GitHubを代表として、たくさんのOSSが公開されている時代。今こそオープンソースライセンス のこと、考えてみませんか?
今回は、たくさんあるオープンソースライセンスの中から代表的なものをまとめます。要約していますが、詳しくは原文や日本語訳を参照ください。
テンプレート
今回取り上げるオープンソースライセンス
BSD License
GPL(GNU General Public License)
LGPL(GNU Lesser General Public License)
MIT(MIT License)
Apache License
CC(クリエイティブコモンズ)
BSD License
概要
ソースコードを非公開にできる ため商用化しやすい
カリフォルニア大学により策定された
要約
以下の条件を満たす限り、BSDライセンスのソースコードを複製・改変して作成した二次的著作物を、ソースコードを
非公開のまま 頒布できる。
著作権をドキュメントに表示すること
ライセンス条文をドキュメントに明記すること
本ソフトウェアは無保証のため、自己責任で使用すること
テンプレート
GPL(GNU General Public License)
概要
コピーレフト(二次的著作物に関しても同様のライセンスを要求すること)の仕組みがある
そのため二次的著作物への縛りが厳しい
GNUプロジェクトで開発されたソフトウェア・その派生物に使用されている
企業では基本的に利用できない (ソースコードを公開しなければならないため)
リチャード・ストールマンにより作成された
要約
プログラム著作物・その二次的著作物に、以下の4点に関して制限しない
ブログラムを実行すること
プログラムの動作を改変すること
複製物を再頒布すること
プログラムを改変・改良した箇所を公開・リリースすること
テンプレート
LGPL(GNU Lesser General Public License)
概要
コピーレフトのあるGPLに対して、LGPLは二次的著作物に関してソース公開の義務がない
LGPLとして作成したプログラム自体に関してのソース公開義務はある
企業利用にも使われる
フリーソフトウェア財団が作成している
要約
LGPLに従うライブラリを動的にリンクすればソースコードの公開義務が発生しない
著作権、ライセンスの表示をしなければならない
ソフトウェア実行時に著作権の表示がある場合、ライブラリの著作権も併せて表示する必要がある
テンプレート
MIT(MIT License)
概要
制限がゆるく 、自由度が相当高い ライセンス
1985年にマサチューセッツ工科大学が作成・公開された
要約
以下の条件を満たす限り、ユーザによるソフトウェアの自由な複製・配布・修正を
無制限・無償で許可 する。
著作権表示および許諾表示を、ソフトウェアのすべての複製または重要な部分に記載すること
本ソフトウェアは無保証のため、自己責任で使用すること
テンプレート
Apache License
概要
Apache License自体は制限がゆるいが
GPLと違い、Apache Licenseの二次的著作物はコピーレフトではない
そのため、Apache Licenseを使った二次的著作物のユーザは、Apache Licenseと同様のライセンスで使えない場合もある
Apacheソフトウェア財団が策定している
要約
以下の条件を満たす限り、ユーザによるソフトウェアの使用・頒布・修正・派生版の頒布を制限しない。
Apache Licenseのコードが使われていることを明示すること
再頒布する場合、変更を加えたファイルに、変更した箇所がわかるよう告知を入れること
テンプレート
CC(クリエイティブコモンズ)
概要
さまざまなレベルのライセンスの複合体
写真やロゴなどの創作物に多く適用されている
ローレンス・レッシグにより創立されCreativeCommons.orgにより策定されている
要約
表示
(このライセンス表示があるものは)もっとも自由度が高いライセンス
作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
改変・商用利用可
表示−継承
作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
元の作品と同じCCライセンスで公開すれば改変・商用利用可
表示−改変禁止
作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
改変しなければ商用利用可
表示−非営利
作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
非営利であれば改変可
表示−非営利−継承
作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
非営利で使用すること
かつ元の作品と同じCCライセンスで公開すれば改変可
表示−非営利−改変禁止
作品のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示すること
非営利で使用すること
元の作品を改変しないこと
※ 画像出典:CreativeCommons.jp
テンプレート
まとめ
GutHub、実は閉鎖的!?
プログラマでOSSの権威であるSimon Phipps(
@webmink )はエンジニアの
ライセンスに対する理解度の低さ を原因として、GitHubに深刻な問題が発生していると指摘しています。それは、GitHubに公開されているプロジェクトの
約半分 が「”
all rights reserved “(著作権放棄していません)」であること。(原文:
InfoWorld )
GitHubで一般公開されているにも関わらず、ライセンス的に開かれていないプロジェクトが、実はたくさんあるのです。いまやエンジニアにとって、
オープンソースライセンスは必須の知識 と言えるでしょう。
今こそオープンソースライセンスを見直す時!
めんどくさがらず、ぜひとも一度ライセンスについて見直してみましょう。ぜひとも同僚の方に教えてあげてください。
反響が大きければ、そのほかの各ライセンスの使い方も解説したいと思います。ぜひブコメなどで教えてください。
(執筆/編集
仁田坂淳史 )