【NQNニューヨーク=岩切清司】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落した。終値は前日比58ドル56セント(0.4%)安の1万5133ドル14セント。下げ幅は一時150ドルに迫った。2014会計年度の暫定予算を巡る与野党対立が収まらず、政府機関の一部閉鎖が長引くとの警戒感が浮上した。米経済指標が市場予想に届かなかったことも売り材料視された。
政府機関の一部閉鎖が始まった前日の市場は冷静さを保ったが、2日目に入っても与野党協議に進展は乏しかったことが嫌気された。政府閉鎖は数日など短期間で終了するとの見方が市場に多かっただけに、長期化を警戒する売りが出た。17日にも合意期限を迎えるとされる連邦政府の債務上限問題についても与野党の交渉が難航するとの見方につながった。
米民間雇用関連サービス会社が発表した9月の「ADP全米雇用リポート」は、非農業部門の雇用者数(政府部門除く)が前月比16万6000人増えた。増加幅は市場予想を下回り、8月分は下方修正された。米労働市場の先行き不安も株式相場の下押し圧力になった。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長はセントルイスで開いた地方銀行関連の会合の冒頭であいさつしたが、金融政策などに言及せず、相場への影響は限られた。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反落。前日比2.96ポイント(0.1%)安の3815.02となった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「電気通信サービス」や「資本財・サービス」を中心に6業種が下落。「エネルギー」や「素材」などが上げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約6億9000万株(速報値)、ナスダック市場は約17億4000万株(同)。
6~8月期決算で最終赤字が拡大した種子・農業製品のモンサントが下げた。アナリストが投資判断を引き下げた非鉄のアルコアも安い。航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズやクレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)も売られた。
一方、マイクロソフトが6日続伸した。一部の上位株主がビル・ゲイツ会長の退任を取締役会に要求していると伝わった。金融大手のJPモルガン・チェースやゼネラル・エレクトリック(GE)も高い。
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