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　そう考えることができるようになったのは３球団を経験したからだ。上原は明かす。「同じチームにいたら気付かないですよ。やっぱりいろんなチームを経験しているからこそ。レッドソックスではメニューが与えられていて、トレーナーやトレーニングコーチと相談して、こうして行こうっていうのをキャンプ中に話をした。それはチームによって全然違う。同じチームにいたら同じことをずっとやっていると思う。移籍したことによって自分のパフォーマンスが発揮できたと思っていますね」

　２年前、電撃トレードが決まると、会見で涙をこぼした。実は会見直前に２年半一緒に戦ったオリオールズナインから「コージ、グッドラック」と声を掛けられ、熱いハグを交わしていた。仲間との別れが寂しかったのだ。今、どう振り返るのか。「必要とされて行ったわけですから、うれしかったですよ。でも、あの経験があるから今があると思う。やっぱり何ごとも経験しないと語れないわけやし。ああいう経験があったから、こういうふうに変えていこうって思える。その経験が生かせているかどうかは分からないですけどね。まあ、今年は確かにいいかもしれないですけど、じゃあ来年どうなるかっていうと分からない。ホントに、一日一日が勝負と思ってやっています」

　本拠地のファンが、最終回のマウンドに向かう上原に送る声援のボリュームは、かつての守護神パペルボンと比べても遜色ない、いや、それ以上のレベルに達している。

　だが、上原はあくまで冷静だ。「その結果、ファンに喜んでもらえたらいいとは思いますけど、（マウンドでは）自分の世界に入っていますから」
　プレーオフでの活躍が楽しみだ。

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