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【助けて下さい-子供性被害の現場から(中)】風俗がセーフティーネット 親とのトラブルで帰れず
家に居場所がなく、東京・渋谷を徘徊(はいかい)していた広美さん(19)=仮名=は中学3年生だった15歳のとき、性がお金に換わるマーケットがあると知り、携帯電話で裸の写真を自分で撮影、送ったことがある。
中年男性に「下着姿を撮影させてくれたらお金をあげる」と言われ、お金をもらったことも。父から虐待を受け、家にはいられなかった。でも、生きていくためにはお金が必要だった。
貧困、虐待…。家出少女たちの家庭環境は厳しい。一方で、自ら家出し、危険に飛び込んでいくような行為に「自己責任だ」との社会的批判もある。
しかし、ネットを通じた児童の性問題に詳しい一般財団法人「インターネット協会」(東京都港区)の大久保貴世さんは「犯罪に巻き込まれる子供たちは家庭に問題があるケースが大半。親に頼れない少女を悪意ある大人が利用している」と分析する。
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■少女の性的搾取は人身取引
子供を児童ポルノや買春、性労働の強制などの性的搾取の環境に置くことは、世界的にみればトラフィッキング(人身取引)と呼ばれる犯罪だ。しかし、人身取引被害者の支援活動を行うNPO法人「ポラリスプロジェクトジャパン」の藤原志帆子代表は「日本では国内で人身取引が起こっているという認識が薄く、人身取引は日本以外の遠い国で起こっているとの間違った認識が主流を占めている」と指摘する。
6月に米政府が発表した「人身取引年次報告書」で、日本は13年連続で「努力はしているものの、人身取引根絶の最低基準を満たさない国」に位置付けられ、国際社会からは日本では人身取引が防止しきれないと非難されている。報告書では「加害者は、特に弱い立場に置かれた女性や少女をターゲットにしている」ことも問題視された。
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