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俳人のEU大統領「松山訪問が楽しみ」
10月4日 4時23分

俳人のEU大統領「松山訪問が楽しみ」
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俳句をたしなむことで知られるEU=ヨーロッパ連合のファンロンパイ大統領が2冊目となる句集を出版し、来月日本で開かれる首脳会議の際に、俳句の町として知られる松山市を訪れることを「楽しみにしている」と述べました。

俳句の愛好家として知られるファンロンパイ大統領は3年ぶりに、2冊目となる句集を出版することになり、3日にベルギーの首都ブリュッセルにある日本大使公邸で句集の発表会が開かれました。
この席でファンロンパイ大統領は、「多くの人からの励ましもあって2冊目の句集がまとまった。俳句は私の人生そのものです。来月の首脳会議の際、世界的に俳句の首都と知られる松山市を訪れることを楽しみにしている」とあいさつしました。
出版された句集には、ファンロンパイ大統領が信用不安の対応に追われた激動のこの3年間で詠んだ34の句が季節ごとにまとめられ、オリジナルのオランダ語から英語、フランス語、ドイツ語それに日本語に訳されています。

東日本大震災の直後に詠んだ句です。
「三災後 仁愛の風 流れ込む」。
地震と津波、それに原発事故という3つの災難に襲われた被災地に向けて世界中で支援の輪が広がったことを詠んでいます。
また、EU大統領としての業務に忙殺されている間に移り変わる自然の姿を詠んだ句では、「めきめきと 麦伸ぶるなり 我多忙」と詠んでいます。
ファンロンパイ大統領は、「俳句は静寂な環境でないと詠むことが出来ないが、俳句を詠むことで心の平穏を作り出すことが出来る」と述べ、激務の中で俳句が心の支えになっていることを明らかにしました。

オランダ語の17音節を翻訳

ファンロンパイ大統領の俳句を日本語に訳したルーヴァン・カトリック大学のウィリー・ヴァンドゥ・ワル教授は、「オランダ語で17音節の句を17文字の日本語にするには内容を簡潔にする必要があり、工夫がいった。大統領の句では経済危機といったテーマは直接は扱っていないが、さみしさとか悲しさといった感情を盛り込んでいる俳句もあり、その中には直接・間接的に、環境とか社会的な情勢も反映されていると解釈しています」と話していました。

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