大阪都構想:効果額 年間最大100億円減少も
毎日新聞 2013年10月02日 23時20分(最終更新 10月02日 23時25分)
大阪府と大阪市が今年8月に公表した大阪都構想の効果額が年間最大976億円から94億円減る可能性があることが分かった。2日の市議会決算特別委員会で多賀谷俊史・自民市議が指摘した。
市は過去10年間の実績などから地下鉄への将来の補助金を年平均200億円と見込み、民営化によって全額削減できるとしていた。しかし、市議は市が作成した資料を基に「地下鉄建設工事のあった過去10年間とは違い、将来の補助金は年平均106億円」と試算した。市は「精査したい」としている。
効果額976億円の内訳は、地下鉄民営化275億円▽職員減270億円▽ごみ収集民営化79億円−−など。このうち効果額が最も大きい地下鉄民営化について市議が質問した。
市によると、地下鉄の275億円の内訳は、民営化後に市に納められる固定資産税などが50億円、株式の配当金が25億円。残り200億円は過去10年間に市が地下鉄事業に費やした補助金や出資金の平均額だった。
市議は「過去10年間の補助金には(2006年開業の)今里筋線の建設工事費なども含まれ、今後の比較にはできない」とし、民営化しなかった場合の15年度から10年間の補助金は市の見通しのほぼ半額の106億円で済むと指摘した。
橋下徹市長は報道陣に「民営化は、いくら節約したかという話ではない。サービス向上など計り知れない効果がある」と強調した。【村上尊一、重石岳史】