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アニメ監督・森本晃司さん 舞台に挑戦
10月1日 11時19分

アニメ監督・森本晃司さん 舞台に挑戦

鮮烈な映像美の作品の数々で、アニメーションの第一線で活躍を続ける監督の森本晃司さんが、初めて小劇場の舞台演出に挑戦することになりました。
「人間の新たな進化」をテーマに芝居と映像を融合した作品で、舞台のネット中継や、制作費をクラウドファンディングの手法で調達することなどでも、注目を集めそうです。

アニメーションから舞台へ

アニメーションから舞台へ

アニメーション監督の森本晃司さん(53)は、大友克洋さんと組んだオムニバス映画「MEMORIES」の短編「彼女の想いで」や、ケン・イシイさんのミュージックビデオ「EXTRA」など、鮮烈な映像美の作品の数々で国内外から高い評価を受けています。
日本を代表するアニメーター、演出家の1人として30年以上のキャリアを持つ森本さんが今回初めて挑戦したのが、小劇場の舞台演出です。
劇団「ムシラセ」を主催する新進劇作家の保坂萌さんと組んだオリジナル脚本で、12月の上演に向けて準備が進んでいます。

テーマは「新しい進化」

上演作の「羊人間012」は、「もし今と違う職業に就いていたらどうだったろう?」という日頃の思いから出発したという、SFやミステリーにコメディーの要素も盛り込んだ群像ドラマです。登場する11人の男女は、いずれもひとりの人物が分裂して生まれた「分裂人間」たち。年齢や職業もさまざまな11人がある日集まって近況などを話しますが、やがて「この中で誰を残して誰が消えるか」というテーマを巡って葛藤が生じていきます。
「新たな人間の進化を描きたいと思った」と語る森本晃司さん。作品の構想は平成15年に公開された「アニマトリックス」のころからあったということです。
「もともと安部公房や寺山修司さんなど、不条理の中に明るさがある作風が好きで、今回も普遍的なドラマに人間の愚かさなどを交えて明るく描ければと思っています。深刻になりそうなネタですが、なるべく明るくエンターテインメントにしたい」と話しています。

50歳過ぎの挑戦

50歳過ぎの挑戦

舞台には俳優たちの芝居とともに実写の映像を投影し、森本さんならではの映像美と芝居とを融合させた作品になるということです。また、舞台の様子をネットで中継することや、制作費の一部をインターネットを通じて多くの人に募る「クラウドファンディング」方式で調達するなど、新たな手法でも注目されそうです。
「アニメーションの世界と違って舞台は『なま物』で、どんどん変化していく。きっちりシナリオがあって1字1句変えないという世界ではなくて、役者とのキャッチボールで変えていく作りかたが新鮮でおもしろい。今回のやり方を、これからの物作りにも取り入れていければと思っています。」(森本晃司さん)
森本さんは高校生のときには演劇部に所属していたということで、「以前から舞台への意欲はありましたが、企画が通りませんでした。50歳を過ぎて出直すのもいいかな」とおだやかに笑いながら語っていました。
舞台はことし12月7日(土)~16日(月)まで、東京・新宿区の新宿サンモールスタジオで上演されます。

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