銀座でいただくサンマ―メン、楽しみです!
日も短くなり、夜は冷え込むようになってきました。温かい食べ物が更においしく感じる気候ですね。さて、皆さんは「サンマーメン」という言葉をご存知でしょうか? 私も数年前、関東発祥のご当地ラーメンを調べている時に知った言葉です。サンマーメンとはざっくり言うと、もやしを中心とした野菜を片栗粉で溶いた餡で絡め、それをかけた麺料理です。神奈川県が発祥とされていて、神奈川の中華料理屋さんやラーメン屋さんではよく見かけます。しかし、東京ではそのメニューどころか名前も普及していないのです。ということで、今月は今の季節にぴったりなサンマーメンをご紹介します。
まず1週目のお店は銀座にある「日本橋よし町」です。人形町大勝軒が閉店した後、その味を再現したくて、現オーナーが銀座に復活させたお店だそうです。店構えは和食屋さんのようで、店内も落ち着いた雰囲気です。初めて来た時は「本当にここでラーメンが食べられるのかな?」と疑ってしまいました。店内の風情ある寄席文字で書かれたメニュー札がとても素敵です。
今回は「酸麻麺 もやしソバ」(1100円)をオーダー。しばらくすると平たいお皿にスープがなみなみと注がれた麺がやってきました。とろりとした餡がもやし、きくらげ、筍などの野菜、豚肉にたっぷりと絡んでいてとてもおいしそう。白いお皿に色とりどりの具が映えます。
まず一口。野菜にシャキシャキとした食感がしっかりと残っているのが絶妙です。
そして鶏ベースの醤油スープは、煮込む際にほとんど油を取っているので、あっさりとしていてしつこくありません。
また店内で作られる自家製の麺は、驚くほど細いのになかなか伸びることなく、最後までコシがあり「お見事!」と思ってしまいました。
餡にほんのりと塩味がついているので、醤油スープにだんだんと溶け込んでいく変化も楽しいです。餡のおかげでなかなか冷めないので、最後までアツアツでいただくことができました。
こちらのお店では麺やシューマイの皮など、全て手作りにこだわっているそうです。実はシューマイがかなりの人気だとか…。次回来たときにはラーメンと一緒に楽しみたいと思います。落ち着ける隠れ家のような雰囲気のこちらのお店は、まさに「大人の中華」でした。
- シューマイの皮同様、お店で作られている麺
- 寄席文字で書かれた品書き。美術画も店内に飾られていて、大人の雰囲気を演出しています
- この「中華」の文字でかろうじてラーメンが食べられると確認できました
- とても上品な味で、ペロリといけます