自民党は３日、「憲法と安全保障」をテーマに党本部で全議員向けの研修会を開いた。集団的自衛権の憲法解釈など、新人議員らが複雑な憲法論議についていけず混乱を招く事態を懸念しているため。「憲法・自衛隊に関する一般常識」と題した初回は、出席した約７０人に初心者向けの資料を配るなど、手取り足取りの「教育」に乗り出した。

　資料は、「自衛隊は憲法上は軍隊だ」「日本は憲法上、核武装は禁止されている」などのクイズを出題（解答は「いいえ」）。一つ一つの項目を詳しく解説し、「国民を守る議論に観念論は不要だ」などと、「右傾化」批判も意識して議員が地元などで説明しやすいよう配慮している。

　研修会では安全保障担当の党職員が「自衛隊は憲法上、軍隊ではないが国際法上は軍隊」などと説明した。次回は集団的自衛権と集団安全保障をテーマとし、安保分野に精通する石破茂幹事長が自ら講師を務めることも検討する。【横田愛】