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温暖化防止―後悔しない政策を早く

確信度は、95%。20世紀半ば以降に進んだ地球温暖化は、人間活動が主な要因であった可能性が「きわめて高い」。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1作業部会[記事全文]

認知症と賠償―家族を支える仕組みを

認知症の人が地域で暮らしていれば、徘徊(はいかい)は珍しくない。もし事故が起きたとき、責任を家族だけに負わせず、社会で担う何らかの仕組みが必要ではないか。[記事全文]

温暖化防止―後悔しない政策を早く

 確信度は、95%。20世紀半ば以降に進んだ地球温暖化は、人間活動が主な要因であった可能性が「きわめて高い」。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1作業部会が先週、6年ぶり5回目の報告書をまとめた。

 前回の報告書では、人間活動に伴う二酸化炭素など温室効果ガスの排出が温暖化を進めているとする主張に、批判が相次いだ。一部論文で間違いが見つかったことも疑念をよんだ。

 だが今回、懐疑論を乗り越えて、人類が温暖化を引き起こしていることを、より高い確信度によって指摘した。

 9千本以上の論文に基づく報告書案を、科学者1千人以上が点検した。現時点での公約数とも言うべき予測を示した意味は大きい。

 報告書によると今世紀末に最大で平均気温が4・8度、平均海面が82センチも上昇しかねない。高温や大雨、干ばつなど極端な気象現象も増えそうだという。

 3千メートルより深い深海でも水温が上昇している可能性が高い、などの新しい見解も盛り込まれた。海流の変化で大規模な異常気象を招くかも知れない。

 とり返しのつかない事態を避けるため、国際社会は気温上昇を産業革命前に比べ2度未満に抑えることを長期目標にした。だが、温暖化対策は停滞し、目標達成が難しくなりつつある。

 今回の報告書を踏まえて、11月にワルシャワで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議では、世界全体の温室効果ガス排出を一段と減らす方向で議論が進むだろう。

 各国政府は「将来、後悔しないための政策」を講じるという原点に戻り、個別利害を超えた地球益・人類益の実現に向けた交渉に力を入れるべきだ。

 その点で、日本政府が20年の排出削減目標を05年比6〜7%減程度で調整しようとしていることは不十分極まりない。これでは条約が基準とする90年水準より排出が増えかねない。

 鳩山政権は「90年比25%減」を国際公約した。事故で原発に期待できなくなったとはいえ、90年と同水準では無気力とのそしりをまぬがれないだろう。

 朝日新聞社主催の地球環境フォーラムで豪州の専門家は「子や孫が生きられる世界を残さないといけない。エネルギーや運輸のシステムを変えるには時間がかかる。いますぐ行動に移さないといけない」と語った。

 政府だけではない。世界の英知を集めた報告書を、企業や市民、自治体などさまざまなレベルで生かしていきたい。

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認知症と賠償―家族を支える仕組みを

 認知症の人が地域で暮らしていれば、徘徊(はいかい)は珍しくない。

 もし事故が起きたとき、責任を家族だけに負わせず、社会で担う何らかの仕組みが必要ではないか。

 愛知県内で列車にはねられ死亡した認知症の男性(当時91)の遺族が、振り替え輸送にかかった費用などの損害賠償として約720万円をJR東海に支払うよう裁判で命じられた。

 8月に名古屋地裁が出した判決は、介護の方針を決めていた長男に監督義務があるとし、死亡男性の妻(当時85)についても「目を離さず見守ることを怠った」と責任を認めた。

 一方、介護の関与が薄いきょうだいの責任は認めなかった。

 損害を受けた側を救済するため、民法の不法行為責任を根拠に、ここまで幅広い監督義務を家族に負わせるのは妥当なのだろうか。

 心配なのは、この判決がさまざまな介護現場の家族にもたらす心理的な影響だ。

 介護に深くかかわるほど、重い責任を問われる。それなら家族にとっては施設に入れた方が安心。施設としてはカギをかけて外出させない方が安全――という判断に傾きかねない。

 年老いても、住みなれた地域で人間らしく暮らせるようにするのが、この国の政策目標である。判決は、そこに冷や水を浴びせかけた。

 高齢者の介護で家族が大きな役割を果たしているのは事実である。だが、法的にどんな責任を負うのかは別の問題だ。

 家族に見守りの注意義務を厳しく求めるあまり、「何かあったとき責任を取りきれないから病院や施設に入れる」という状況をつくってはならない。

 家族の責任は、かねて精神障害者の処遇をめぐって議論を呼んできた。他人に対して危害を加えた障害者の家族に、多額の賠償責任を負わせる判決がいくつか出たからだ。

 損害を受けた被害者の救済は必要である。それと、高齢者や精神障害者が地域で人間らしく暮らすこととを調和させる手立てを講じたい。

 家族の責任を問う以外に、何らかの社会的なシステムをもうけるべきだ。

 たとえば犯罪被害者には給付金を支給する制度がある。知的障害者については互助会から発展した民間の賠償責任保険がある。参考になるだろう。

 要介護の認知症高齢者は、2010年時点で280万人。25年には470万人にまで増えると推計されている。事故への備えは喫緊の課題だ。

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