アールエフ損賠訴訟:和解 医療機器メーカー、解雇処分を撤回−−東京高裁 /長野
毎日新聞 2013年10月01日 地方版
医療機器メーカー「アールエフ」(長野市)の社員、山本保さん(45)=大阪府河内長野市=が同社を相手取り、解雇無効や損害賠償などを求めた訴訟の控訴審は30日、東京高裁(原優裁判長)で和解が成立した。山本さんの代理人によると、同社は原告勝訴の1審・長野地裁判決を認めた上で解雇処分を撤回して謝罪し、和解金を支払う。
訴状によると、営業職で大阪店に入った山本さんは、会議で社長に意見を述べたところ、2009年3月転勤を持ちかけられた。拒むと長野本社に異動となり、社員から呼び出され、集団で罵倒されるなどして解雇通告を受けた。
山本さんは「転勤は退職強要や嫌がらせが目的で、理由のない解雇も解雇権の乱用に当たり違法」などとして長野地裁に提訴。12年12月、同地裁は、解雇は無効とし、同社に約965万円の支払いを命じた。同社は控訴したが、今年4月、同社が和解を提案した。
解雇は無効となったが、山本さんは30日に退職した。山本さんは「4年7カ月、苦しんできた。この裁判が今後の労働者のためになれば」と話した。同社は「和解内容は十分納得いくものではありませんが、経営判断により承諾しました」とのコメントを出した。【巽賢司】