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　また小久保監督誕生の背景には、次期監督と言われていたソフトバンクの事情も関係している。一時は秋山監督の後任というのが既定路線のように言われていたが、今では「小久保の目は消えてしまった」とみられている。小久保氏とつながりが深かったフロント陣が０９年オフに、当時の森脇ヘッドコーチ（現オリックス監督）を秋季キャンプ後に電撃解任したり、メジャーから日本球界への復帰を模索していたＯＢのスター選手・城島健司氏（３７）の争奪戦に本格参戦せずに獲得を見送ったりしたことで一掃されてしまったからだ。

　当然ながらソフトバンクの現フロント陣は前体制への拒絶反応が強い。前フロントとの関係が深い小久保氏に関して昨年の現役引退の際に「あれだけの功労者なんだから、形式的にでも指導者としての打診くらいしてもいいはず。本当に何もなかったみたいだ」（ソフトバンク関係者）。

　そんな状況だけに「当分はうちでの監督の目もないだろうし、うちにこだわる理由もなかった」と別のソフトバンク関係者も言う。侍ジャパンで結果を出せば、その流れも変わるかもしれないとみられている。

　小久保ジャパンには当面、年長者の侍コーチ経験者のサポートが必要になりそうだが、投手コーチとしては今季引退した元ソフトバンクの斉藤和巳氏（３５）の入閣が噂されている。２人は師弟関係にあり、いずれも王チルドレン。新生・日本代表には第１回ＷＢＣ世界一監督でもある王会長の野球も継承されそうだ。

☆こくぼ・ひろき＝１９７１年１０月８日、和歌山県出身。和歌山・星林高から青学大に進み、９２年バルセロナ五輪で銅メダル獲得。９３年にドラフト２位でダイエー（現ソフトバンク）入団。９５年に本塁打王、９７年に打点王。２００３年オフに巨人移籍。０７年にＦＡでソフトバンクに復帰。１１年の日本シリーズでは史上最年長の４０歳でＭＶＰに輝いた。１２年に通算２０００安打を達成、同年限りで現役引退。通算成績は２０５７試合で２０４１安打、打率２割７分３厘、４１３本塁打、１３０４打点。右投げ右打ち。

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