「校内で生徒とマージャンをしていた」などと誤った発表をされ、名誉を傷つけられたとして、大阪市立中学校の男性教諭が3日、市に慰謝料など660万円の支払いと謝罪広告の掲載を求める訴えを大阪地裁に起こした。
マージャン問題、市「事実無根」と訂正市監察部によると、今年2月にこの教諭についての匿名のメールが市の公益通報制度の窓口に寄せられた。その調査結果を5月に発表する際、「教諭が校内にソファや冷蔵庫などを持ち込み、ほとんど毎週末、生徒とマージャンをするとともに、月に数回宿泊していた」と説明した。
だがその後、学校側の抗議を受け再調査し、6月19日に結果を公表。当初の発表は校長の聞き取りだけで、教諭から直接聞き取らなかったと明らかにした上で、「校内で教え子とマージャンをした事実は認められなかった」と訂正し、「確認不足で誤った公表をした」と謝罪した。
訴状で教諭側は、誤発表が「教員として著しく不適切な人物との印象を与え、社会的評価を低下させた」と主張。市に対し、「大阪市政だより」と全国紙5紙に謝罪広告を載せるよう求めている。
市監察部は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
橋下徹大阪市長は3日、報道陣に「(市監察部の)事実認定の仕方は非常に甘かった。名誉を傷つけたなら賠償責任は果たさなければならず、きちんと司法に判断してもらう」と話した。(岡本玄)
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〈「校内マージャン」誤発表問題〉 「男性教諭が校内で生徒とマージャンをしていた」とする大阪市監察部の5月の発表内容は、翌月になって二転三転した。6月5日に「『生徒』としたのは『元教え子』だった」と一部を訂正。さらに再調査の結果、そもそも校内でマージャンをした事実がなかったと2週間後に再訂正するなど、調査のずさんさが明らかになった。朝日新聞は当初、「生徒と校内マージャン」などの見出しで市の発表内容を報道。その後の最終的な発表を受け、校内マージャンは事実無根だったとする記事を掲載した。