ポリ袋虐待死:母に猶予判決 東京地裁
毎日新聞 2013年10月03日 19時28分(最終更新 10月03日 21時33分)
東京都目黒区の自宅で昨年、三男(当時5歳)にポリ袋をかぶせ死亡させたとして、傷害致死罪に問われた母親の会社員、重田史都(しづ)被告(42)の裁判員裁判で、東京地裁は3日、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役4年)の判決を言い渡した。田辺三保子裁判長は「社会から許されたと受け止めず、社会の中で反省してほしい」と説諭した。
重田被告は起訴内容を認めており、争点は量刑に絞られていた。田辺裁判長は、被告が▽夫の会社の経理事務や家事、育児を一手に引き受け、夫の病気も重なった▽睡眠導入剤とアルコールを併用したため判断能力が低下していた−−と指摘。「慕っていた被告に窒息させられた三男の苦痛は想像を絶するが、被告は肉体的、精神的に追い詰められていた。事件を強く後悔しており、残された子どもも帰宅を願っている」と述べた。
閉廷後の記者会見で補充裁判員を務めた男性は「被告は暴行を加えた加害者であり、実の子を亡くした被害者でもある。どういう量刑が良いか、今までにないくらい考えた」と振り返った。
判決によると、重田被告は2012年9月、ゲーム機で遊ぶことにこだわっていた三男の手足をひもでしばって口などに粘着テープを貼り、ポリ袋をかぶせるなどして死亡させた。【山本将克】