは有
名。

派手さはないが情感豊かな表現力で着実
に歴史を歩んできた感がある。
映画主題歌で男性歌手とのデュエットも多
く、伊藤久男、霧島昇、藤山一郎、近江俊
郎などと組みヒット曲を出した。
 
『二葉あき子』(オリジナル原盤CD)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  純情の丘
  あの花この花
  新妻鏡(霧島昇)
  黒いパイプ(近江俊郎)
  別れても
  バラのルムバ
◎夜のプラットホーム
◎恋の曼珠沙華
◎フランチェスカの鐘
◎水色のワルツ
  村の一本橋
<私の好きな曲ベストテン>

@水色のワルツ
A夜のプラットホーム
B恋のアマリリス
Cあの花この花
D純情の丘
E恋の曼珠沙華
F古き花園
Gフランチェスカの鐘
Hオリーブの歌
I新妻鏡(霧島昇)

※『水色のワルツ』は亡き母の愛唱曲。
流行歌がきらいだったという高木東六の
作曲。作詞の藤浦洸はNHK『私の秘密』で
出演していたので顔を覚えています。

倍賞千恵子
渥美清「寅さん」の妹「さくら」といえばおそら
く知らない人はほとんどいないであろう。
昭和38年に『下町の太陽』で歌手デビュー
し、第4回日本レコード大賞新人賞を受賞。
女優がメインだが、昭和40年前後は歌にも
かなり力を入れ、ヒット曲もいくつか出して
いる。

近年再度注目されるようになったのは、通
信販売で『歌声喫茶』や『抒情愛唱歌全集』
といったCD全集にユーザーの人気が集ま
り、発音の正確さ、美しさから「抒情歌とい
えば倍賞さん」と言われるほど、この分野で
断トツの人気を誇り、再評価されたことであ
る。

歌詞をしっかりと伝える力があり、清楚でや
さしく響く歌声は癒し効果満点。
日本人の共感を呼ぶ抒情歌がメインのCD
全集は記録的な大ヒット商品となった。
歌謡曲、抒情歌、唱歌、ポピュラー、外国
民謡などあらゆるジャンルを歌いこなしてい
る。

『さよならはダンスの後に』
(昭和40年3月発売)




有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎下町の太陽
  星に祈る
◎さくら貝の歌
  瞳とじれば
◎さよならはダンスの後に
  おはなはんの歌
  ラブレター
◎忘れな草をあなたに
  秋の砂山
<私の好きな曲ベストテン>

@下町の太陽
Aさよならはダンスの後に
B虹の彼方に(外国曲)
Cさくら貝の歌
D忘れな草をあなたに
Eラブレター
F瞳とじれば
G土曜日は私と
H秋の砂山
I星に祈る

※抒情愛唱歌のジャンルでは、他に
島田祐子、芹洋子、安田姉妹、鮫島有美子
などが有名だが、倍賞千恵子がNo.1の
実績を誇っている。

細川たかし
民謡で鍛えたハリのある高音といえばこの
人。声量も十分で迫力がある。
昭和50年「私バカよね・・・」の印象的な言
葉で始まるデビュー曲『心のこり』が大ヒット
し最優秀新人賞受賞。

女心を歌う曲が多く、思い切りのよさの中
にもしみじみした情感が感じられる。
本人は溌剌とした元気なイメージがあり、
陽気な明るい性格で演歌の暗いイメージは
ない。
歌は高音がセールスポイントで、力強い中
にも「悲しげな響き」(女性の悲劇的な嘆き)
を表現しているかのような歌唱法が秀逸で
ある。

昭和57年『北酒場』、58年『矢切の渡し』と
連続で「日本レコード大賞を受賞。
59年には『浪花節だよ人生は』で最優秀歌
唱賞受賞という輝かしい記録を作った。

『人生希望と辛抱だ』
(平成5年9月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な


◎心のこり
  女の十字路
  港夜景
  ゆきずり
◎北酒場
◎矢切の渡し
◎新宿情話
◎浪花節だよ人生は
  望郷じょんから
  佐渡の恋唄
<私の好きな曲ベストテン>

@人生希望と辛抱だ
A矢切の渡し
B女の十字路
C港夜景
Dゆきずり
E女ごころ
F浪花節だよ人生は
G心のこり
Hいつかどこかで
I冬の宿

※『矢切の渡し』『浪花節だよ人生は』では
大勢の競作の中で一番大衆に支持され
た。

今井美樹
「透明感あふれる声」ならこの人。
ピュアな声ともいわれ、まさに「透明」という
表現がぴったりの透き通るきれいな声で女
性、特にOLに人気が高かった。

アルバム・アーチストで多くのアルバムを発
売しているがシングル・ヒットも多く、
『PIECE OF MY WISH』 『PRIDE』はミリオ
ンセラーを記録している。

出世作は『野性の風』。筒美京平作曲のこ
の作品から注目され始め、『瞳がほほえむ
から』の大ヒットで一躍そのクリアーな美声
が日本全国に知れ渡った。
独特のサラッとした歌い方にはジャズのフィ
ーリングがある。

『瞳がほほえむから』
(平成元年11月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎野性の風
◎彼女とTIP ON DUO
◎瞳がほほえむから
◎PIECE OF MY WISH
◎Blue Moon Blue
  Bluebird
  Miss You
  Ruby
◎PRIDE
<私の好きな曲ベストテン>

@野性の風
ABlue Moon Blue
BPIECE OF MY WISH
C瞳がほほえむから
DMiss You
E彼女とTIP ON DUO
Fオレンジの河
GBluebird
HBoogie-Woogie Lonesome High-Heel
I潮騒

※透明な声にはカルチャー・ショックを受け
ましたね。初期の作品が特に感じられま
す。

松田聖子
1980年『裸足の季節』でデビューし、80年代
アイドルの最高峰のみならず、その後も長
期間トップの歌手として歌謡界に君臨した。

人気実績ともにNo.1で、『風は秋色』から
『旅立ちはフリージア』までシングル24作品
連続オリコン1位というとてつもない不滅の
大記録を達成した。

デリケートな声質を生かす演奏(カラオケ)
の作りが工夫されており、音作りの妙も感
じられる。
「聖子カット」と呼ばれる髪形も大流行。影
響を受けた人は多い。

若い女性の恋する微妙な女ごころを歌い、
正統派のラブ・ソングで一世を風靡し、現在
も活躍中。
娘も「SAYAKA」で歌手デビューし評判とな
った。
『抱いて・・・』はアルバムの曲ながらカラオ
ケで大ヒットした隠れた名曲として知られて
いる。

『ガラスの林檎/SWEET MEMORIES』
(昭和58年8月発売)
AB面共にヒット。



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  裸足の季節
◎青い珊瑚礁
◎風は秋色
  チェリー・ブラッサム
◎夏の扉
◎白いパラソル
◎風立ちぬ
◎赤いスイートピー
  制服
◎渚のバルコニー
◎小麦色のマーメイド
  野ばらのエチュード
  秘密の花園
◎天国のキッス
  ガラスの林檎
◎SWEET MEMORIES
◎瞳はダイアモンド
  Rock'n Rouge
  夏服のイヴ
  ピンクのモーツァルト
  ハートのイアリング
◎天使のウィンク
  ボーイの季節
◎Pearl-White Eve
◎抱いて・・・
◎あなたに逢いたくて〜Missing You〜
  逢いたい
<私の好きな曲ベストテン>

@白いパラソル
ASWEET MEMORIES
BPearl-White Eve
C逢いたい
D赤いスイートピー
E瞳はダイアモンド
F風立ちぬ
G夏服のイヴ
H制服
I風は秋色

※『白いパラソル』から17作品を担当した
作詞家の松本隆の功績も大きい。
色を使い、カラー写真のように情景が
目に浮かぶような作詞がすばらしい。

変わった作品のNo.1は「MATSUYAKKO」
の歌手名で発売した『かこわれて、愛jing』
であろう。唯一ポップスでない異色の作品
です。

中森明菜
ルックスの良さとヒット曲の多さが目立った
70年代アイドルに対し、80年代アイドルはル
ックスとキャラクターに重点が置かれ
肝心のヒット曲が少なくなり音楽的には小粒
化してきた。その中で明らかに二大ビッグア
イドルとしてケタ違いの活躍を見せたのが
松田聖子とこの中森明菜だった。

優等生的な雰囲気の松田聖子に対して中
森明菜は不良じみた「ツッパリ」的なイメー
ジが先行し人気が爆発した。
昭和57年の『少女A』の大ヒットで注目され、
次作『セカンド・ラブ』がオリコン1位を獲得。
『サザン・ウィンド』から15作品連続オリコン1
位。計21シングルが1位を獲得している。

「聖子」「明菜」のシングル1位獲得の争い
は、発売がバッティングしないよう、お互い
発売時期をずらしてきっちりした3ヶ月ロー
テーションで発売され、両陣営が必ずオリコ
ン1位を獲得できるように配慮したことによ
り、双方に不滅の大記録が残されることとな
った。
昭和60年『ミ・アモーレ』、
昭和61年『DESIRE −情熱−』
2年連続で日本レコード大賞を受賞。

『トワイライト -夕暮れ便り-』
(昭和58年6月発売)








有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  スローモーション
◎少女A
◎セカンド・ラブ
◎1/2の神話
◎トワイライト -夕暮れ便り-
  禁区
◎北ウイング
  サザン・ウインド
◎十戒(1984)
◎飾りじゃないのよ涙は
◎ミ・アモーレ
◎SAND BEIGE -砂漠へ-
◎DESIRE -情熱-
  ジプシー・クイーン
◎難破船
  Dear Friend
  二人静 -「天河伝説殺人事件」より
<私の好きな曲ベストテン>

@ミ・アモーレ
Aセカンド・ラブ
Bトワイライト -夕暮れ便り-
Cスローモーション
D北ウイング
E赤い鳥逃げた
FSAND BEIGE -砂漠へ-
G駅
H1/2の神話
I少女A

※『駅』は竹内まりやの曲で、CDに収録され
ている。モヤモヤした歌い方で独特の雰囲
気を出している。


ピンキーとキラーズ
昭和43年『恋の季節』でデビュー。200万枚
を超える大ヒットとなった。
メンバーはボーカルの今陽子(ピンキー)、
男性バック・コーラスのジョージ浜野、エン
ディ山口、ルイス高野、パンチョ加賀美。

ピンキーの黒い山高帽とパンタロンが印象
的で大人にも子供にも人気があった。
おおらかで伸びのある歌唱が評価され「第
10回日本レコード大賞新人賞」受賞。
作品や歌い方には流行歌とはいえ、どこか
ミュージカルを連想させるものがある。
それはほとんどの作品を手がけ、ミュージ
カルに一生を捧げた恩師「いずみたく」の影
響であろう。

昭和46年に今陽子がソロ歌手となり独立、
新しい女性ボーカルを加えた「ニューキラー
ズ」へと変わっていった。

『涙の季節』(昭和44年1月発売)

有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎恋の季節
◎涙の季節
◎七色のしあわせ
◎星空のロマンス
  かぜの季節
  若いときこそ
  愛に生き平和に生きる
<私の好きな曲ベストテン>

@七色のしあわせ
A涙の季節
B星空のロマンス
C恋の季節
D若いときこそ
E愛に生き平和に生きる
F土曜日はいちばん
Gかぜの季節
H恋人の讃歌
I何かいいことありそうな

※今陽子の『東高円寺』(作曲:杉本真人)
は味のあるいい曲です。

ハイ・ファイ・セット
都会的で知性あふれるハーモニーならこの
コーラス・グループである。
昭和49年10月結成。メンバーは大川茂、山
本俊彦、山本潤子(旧姓、新居潤子)の3
人。
アルファレコードを設立し荒井由実(のち松
任谷由実に)をデビューさせた村井邦彦の
プロデュースによる効果も大きかった。
ちょうど荒井由実の台頭時期と重なり、ユ
ーミンの作品を同時に多く歌うことでヒットし
注目される。

昭和51年の『フィーリング』が歴史に残る大
ヒット。
山本潤子の心にしみる美声が印象的で、
その洗練されたボーカルはすばらしく、
「スマート」「ハイセンス」といった言葉が似
合う大人の鑑賞に堪えうる曲が多い。

『スカイレストラン』
(昭和50年11月発売)
有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎卒業写真
◎スカイレストラン
◎冷たい雨
  幸せになるため 
◎フィーリング
  燃える秋
  素直になりたい

<私の好きな曲ベストテン>

@フィーリング
Aスカイレストラン
B卒業写真
C土曜の夜は羽田に来るの
D冷たい雨
E燃える秋
F海を見ていた午後
Gメモランダム
H星降る真夜中
I少しだけまわり道

※ニュー・フォーク、ニューミュージックと
呼ばれた時代。懐かしいですね。

岩崎宏美
『スター誕生!』出身の歌手で、長く活動を続
けている。本名がそのまま芸名になってい
る。
昭和50年『二重唱(デュエット)』でデビュー 。
2曲目の『ロマンス』の大ヒットからヒット歌手
の軌道に乗り、和製ポップスの路線で次々
とオリコントップ10にヒット曲を送り込んだ。
若さと強く伸びのある声はのどの強さを感じ
させた。

『ロマンス』で第17回日本レコード大賞新人
賞。『思秋期』で第19回日本レコード大賞歌
唱賞。『すみれ色の涙』が第23回日本レコー
ド大賞最優秀歌唱賞受賞。
『聖母(マドンナ)たちのララバイ』は第13回
日本歌謡大賞・グランプリを獲得と、しっか
りした歌唱には定評がある。

『橋』など日本テレビ系『火曜サスペンス劇
場』の主題歌を何曲か歌ったことや、NHK
『小さな旅』のテーマ曲 も印象に残る。

『熱帯魚』(昭和52年7月発売)



有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎ロマンス
  センチメンタル
  未来
  想い出の樹の下で
◎熱帯魚
◎思秋期
◎二十才前
  あざやかな場面
  シンデレラ・ハネムーン
  夏に抱かれて
  万華鏡
◎すみれ色の涙
◎聖母(マドンナ)たちのララバイ
  家路
  好きにならずにいられない
◎小さな旅
<私の好きな曲ベストテン>

@レンガ通りの恋人達
A夏に抱かれて
Bさよならそして自由へ
C熱帯魚
Dすみれ色の涙
E影絵(シルエット)
F二十才前
G聖母(マドンナ)たちのララバイ
H橋
I愛の飛行船

※ビクター時代のシングルA面曲を網羅した
3枚組のCDが発売されたのはうれしい。
アルバムやB面にも光る曲があるので、
コンプリートのBOXがあればなお良いの
だが。

ピンク・レディー
曲に合わせたスピード感のある大胆な振付
けで一世を風靡したのはこの二人。
ミー(根本美鶴代)、ケイ(増田啓子)のデュ
オ。
老若男女を問わず爆発的な人気を誇り、ア
イドルでありながら特に小さな子供に受け、
日本全国で歌の振付けを真似するという大
きな社会現象を起こした。

昭和51年発売の2曲目『S.O.S』から9曲連
続でオリコン1位を記録。ミリオンセラーを
連発し時代の寵児となった。
デビュー曲『ペッパー警部』(第18回『日本
レコード大賞』新人賞受賞)から阿久悠(作
詞)、都倉俊一(作・編曲)コンビが作品を
手がけ、「ピンク・レディーの世界」をしっか
りと演出したことが成功の原因であろう。

昭和53年『UFO』が第20回日本レコード大
賞・大賞受賞。
昭和53年『サウスポー』が第9回日本歌謡
大賞受賞。
昭和56年に解散し、以後はそれぞれ「未
唯」、「(増田けい子から)増田惠子」として
ソロ活動を続け、2010年再結成された。

『ウォンテッド(指名手配)』
(昭和52年9月発売)






有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎ペッパー警部
◎S.O.S
  カルメン’77
◎渚のシンドバッド
◎ウォンテッド(指名手配)
◎UFO
◎サウスポー
  モンスター
  透明人間
  カメレオン・アーミー
  波乗りパイレーツ
<私の好きな曲ベストテン>

@うたかた
Aウォンテッド(指名手配)
Bペッパー警部
C渚のシンドバッド
DS.O.S
Eピンク・タイフーン
FUFO
Gサウスポー
Hカメレオン・アーミー
I透明人間

※増田けい子(惠子)ソロ作品にも佳曲が
あります。『ためらい』『ソファーのくぼみ』
『FU・RI・NE』など。

中島みゆき
強烈な個性を放つシンガーソングライター
はこの人。
昭和50年9月『アザミ嬢のララバイ』でデビュ
ー。10月に第10回ポピュラーソング・コンテ
ストで『時代』がグランプリを受賞。
さらにこの曲が11月に第6回世界歌謡祭 で
もグランプリを受賞して一躍有名になった。

人の心の内面を抉り取るような重い描写が
多く、「明」より「暗」、女の情念を感じさせる
ところに特徴がある。
ユーミンのようなきれいなメロディラインで
はないのにこれだけ人気が出たのは力強
い声での強烈なメッセージが人々に受け入
れられたからと思われる。

1970、1980、1990、2000年代それぞれでシ
ングルがオリコン1位を獲得〈計5曲)という
息の長い活動を続けている。
ヤマハを代表する歌手であり、ヤマハ=中
島みゆきというイメージもある。
作品の提供も多く、『かもめはかもめ』(研
ナオコ)、『すずめ』(増田けい子)、『しあわ
せ芝居』(桜田淳子)、『春なのに』(柏原芳
恵)などがある。

『悪女』(昭和56年10月発売)








有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

  アザミ嬢のララバイ
◎時代
◎わかれうた
  おもいで河
  りばいばる
◎ひとり上手
◎悪女
  誘惑
  浅い眠り
◎空と君のあいだに
  旅人のうた
◎地上の星
◎銀の龍の背に乗って
<私の好きな曲ベストテン>

@時代
A悪女
Bわかれうた
C銀の龍の背に乗って
Dひとり上手
Eホームにて
Fアザミ嬢のララバイ
G地上の星
H夜風の中から
Iあの娘


トワ・エ・モワ
昭和44年山室英美子と芥川澄夫の二人で
結成されたボーカル・デュオ。

デビュー曲『或る日突然』がヒット。
普通男女二人だとどちらかがメインで片方
はサブボーカルになることが多いが、トワ・
エ・モワの場合はお互いが相手に負けじと
同じパワーで歌うところが一つの特徴にな
っている。
NHKの「あなたのメロディー」から生まれた
『空よ』、越路吹雪など数人の競作で大ヒッ
トとなった『誰もいない海』、札幌オリンピッ
クのテーマ曲『虹と雪のバラード』は人々の
心に残る歌となった。

フォーク的なイメージがあるが、作品は和製
ポップスで、ボサノバやジャズ、ロックテイス
トを取り入れた音楽性の高さと爽やかな歌
声は一服の清涼剤である。
山室恵美子は白鳥恵美子として現在もソロ
歌手で活動している。

『Toi et Moi noble songs』
(CD全集)




有名な曲(年代順)◎は特に有名な曲

◎或る日突然
  美しい誤解
◎空よ
  初恋の人に似ている
  地球は回るよ
  愛の泉
◎誰もいない海
◎虹と雪のバラード
<私の好きな曲ベストテン>

@或る日突然
A虹と雪のバラード
B美しい誤解
C誰もいない海
D恋のゆりかご
E地球は回るよ
F愛の泉
G愛の理由
H空よ
I季節はずれの海

※初期の作品のほとんどを担当した作曲家
の村井邦彦氏の功績が大きい。


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