AF感度に注目するのは、AF速度やAF精度の基礎となるものだからです。どんなにAFが早く精度が高くても十分なコントラスや照度がなければ合焦できないAFはその性能を活かせないからです。
小倉チャートAパターンでは、キヤノン EOS 1Ds Mark Ⅲを除き、-2〜-3EVの暗い環境でも合焦します。しかし白黒のパターンである被写体はパンダやシマウマのイラストを撮る写真家以外 (^^;) にはあまり意味がありません。より低コントラストなCパターンからが実用AF感度です。
ニコンのマルチCAM 3500FX/DXモジュールが優秀であることが浮き彫りになっています。
また、ニコン D600とD800(D300やD700)の測定結果は使用時の実感が一致し、低コントラストで低照度な被写体はニコン D800(D300やD700)に比べニコン D600がやや低い結果でした。
ニコン D7000は正直こんなものだと思います。ひとつのAFポイントの感度は低いですがクラス最高の高密度なAFにより隣接する9点がエリアサポートする方式です。
FXフォーマットのニコン D700とDXフォーマットのニコン D300とのモジュールの差は無いことを示しています。
これによりニコン D7100に搭載されたアドバンスト「マルチCAM 3500DXオートフォーカスセンサーモジュール」は検出範囲が -2~+19 EVでありニコン D800と同等の性能を持つことが推測できます。
よって、ニコン D7000の弱点であったAF感度はニコン D7100で解消されデジタル一眼レフ最高のAF性能を持つと言えます。
検出範囲はメーカーが公表している値
AF感度 フルサイズセンサー搭載カメラ
一眼レフではないがソニー Cyber-shot RX1を追加した。コントラストAFでは横線は検知できないようだ。
順位 | カメラ | AF検出範囲 (公称値) |
実測値 | 総合 評価 |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
センサー | A | B | C | D | E | F | G | ||||
1 | ニコン D800 アドバンスト マルチCAM 3500FX |
-2〜+19 | 縦 | ▲3 | ▲3 | ▲2 | ▲3 | ▲3 | ▲1 | × | ▲6.5 |
横 | ▲1 | ||||||||||
2 | ニコン D700 マルチCAM 3500FX |
-1〜+19 | 縦 | ▲3 | ▲1 | 0 | ▲1 | ▲1 | 0 | 5 | ▲1.0 |
横 | |||||||||||
3 | キヤノン EOS 5D Mark Ⅲ | -2〜+18 | 縦 | ▲3 | ▲2 | 0 | ▲1 | ▲1 | 0 | × | 1.0 |
横 | |||||||||||
4 | ニコン D600 マルチCAM 4800FX |
-1〜 +19 | 縦 | ▲2 | 0 | ▲2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 3.5 |
横 | 1 | ||||||||||
キヤノン EOS 6D | -3〜+18 | 縦 | ▲3 | ▲1 | 1 | 0 | 0 | 1 | × | 3.5 | |
横 | ▲1 | ▲1 | 0 | ||||||||
6 | キヤノン EOS 1Ds Mark Ⅲ | -1〜+18 | 縦 | ▲2 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 4 | 8.0 |
横 | ▲1 | 1 | 1 | 2 | |||||||
7 | キヤノン EOS 5D Mark Ⅱ | -0.5〜+18 | 縦 | ▲2 | 0 | 2 | 1 | 1 | 2 | × | 11.5 |
横 | 1 | ||||||||||
8 | ソニー Cyber-Shot RX1 | 非公開 | 縦 | ▲3 | ▲3 | ▲1 | ▲3 | ▲2 | 1 | × | 44.0 |
横 | × | × | × | × | × | × |
AF感度 APS-Cフォーマットセンサー搭載カメラ
順位 | カメラ | AF検出範囲 (公称値) |
実測値 | 総合 評価 |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
センサー | A | B | C | D | E | F | G | ||||
1 | ニコン D300 マルチCAM 3500DX (D7100と同じ) |
-1〜+19 | 縦 | ▲2 | ▲2 | 0 | ▲1 | ▲1 | 0 | 4 | ▲1.5 |
横 | ▲1 | ||||||||||
2 | ニコン D90 マルチCAM 1000 |
-1〜 +19 | 縦 | ▲3 | ▲1 | 0 | ▲1 | ▲1 | 0 | × | 2.0 |
横 | |||||||||||
3 | キヤノン EOS 60D | -0.5〜+18 | 縦 | ▲3 | ▲1 | 2 | 0 | 0 | 2 | 4 | 4.0 |
横 | 1 | 5 | |||||||||
4 | キヤノン EOS 7D | -0.5〜+18 | 縦 | ▲3 | ▲1 | 1 | 0 | 0 | 1 | × | 6.5 |
横 | 0 | ||||||||||
5 | ニコン D3100 マルチCAM 1000 |
-1〜+19 | 縦 | ▲2 | ▲1 | 2 | 0 | ▲1 | 1 | × | 8.5 |
横 | 3 | 1 | 0 | ||||||||
6 | ニコン D7000 マルチCAM 4800DX |
-1〜+19 | 縦 | ▲2 | 0 | 2 | 1 | 1 | 2 | × | 12.5 |
横 | 2 |
測定方法
- AFポイント中央を選択
- 「縦線検知センサー/横線検知センサー」値
- 使用レンズは50mm F1.4
- 被写体までの距離は2mメートル
小倉チャート
A:高コントラスト段差型チャート(白:黒)
B:白地に黒一直線(1mm幅)
C:灰色に白一直線(1mm幅)
D:灰色に黒一直線(1mm幅)
E:低コントラスト段差型チャート(輝度比 17:11)
F:低コントラスト段差型チャート(輝度比 17:13)
G:連続反射率変化チャート(AF視野両端輝度比 20:8)