蹴球探訪
5・15 J誕生20年 ラモス氏に聞く 満員の国立「幸せ感じた」(6月3日)
トップ > 中日スポーツ > モータースポーツ > ニュース一覧 > 10月の記事一覧 > 記事
【モータースポーツ】【今宮純の目】ベッテルが息の根止める! “全コース対応”のマジックダウンフォースを得たレッドブル2013年10月4日 8時53分 「今宮純の直前展望」韓国GP編
後半戦のベルギーからイタリア、シンガポールとセバスチャン・ベッテル(26)=レッドブル=が3連勝。ランク2位のフェルナンド・アロンソ(32)=フェラーリ=に60ポイント差とし、がっちり首位固めを行った。そして、残り6レースとなる第14戦韓国GP。ベッテルとしてはここはさらに勝利を積み重ね、追撃の希望さえもたたきつぶしたいところ。そうはさせじとパフォーマンス勝負にかけるキミ・ライコネン(33)=ロータス=、そしてアロンソ。意地の戦いとなりそうだ。 ◇ ◇ ◇ ベッテル&レッドブルは今大会でV4を決め、早々に来季に向けた準備を始めたいところなのだろう。ここまでの3連勝には、そんな来季を見据えた「早めのラストスパート」を感じる。一方、前戦で最後の抵抗をこころみたアロンソ&フェラーリだったが、果たせず、いまや7点差で追ってくる3位メルセデスに対する防衛意識が強まっているとみた。 2010年開始の韓国GPは、アロンソが初年度を制し、その後はベッテルが2連覇。コース特性としては、セクター1が直線主体、2は中高速コーナー、3は低速コーナーというミックスレイアウト。レッドブル・ルノーの得意コースで、セクター2からの連続コーナーで群を抜いた速さを誇示している。 もっとも、最近のレッドブルにはある変化が見て取れる。後半戦のベルギー以降、直線エリアでも空気抵抗を少なくし、以前よりスピードを伸ばしてくるようになった。コーナーでのダウンフォース(空気流でマシンを地面に押しつける力)を武器に、V3を果たしたマシンがかなり変身。ベルギーのスパやイタリア・モンツァのように直線の多い高速タイプコースにも順応する「新・空力バランス」を見つけたといってもいい。 今のF1はダウンフォースが命で、先鞭(せんべん)をつけたのがレッドブル。ライバルチームは懸命にその強力なダウンフォース性能に追いつこうとしてきたが、レッドブルは今年後半から、あらゆる速度域で最適なダウンフォースのバランスを得る方向にシフト。難しい表現になるがピーク(絶対量)だけでなく、直線速度や各コーナーに見合ったダウンフォースの「過渡特性」を重視する新空力思想へ進化させた。 いわば「マジック・ダウンフォース」とでもいおうか。毎戦異なるコースに合わせこむ細部の形状変化もさることながら、マシン全体のパッケージも変容させており、その変化は、空力分野ばかりでなく、リアサスペンションの動きにまで及んでいる。 前戦シンガポールでは長い直線がなかったため、従来のダウンフォース路線を踏襲して3連勝。直線が2本1160m+616mあるこの韓国では再びスパに近いパッケージが予想され、これは日本GPの鈴鹿バージョンにも応用されそうだ。あらゆるタイプのコースを想定しているレッドブルの速さは、ベッテルに年間自己ベストの11勝をもたらすかもしれない。 さて話題を変える。シンガポールで体調に苦しみながら10台抜きで3位表彰台をもぎ取ったライコネン。10年以上前のクラッシュによる背中の古傷が再発、一時は階段の上り下りもつらかったというほど。その後遺症がちょっと心配。体は痛み、ギャラ遅延で懐も痛む?キミだが、現状のロータスE21のポテンシャルは韓国にぴったりの相性があるとみる。 それはリアサスペンションのしなやかさで、レッドブルが「マジック・ダウンフォース」でくるならロータスは「マジック・サス」で対抗しようという形になる。一見して分かるのは路面との地上高間隔。レッドブルは前傾姿勢で、尻上がりのロータスはフラットで極端に低い姿勢。地上スレスレの車高調整で時には底打ちして火花がスパークするこのマシンの上下挙動の衝撃がライコネンの古傷をよみがえらせる一因になったともいえるが、そのパフォーマンスは強力。ライコネンの体がもてば? あっと驚く逆転劇があるかもしれない。 タイトルの大勢は決しつつあるが、ベッテルを隙あらばと追い上げるアロンソ、そしてライコネンとの三つどもえの戦いからは、まだ目を離せない。 PR情報
おすすめサイトads by adingo
|