(セ・リーグ、DeNA3-7阪神、23回戦、DeNA13勝10敗、3日、横浜)2位決定、CSの甲子園開催を決めても視線はブレない。試合を決定づける2点打を放った西岡の見つめる先は、日本の頂だけだ。“下克上再び”を目指して戦う男は、その心境を日本一の山に例えた。
「これ(2位)で納得している選手が誰1人いないことを、願っています。富士山で言うと、八合目。あと九合、十合は広島、ジャイアンツに勝ってやっと上れる」
三回だった。3-1と逆転すると、なおも二死満塁で打順が回った。内角の直球をさばくと、鋭いライナーが左翼を襲った。猛ダッシュでスライディングキャッチを試みた左翼・松本。地面ギリギリで捕球されたと思われたが…三塁の西本欣司塁審(46)はヒットとジャッジ。DeNA中畑監督が抗議も当然、覆らず、ラッキーな形で大きな2走者が生還した。
「守備でもエラーをしていたので、それを取り返す気持ちで打席に入りました」。二回無死一、三塁の守備では、中堅に抜けそうなゴロに追いついたがファンブル。今季8個目の失策を記録していた。ただ“風”は虎に、西岡に吹いていた。