(高木 茉耶さん)

<どうしようもなかった不安が同じ不登校の子を持つ親の一言で軽くなった>
私が、娘が不登校だと周りに打ち上げかれるようになるまでには長い時間がかかりました。
母親なら誰でもそうだと思いますが、親として育て方を間違えたのかもしれないと自責の念にとらわれました。
時間がたっても状況は改善せず、欠席日数が増えるばかり。悩みを抱え込んだことからストレスで私自身も体調を壊すことが多くなりました。

勤め先で他に不登校の子をもっている人の話題が出たのをきっかけに、打ち明けてみました。
「勉強はいつでもできる、でも無理に学校行かせたりして子供が自殺しちゃったりした方がずっと悲しいよ」

子のようなことを言ってくれる人が身近にいてくれてラッキーでした。
「他のお母さんは不登校の子供に対してどう行動しているかしりたい」という気持ちが強くなりました。
不登校相談室に来ているお母さんたちに積極的に連絡を取ってみました。
「みんな不安なんだ、私だけじゃないんだ」と実感することで、視野が広まりました。


<娘が楽しそうに学校の話をしてくれた>
娘は、女の子独特のグループ行動が苦手な面もありました。
だから我が家では「家庭を明るく、落ち着ける環境にしておく」ことを心掛けました。
せめて家にいる間はゆっくりして欲しいともいました。
娘が心配だったけど、つらい中学時代はこちらから学校のことを聞いて娘を傷つけてしまわないように注意しました。楽しい話題を振ろうと思っていました。

高校に上がって、娘からうれしそうに学校の話をしてくれるようになるとは思いませんでした。
本人が話さずにいられないほど、学校生活を楽しんでいることがうれしかったです。
小学校や中学校の頃に「今日、学校どうだった?」と聞くと「普通だった」とさみしそうに返事をする娘ではなくなりました。

娘が高校3年間ほんとうに楽しんでくれたこと、その環境に感謝しています。