修徳−大阪桐蔭 6回表大阪桐蔭1死二塁、右越え2ランを放った森友哉=東京・八王子市民球場で(北田美和子撮影)
|
|
◇東京国体<最終日> 大阪桐蔭10−10修徳
準決勝と決勝が行われ、大阪桐蔭−修徳(東京)の決勝は10−10で、大会規定により両校優勝となった。昨年は悪天候のため日程未消化で両校優勝だった大阪桐蔭は2年連続2度目、修徳は20年ぶり2度目の優勝となった。今秋ドラフト1位候補の大阪桐蔭・森友哉捕手(3年)は決勝で高校通算41本目の本塁打を放ち、有終の美を飾った。準決勝で大阪桐蔭に0−5で敗れた鳴門(徳島)と、修徳に1−5で敗れた前橋育英(群馬)が3位となった。
国体史上初の引き分けでの両校優勝。もちろん単独優勝したかったが、これも優勝には違いない。主将として、森友が最後の公式大会でようやく日本一になった。「結果は同点だけど優勝。うれしく思う」。準決勝を合わせたダブルヘッダーを終え、安堵(あんど)の表情で、高校最後の試合を振り返った。
やはり千両役者だった。決勝は4回までに6点をリードしたが5回に修徳に5点を返された。相手ペースに傾きかけた6回、森友が通算41本目の2点本塁打を右中間の芝生席に突き刺した。
「フルスイングしようとしたら、たまたまバットの芯(しん)に当たった。41本は打ちすぎでしょう」
昨年は藤浪(現阪神)とバッテリーを組み、春夏の甲子園と国体を制覇。2年連続で高校日本代表も経験した。主将となった今年は春夏の甲子園に出場しながら、優勝には届かなかった。だが、最後の最後で頂点に立った。「日本一、充実していた」。喜びも苦しみも味わった3年間を、森友が笑顔で振り返った。
充実の高校野球を終えた森友には次のステージが待っている。24日に行われるドラフト会議では、捕手の補強が急務の地元・阪神やロッテが外れ1位候補に挙げる。桐光学園・松井や社会人の即戦力投手が注目を集める中、競合を回避したい球団が森友の一本釣りを狙う可能性もある。
準決勝の鳴門戦を視察したロッテ・下敷領(しもしきりょう)スカウトは「走攻守で飛び抜けている。身長がないと言われるけど、藤浪の球を受けているし、経験は豊富。(社会人の即戦力投手と比較しても)1位候補として見劣りしない」とあらためて高評価した。
「ドラフトはまだ実感がわかないけど、ドキドキしている。どの球団でも行く」と森友。今後も練習を続けながら運命の日を待つ。 (麻生和男)
この記事を印刷する