エンジニア必読!オープンソースライセンスの利用条件まとめ

    
2013/10/04
    

GitHubを代表として、たくさんのOSSが公開されている時代。今こそオープンソースライセンスのこと、考えてみませんか?

今回は、たくさんあるオープンソースライセンスの中から代表的なものをまとめます。要約していますが、詳しくは原文や日本語訳を参照ください。

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今回取り上げるオープンソースライセンス

  • BSD License
  • GPL(GNU General Public License)
  • LGPL(GNU Lesser General Public License)
  • MIT(MIT License)
  • Apache License
  • CC(クリエイティブコモンズ)

BSD License

概要

  • ソースコードを非公開にできるため商用化しやすい
  • カリフォルニア大学により策定された

要約

以下の条件を満たす限り、BSDライセンスのソースコードを複製・改変して作成した二次的著作物を、ソースコードを非公開のまま頒布できる。
  • 著作権をドキュメントに表示すること
  • ライセンス条文をドキュメントに明記すること
  • 本ソフトウェアは無保証のため、自己責任で使用すること

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GPL(GNU General Public License)

概要

  • コピーレフト(二次的著作物に関しても同様のライセンスを要求すること)の仕組みがある
  • そのため二次的著作物への縛りが厳しい
  • GNUプロジェクトで開発されたソフトウェア・その派生物に使用されている
  • 企業では基本的に利用できない(ソースコードを公開しなければならないため)
  • リチャード・ストールマンにより作成された

要約

プログラム著作物・その二次的著作物に、以下の4点に関して制限しない
  • ブログラムを実行すること
  • プログラムの動作を改変すること
  • 複製物を再頒布すること
  • プログラムを改変・改良した箇所を公開・リリースすること

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LGPL(GNU Lesser General Public License)

概要

  • コピーレフトのあるGPLに対して、LGPLは二次的著作物に関してソース公開の義務がない
  • LGPLとして作成したプログラム自体に関してのソース公開義務はある
  • 企業利用にも使われる
  • フリーソフトウェア財団が作成している

要約

  • LGPLに従うライブラリを動的にリンクすればソースコードの公開義務が発生しない
  • 著作権、ライセンスの表示をしなければならない
  • ソフトウェア実行時に著作権の表示がある場合、ライブラリの著作権も併せて表示する必要がある

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MIT(MIT License)

概要

  • 制限がゆるく自由度が相当高いライセンス
  • 1985年にマサチューセッツ工科大学が作成・公開された

要約

以下の条件を満たす限り、ユーザによるソフトウェアの自由な複製・配布・修正を無制限・無償で許可する。
  • 著作権表示および許諾表示を、ソフトウェアのすべての複製または重要な部分に記載すること
  • 本ソフトウェアは無保証のため、自己責任で使用すること

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Apache License

概要

  • Apache License自体は制限がゆるいが
  • GPLと違い、Apache Licenseの二次的著作物はコピーレフトではない
  • そのため、Apache Licenseを使った二次的著作物のユーザは、Apache Licenseと同様のライセンスで使えない場合もある
  • Apacheソフトウェア財団が策定している

要約

    以下の条件を満たす限り、ユーザによるソフトウェアの使用・頒布・修正・派生版の頒布を制限しない。
  • Apache Licenseのコードが使われていることを明示すること
  • 再頒布する場合、変更を加えたファイルに、変更した箇所がわかるよう告知を入れること

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CC(クリエイティブコモンズ)

概要

  • さまざまなレベルのライセンスの複合体
  • 写真やロゴなどの創作物に多く適用されている
  • ローレンス・レッシグにより創立されCreativeCommons.orgにより策定されている

要約

表示

  • (このライセンス表示があるものは)もっとも自由度が高いライセンス
  • 作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
  • 改変・商用利用可

表示−継承

  • 作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
  • 元の作品と同じCCライセンスで公開すれば改変・商用利用可

表示−改変禁止

  • 作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
  • 改変しなければ商用利用可

表示−非営利

  • 作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
  • 非営利であれば改変可

表示−非営利−継承

  • 作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
  • 非営利で使用すること
  • かつ元の作品と同じCCライセンスで公開すれば改変可

表示−非営利−改変禁止

  • 作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
  • 非営利で使用すること
  • 元の作品を改変しないこと

※ 画像出典:CreativeCommons.jp

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まとめ

GutHub、実は閉鎖的!?

プログラマでOSSの権威であるSimon Phipps(@webmink)はエンジニアのライセンスに対する理解度の低さを原因として、GitHubに深刻な問題が発生していると指摘しています。それは、GitHubに公開されているプロジェクトの約半分が「”all rights reserved“(著作権放棄していません)」であること。(原文:InfoWorld
GitHubで一般公開されているにも関わらず、ライセンス的に開かれていないプロジェクトが、実はたくさんあるのです。いまやエンジニアにとって、オープンソースライセンスは必須の知識と言えるでしょう。

今こそオープンソースライセンスを見直す時!

めんどくさがらず、ぜひとも一度ライセンスについて見直してみましょう。ぜひとも同僚の方に教えてあげてください。
反響が大きければ、そのほかの各ライセンスの使い方も解説したいと思います。ぜひブコメなどで教えてください。

(執筆/編集 仁田坂淳史

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