■日本、戦争できる国に
日米共同声明は、第2次世界大戦での敗戦を受け制定された「平和憲法」を事実上無力化する道を開くものだと受け止められている。日本の憲法9条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記している。このため、日本はこれまで集団的自衛権も行使できないとの解釈を示してきた。今回の声明で日本は「戦争できない国」から限定的であっても「戦争できる国」になる道が開かれたといえる。
今回の声明で、日本を「軍事大国化」させるという安倍首相の夢に弾みがつくこともあり得る。韓国政府関係者は「今後軍事費を増やし続け、中国に対抗するだけでなく、世界的にも地位を高めることが安倍首相の計画だ」と指摘した。
日本の軍国主義による侵略を受けた韓国と中国にとっては、こうした状況を安心して見ているわけにはいかない。さらに安倍内閣は、アジア侵略について謝罪した村山談話、従軍慰安婦に政府の関与を認めた河野談話を修正する動きを見せており、警戒心を抱かざるを得ない。
■韓国、公式論評せず
日米共同声明について、韓国政府は公式の論評を示さなかった。集団的自衛権の行使に関し、日本国内の世論が二分していることに加え、自衛隊の活動範囲と条件などを盛り込んだ具体的な内容がまだ示されていないためだ。北朝鮮問題に対応するため、韓米同盟と日本との戦略的な協調が重要だとの点も考慮した。
東北アジア歴史財団のイ・ミョンチャン研究委員は「安倍首相は集団的自衛権に反対している公明党の同意を得た上で、安全保障関連の基本法制定と自衛隊法の改正を進め、どのように自衛権を行使するかを定めるとみられる」と指摘した。