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福島第1 タンク傾き、汚染水漏れ 一部海に流出か

新たな汚染水漏れが見つかった東京電力福島第1原発の地上タンク(矢印)=3日午前10時19分

 東京電力は2日深夜、福島第1原発の地上タンク群「B南エリア」の1基から高濃度の放射能汚染水が漏れ出たと発表した。推定約430リットルがタンク群を囲むせきを越え、一部は海に流出した可能性が高い。

 東電によると、タンクは傾斜のある場所に置かれて傾いた状態で、水をほぼ満タンに入れたため、天板と側板の継ぎ目から漏れ出した。東電は「傾斜は(100メートル先で1メートルの高低差を生む)1%に満たず、自主基準をクリアしている」と説明している。
 タンクは構内で生じる汚染水をため、ベータ線を出すストロンチウム90(法定基準1リットル当たり30ベクレル)などの放射性物質が58万ベクレル検出された。
 近くの排水路の水からも、ベータ線を出す物質が1万5000ベクレル、放射性セシウム134(法定基準60ベクレル)が120ベクレル、セシウム137(同90ベクレル)が310ベクレル出た。
 タンクは容量450トンで鋼板をボルトで留めて組み立てる。天板と側板の継ぎ目にパッキンは使われていない。
 B南エリアは5基のタンクがパイプで連結されている。問題のタンクとは別の1基に水位計が設置され、5基分をまとめて測っていたが、漏えいを示す数値は得られなかった。
 東電は「漏えい水の一部がせきを超え、側溝を通じて海に流れ出た可能性がある」と話した。
 構内では8月、今回と異なるタンク群の1基から305トンの汚染水が漏れ、原子力規制委員会が国際的事故評価尺度のレベル3に当たると評価した。


2013年10月04日金曜日


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