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JR東日本は、2015年3月に予定する長野―金沢開業後の北陸新幹線の路線表記について「北陸(長野経由)」とする方針を固めた。2日、正式発表する。北陸新幹線の一部区間として1997年10月に開業した長野―東京間の路線表記は「長野新幹線」で、呼称としても定着しているため、「長野」の表記を残す方向で検討していた。同社幹部は「首都圏の利用者が誤って乗車することのないように、分かりやすさを優先した」としている。新たな表記は、首都圏を中心に同社の駅での案内表示などに使う。
JRは延伸後の運行形態として、金沢―東京間で長野など主要駅だけに停車する「速達型」と「各駅停車型」などに加え、現行の長野新幹線と同じ長野駅発着で東京と行き来する便を存続させることも決め、同日発表する。また、現行の列車名「あさま」についても存続させ、5月末から6月まで実施した公募の結果とともに金沢発着の速達型、各駅型にそれぞれ採用する列車名と合わせて、月内に正式発表する方針だ。
金沢延伸後の路線呼称をめぐり、長野県内の経済団体には「北陸長野新幹線」といった呼称を念頭に「長野」存続を求める声も出ていた。JRが「北陸(長野経由)」としたのは「延伸後の路線名は正式名称の北陸新幹線が基本」とする富山、石川県など北陸地方の意向にも配慮した結果とみられる。
上越妙高駅(新潟県上越市)以西の営業主体となるJR西日本は、北陸地方など同社管内の駅では「北陸新幹線」のみの路線表記とする方針だ。
阿部守一知事や県内経済団体代表らは7月末、JR東の冨田哲郎社長に金沢延伸後も、定着している「長野」の路線呼称を案内方法として残すよう要請していた。