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米どころ宮城の代名詞 ササニシキ50歳、復権へ
 | 稲穂が垂れる収穫目前の時期のササニシキ。来年は作付面積を拡大する=大崎市古川 |
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減産が続くコメ品種「ササニシキ」の復権を目指し、宮城県大崎市の古川農協が来年の作付け増に取り組み始めた。ことしはササニシキが宮城県古川農業試験場(大崎市)で1963年に誕生してから50年に当たる節目。他のブランド米に押され気味だが、全国には「昔ながらの味」と再評価する動きもある。同農協は米どころ宮城の代名詞の復活を目指し、生産拡大に乗り出す。
◎変わらぬ味全国再評価
古川農協は今月、管内143カ所で集落座談会を開き、「ササニシキ復活に向けて!!」と題したチラシを生産者に配布した。条件付きの奨励金も用意し、作付け増への協力を呼び掛けている。
同農協でササニシキの生産が盛んだったのは80年代〜90年代初め。ピーク時の作付面積は約4000ヘクタールあり、管内の大半を占めた。
93年の大冷害でササニシキが壊滅的な打撃を受けた後、生産者は耐冷性の「ひとめぼれ」を好み、ササニシキ離れが進んだ。ことしの作付面積は約300ヘクタールまで減っているものの、「おいしいコメだから生産をやめたくない」という農家は多いという。
同農協が安定的な供給先を探していたところ、交流のある関西の米穀卸業者から昨年、「ササニシキを売りたい」と話があった。
竹中莞爾組合長や生産者らは6月、生活協同組合コープこうべ(神戸市)の10店舗でササニシキの販売キャンペーンを展開。買い物客からは「懐かしい」などと好評で、ササニシキが精米ベースで28トン売れた。
管内の本年産ササニシキの収穫見込みは約1500トン。東京や地元のすし店など固定客への出荷分を考慮し、コープこうべには年間300トンの供給からスタートし、順次増やしていく考えだ。
来年の生産量は約2000トンを目標にする。大崎市が東日本大震災復興交付金で建設中のカントリーエレベーターの管理を受託する予定で、ササニシキの乾燥貯蔵に活用する。同農協営農販売部の大柳浪治部長は「ササニシキはあっさりして飽きない、昔ながらの味。残したい味だ。ササ誕生の地で、来年は100ヘクタールほど作付けを増やしたい」と話している。
2013年09月29日日曜日
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