自宅で女児にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた埼玉県越谷市消防本部職員(休職中)の男性(59)の判決が2日、さいたま地裁越谷支部で開かれ、梶直穂裁判官は、無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。
男性は2011年7月9日、自宅に遊びに来た女児2人(いずれも当時10)に、マッサージを装ってわいせつな行為をしたとして、昨年7月に起訴された。男性は取り調べ段階から一貫して否認していた。
判決は、尻などにわいせつ行為をされたとの2女児の証言について、(1)そばにいた女児が互いにわいせつ行為を受けた様子や、抵抗した声などを見聞きしていない(2)マッサージの後も男性宅でテレビを見るなどして過ごしていた――などを挙げ、「供述に不自然な点が存在し、信用性に疑問が残る」と指摘。「女児の証言が唯一の直接証拠で、その証言に疑念が拭えない以上、犯罪の証明がない」とした。
男性の弁護人は「当然の判決。検察は男性の主張を全く聞かず、起訴ありきで進めていた」と語った。さいたま地検の千葉雄一郎次席検事は「判決内容を精査し、上級庁と協議の上、適切に対処したい」とコメントした。