集団的自衛権:米日同盟強化、韓中の反発必至

 3日に発表された日米安全保障協議委員会の共同声明は、第2次世界大戦以降、北東アジアで維持されてきた戦後体制の根幹を揺るがす可能性があるという点で大きな波紋を呼んでいる。米国は日本の安倍晋三首相が推進する集団的自衛権導入と防衛費増額を事実上歓迎する表現まで共同声明に盛り込み「米国は安倍首相が望む通りの詰め合わせセットを贈った」との評価が聞かれる。

■揺らぐ戦後体制の根幹

 岸田文雄外相は同日「より力強い日米同盟への構想を進めていくことを確認できた」と述べた。米国による今回の立場表明を受け、安倍首相がこれまで国内の反対世論で遅れていた集団的自衛権の行使に向けた憲法解釈変更を急ぐのではないかとの見方が強まっている。

 今回の声明で米国は、日本が中国との領土紛争を抱える尖閣諸島(中国名:釣魚島)の警備強化を図るために求めた最先端のP8哨戒機を今年12月、無人偵察機グローバルホークを来年、それぞれ循環配備方式で日本に配備することを決めた。2基目のXバンドレーダー(ミサイル追跡用の高性能海上レーダー)、米海兵隊のF35B戦闘機(17年配備予定)の日本配備も確約した。

 これらの軍備は、日本が中国けん制のために強く希望していたものだ。声明はまた、南西諸島を含む地域の自衛隊の体制強化に向けた施設共同使用なども含まれている。日米が共同で基地を使用することは、抑止力をさらに高めるための措置だ。ケリー米国務長官は記者会見で「尖閣諸島が日米安保条約の対象に含まれる」と明言した。日本と中国の対立について、日本支持を明確にした格好だ。

 中国の反発が明らかに予想されるにもかかわらず、米国が日米同盟の大幅強化で合意した背景には、長期化する米国の財政難と中国に対するけん制の必要性が複合的に作用している。北東アジアで予想される米軍の役割縮小を日本との軍事同盟強化で補完しようとしている格好だ。

 両国の共同声明には「地域のパートナーに対する海上安全のための沿岸巡視船や訓練の提供といった日本による政府開発援助の戦略的活用を歓迎し、地域の平和と安定を促進する上でこのような取り組みが重要であることを認識した」との内容も含まれている。これは日本が東南アジアで一定の軍事的な役割を果たすことについて、米国が積極的な支持を表明したものだ。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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