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<大阪市議長>不信任決議の包囲網緩まず

毎日新聞 10月3日(木)12時31分配信

 大阪維新の会の美延映夫(みのべ・てるお)大阪市議会議長の政治資金パーティーで、地元の市立高校吹奏楽部が演奏した問題を巡り、不信任決議された美延議長の去就について維新が苦慮している。議長報酬の一部返納などで続投を模索するが、辞職を求める公明、自民、民主系の3会派の包囲網が緩む気配はない。堺市長選で敗北して退潮ムードが広がるなかで、打開策を見いだせていない。【山下貴史、村上尊一、茶谷亮】

 橋下徹大阪市長(維新代表)は3日、記者団に「辞めるほどの問題とは思っていない」と話した。しかし、同日午前には市議会各会派の幹事長会議が開かれたが、進行役のはずの美延議長の姿はなく、副議長の公明市議が代役を務めるなど、混乱が続いている。

 10日に本会議があるため、維新は4日に市議団総会を開き、松井一郎大阪府知事(維新幹事長)も参加して対応を決める方針だ。続投論を主張してきた松井氏は2日夕、「市議会が止まったら、府民、市民の生活に影響する。いろんな形で協議したい」と辞職容認に含みを残している。

 市議団内には辞職論と続投論があって収拾がついていない状態だ。市議団幹部が3日、「市議団は真っ二つだ。4日の協議でどこまで決まるか分からない」と記者団に話すなど、混乱を露呈している。党内には「正直、もうどうでもいい。堺市長選のさなかに辞めさせたくなかっただけだ」(府議)という声もある。

 3会派は今年5月、従軍慰安婦に関する発言を巡り、橋下市長の問責決議案提出でいったん合意しながら、公明が離脱した経緯がある。市長辞職による出直し選挙に松井氏が言及し、状況を打開した。

 しかし今回、今のところ足並みに乱れはない。松井氏が「パーティーには公明の議員も来ていた」と発言したことが逆に火に油を注いだ形で、公明市議は「議長は辞める以外にない」と強硬だ。自民市議は「維新は対応が後手後手に回って、どんどん傷が深くなっている」と指摘。民主系市議も「このままだと本当に審議拒否だ」と突き放す。

 【ことば】議長就任パーティー問題

 美延映夫・大阪市議会議長の後援会が、8月末に開いた議長就任祝いの政治資金パーティーで、地元の市立高校吹奏楽部が演奏した。発覚後、美延議長は記者会見で「不適切だった」と謝罪。昨年6月と12月にも演奏していたことを公表した。公明、自民、民主系の市議会3会派は「教育の政治的中立性に反する」として、9月26日に議長不信任決議案を提案、可決した。美延議長は「報酬の一部返納で責任を果たす」として続投の意向を示している。

最終更新:10月3日(木)13時52分

毎日新聞

 
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