甲賀市の中嶋武嗣市長は二日の定例会見で、台風18号で鉄橋が崩落した信楽高原鉄道について「(復旧の)費用が算出された段階で最終的な決断をしなければならない」と述べ、鉄道の存廃を検討する可能性を示唆した。
ただ「復旧して運行する手段を第一に考える。国・県にも支援を求める」と強調。工法や費用の調査に要する期間は未定で、判断の時期も明らかにしなかった。
市によると、杣(そま)川の鉄橋の橋脚一本と橋げたが損壊。最低限の復旧費を約三億五千万円と試算するが、橋全体の改築が必要になる場合もあり総額は不透明だ。
鉄道は今年四月、市が施設を維持管理する「上下分離方式」に移行。このため、国や県の支援次第で市が多額の負担をしなければならなくなる。市幹部は「市の財政負担に耐えられない額なら廃線は選択肢の一つ」としている。
中嶋市長は九月下旬、国土交通省に太田昭宏国交相を訪ね、鉄道復旧に向けた支援を要請した。
(小川直人)
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