米国と日本は3日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2+2)を開き、日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインの見直しを来年までに終えることで合意した。ガイドラインの見直しは16年ぶり。韓米安保協議会に出席するため先日ソウルを訪れたロックリア米太平洋軍司令官は米国メディアとの会見で、日本の安倍内閣が平和憲法の改正を目指していることについて「平和と安定を維持するのに必要な安全保障面での協力のためであれば、憲法についての討論もやってみるべきだ」とした上で「北朝鮮のようなならず者国家に対抗するには情報の共有が重要であり、韓米日3カ国の協力を強調するのもそのためだ」と発言した。
ヘーゲル国防長官は日本における集団的自衛権の憲法解釈見直しについて「日本が自国の安全保障を再設定するという次元であれば、(米国は)日本を手助けすることができるだろう」と述べた。ヘーゲル長官は朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に対し「韓米日3カ国による安全保障の枠組みをしっかりと組み立てるには、韓日両国における歴史問題をしっかりと管理すべきだが、これについてどう思うか」と尋ねた。これに対して朴大統領は「韓米日協力の重要性はしっかりと理解している」としながらも「日本は(歴史問題などで)一切の誠意を示さず、逆に傷に塩を塗り付ける言動を続けているのが非常に残念だ」と述べた。
米国は韓国と日本の間に横たわる歴史問題について、今の現実問題である北東アジアにおける安全保障の枠組みの見直しに比べればそれほど重要なことではないと考えているようだ。米国は近く米本土にとっても脅威となりかねない北朝鮮の核ミサイルや、アジア太平洋地域で米国との覇権争いに乗り出そうとする中国の台頭に備えるための戦略に頭を痛めているが、米国は韓米日3カ国同盟によってこれらの問題に対処する構想を持っているようだ。
米国が見据えるこの安全保障の三角形において、韓米同盟と日米同盟という二つの辺はすでに存在しているが、残るもう1辺の韓日関係は現在最悪の状態だ。韓国と日本は自由民主主義と市場経済という国家としての基本的な方向や価値観を共有しており、互いを友邦と呼んできた。ところが今は首脳会談さえ開けない状況に陥ってしまった。
米国は2000年代、イラクとアフガニスタンで二つの戦争を同時に行ったことで、今なお深刻な財政危機に直面している。そのため米国は自らの負担を軽減するために、日本の軍事的役割の拡大を推し進めるだろう。そのため韓国は同盟国である米国が置かれた状況を理解すると同時に、それに伴う米国の安全保障戦略の見直しに対応するための方策について深く考えねばならない。
韓国は韓米日3カ国による安全保障協力の枠組み見直しに先立ち、3カ国の共通目標は何か、また3カ国の安全保障面における国益の違いは何かという問題をより突き詰めて考える必要がある。米国は3カ国の協力体制において中心的な役割を果たす国として、韓日間の対立を傍観するのではなく、日本が必ず果たすべき最低限の歴史的義務が何かを日本に明確に伝え、日本政府がそれに逆行する行動を取った場合はこれに対ししっかりと警告しなければならない。米国が今直面し、また将来も直面するであろう安全保障面での課題を解決するためには、日本の軍事的役割の拡大に先立ち、かつて日本の帝国主義により被害を受けた隣国の同意と共感を得る努力に取り組まねばならない。これをおろそかにすれば3カ国協力の枠に亀裂が入り、対立の種をまく結果になってしまうだろう。
韓米日協力は政府による一方的な判断や決定だけで決められるものではない。国民が3カ国協力により得られる国益について理解し、それに共感するための手続きとプロセスが必要だ。また米国中心の韓米日協力によって韓国と中国との関係がギクシャクしないようにすることにも配慮しなければならない。韓国は今、現在と未来における自国の安全保障と統一問題の枠を決める重大な局面に直面しているのだ。