九州の中の韓国、歩いて探そう 総領事館が企画「市民と意見交換の場に」
駐福岡韓国総領事館は朴鎮雄(パクジンウン)総領事が日本の市民と一緒に、九州に点在する韓国ゆかりの地をめぐるツアーを5日から始める。初回は、韓国で人気のトレッキングコースの手法を取り入れた佐賀県武雄市を訪問。今後、朝鮮陶工の李参平を陶祖とする有田焼の地元、同県有田町などを回る。朴総領事が訪問先と朝鮮半島の関係について説明し、日本の人々と意見交換する場にしたい考えだ。
同総領事館は「古来、朝鮮半島と活発に交流してきた九州には、関連した名所が多数点在している」とツアーを企画。日本と韓国の外交関係が冷え込む中、総領事ら韓国の外交官が現地に足を運び、市民と両国関係の将来を考える狙いがある。
5日は、韓国の文化や旅行に関心がある人々の親睦団体「日韓交流博多会・ナドリ倶楽部(クラブ)」(坂口隆義会長)の会員らが参加し、トレッキングコース「九州オルレ武雄コース」を歩く。オルレは韓国の済州島の人気トレッキングコースの愛称。この「済州オルレ」をモデルに、九州観光推進機構は、武雄などの8コースを「九州オルレ」として設定済みだ。
今後、ツアーは公募で40人程度を集めて、福岡市発着のバスツアーとして続ける方針。有田町や古代国家百済の武寧王(ぶねいおう)の生誕地とされる同県唐津市の加唐島などを予定しており、佐賀以外の九州各県での開催も検討中。
朴総領事は「韓国との歴史的なゆかりや、オルレのような現代的なつながりに基づき、若い世代の交流の活性化につなげたい」と話している。
=2013/10/04付 西日本新聞朝刊=