維新の会:堺市長選完敗 あかんわ橋下さん 人気支えた女性たち離反 ぐらつく地方議員
2013年10月04日
「橋下さんは維新の最大にして唯一の切り札。大きな駅前とか大型ショッピングセンターならまだしも、連日小さな商店街を練り歩くようでは珍しさもありがたみも薄れてしまう。テレビに出まくるとか、より効果的な『空中戦』を担ってほしかった」。ある大阪府議は戦略の失敗を責める。別の地方議員は「市民の視線がもう違う。以前はスターを見る観衆の目だったが、今は評論家の冷めた目でしか見ていない」と嘆く。
投開票日の夜、橋下氏の記者会見を見に行った。国政選挙ならともかく地方選の当日に彼が報道陣の取材に応じることはめったにない。「万人に好かれようと思ってやっているわけではない」「大阪のため日本のため(都構想は)必要だ」。橋下氏は強気を崩さなかったが、陣営の一人はこうささやいた。「『負ければ代表辞任』と言われているからね。すぐに出てきたのは火消しのためだよ」
昨年10月に「『橋下維新』は3年で終わる」を著した川上和久明治学院大教授(政治心理学)は日本維新の会結成から1年後のこの退潮ぶりについて「正直、予想より早かった。彼自身の言葉を借りれば、根を張っていない『ふわっとした民意』のもろさが出た」と話す。
もう一つの退潮要因はアベノミクスだとみる。「経済が好調なら有権者は改革を求めない。アベノミクス効果で景気は上向いているとの雰囲気がある。大阪でも『都構想のようなシステム改革をやらなくても、うまくいってるじゃないか』という気分が浸透しているのでしょう」
東京のメディアではあまり報じられていないが、関西では大阪周辺の自治体首長たちによる「維新包囲網」が着々と築かれつつある。
府南部の泉州地域には12市町(堺市を除く)があり、堺市長選ではこのうち11首長が現職の竹山修身氏を支援した。「泉州最大都市が大阪都に取り込まれれば、関西国際空港の活性化など広域行政で力を借りにくくなる。従来の支持層を脅かす維新勢力の拡大にくさびを打ち込む狙いもあった」とある市の職員。
お隣の兵庫県からは宝塚市の中川智子市長が竹山氏を応援。4月に維新候補を破って再選された中川市長は「大阪での維新のやり方を見ると、市政を彼らに渡せば教育や福祉がズタズタにされる。そのことを堺の人たちに伝えたかった」と語る。