2位確定に導いた鳥谷(右)が、和田監督とハイタッチ【拡大】
低いライナーが、虎にまとわりつく嫌なムードさえ、切り裂いた。秋風に乗って、白球はそのまま右翼スタンドの最前列へ。さっそうとダイヤモンドをまわった鳥谷が、クールな表情のままベンチ前でグラティポーズを決めた。0-1の三回無死一塁。主将が一発で勝利を引き寄せて、ようやく2位が確定した。
「何とかうしろにつないでいこうという気持ちでした。なかなか2位を決められていなかったので、甲子園でクライマックスをできるのはよかったです」
3年ぶりの2けたとなる10号2ラン。3番に戻り、3試合目で2発だ。9月10日の中日戦(甲子園)以来の3安打もマークした。もちろん2位に満足は出来ないが、最低限の責務を果たした。
前日2日はCSファーストステージで対戦する広島に2-7の完敗。モチベーションと勢いの差を見せつけられた。重苦しい空気が漂ったが「チームとしては、ひとつ勝てば2位が決まる。きのうの試合がどうだったかというより、きょうしっかりやろうと思っていた」と目の前に集中。和田監督が「非常に大きかったし、その後、もう1回チャンスを作って、攻撃できたのがよかった」と称えたように、鳥谷が点火した打線はこの回、一挙5得点を奪った。