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防衛指針改定へ 日本がより責任果たす同盟に- 読売新聞(2013年10月4日02時12分)
「より力強い同盟とより大きな責任の共有」に向けて、日本の安全保障上の役割を拡大することが肝要である。
日米両政府は東京で、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開き、日米防衛協力の指針(ガイドライン)を見直すことを決定した。来年末に改定作業を完了する予定だ。
1997年策定の現行指針は、朝鮮半島などの周辺有事の際に自衛隊が米軍を後方支援する枠組みを作った。その後の周辺事態法や武力攻撃事態法の整備への道筋をつけた画期的な内容である。
有事とはどんな事態か。政府や自衛隊・米軍はどう動くか――。安全保障に関する国民の認識や議論を深めた功績も見逃せない。
最近は、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展や、中国の軍備増強と示威活動の拡大、サイバー攻撃の脅威の増大などで、日本の安全保障環境は一段と厳しくなった。
様々な危機に日米がより迅速かつ効果的に共同対処するため、指針を見直す意義は大きい。
現行指針は、平時、周辺有事、日本有事の3分野別に日米協力を定めている。改定で重要なのは、平時から有事への事態の進展に応じ、より早い段階から柔軟に協力できる仕組みを作ることだ。
2プラス2が発表した共同文書は、集団的自衛権の憲法解釈見直しや国家安全保障会議(日本版NSC)の創設など安倍政権の安保政策への「歓迎」を明記した。
オバマ米政権の「アジア重視」国防戦略に呼応し、自衛隊の役割を拡充することは、日米同盟を強化し、抑止力を高めるはずだ。
同盟関係を補完する日本の敵基地攻撃能力の保有や、サイバー・宇宙など新たな分野での日米協力についても検討を進めたい。
共同文書は地域情勢で、中国を念頭に、「海洋分野における力による、安定を損ねる活動」「宇宙及びサイバー空間における破壊活動」に言及した。中国を名指しし、国際規範の順守や軍事面の透明性向上を促す方針も明記した。
日米両国が様々な機会に、関係国と連携し、中国に粘り強く働きかけることが大切である。
米軍普天間飛行場の移設問題に関し、共同文書は、辺野古移設が「唯一の解決策」として、実現への「強い決意」を再確認した。
日米両政府は、米軍施設・区域の返還など沖縄県の基地負担の軽減を加速し、仲井真弘多知事が辺野古移設を受け入れやすい環境整備に全力を挙げる必要がある。
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