日本とロシアの外務次官級の協議が１９日モスクワで開かれ北方領土問題を巡る交渉の進め方などについて意見が交わされる見通しで、政府は、ことし秋から年明けにかけて、日ロ間の首脳会談や外相会談などを重ねることで、交渉を加速させたい考えです。 １９日、モスクワで開かれる次官級の協議には、日本から杉山外務審議官、ロシアからモルグロフ外務次官が出席します。 この中では、安倍総理大臣とプーチン大統領がことし４月、北方領土問題を巡る交渉を再スタートさせ、双方に受け入れ可能な形で最終的な解決を図り、平和条約の締結を目指すことで合意したことを踏まえ、今後の交渉の進め方などについて意見が交わされる見通しです。 また、石油?ガスなどのエネルギー協力や、極東?東シベリア地域の開発に向けた経済協力などを巡っても協議が行われる見込みです。 日ロ両政府は、１９日の外務次官級の協議に続いて、来月上旬にロシアのサンクトペテルブルクで開かれるＧ２０サミットに合わせて首脳会談を行うほか、ことし秋から年明けにかけて、ラブロフ外相と岸田外務大臣が日本とロシアを相互に訪れる方向で調整を進めていて、政府としては、さまざまなレベルで協議を重ねることで、北方領土問題を巡る交渉を加速させたい考えです。 連合は、任期満了となる執行部人事について、主要な労働組合の代表で作る委員会を設けて調整した結果、現在の古賀伸明氏を引き続き会長に推薦する方針を固め、ことし１０月の定期大会で古賀氏が３期目に入る見通しとなりました。 連合は、古賀会長の２期目の任期がことし１０月で満了となることから、主要な労働組合の代表で作る「役員推せん委員会」を設けて、執行部人事の調整を進めてきました。 その結果、「古賀会長が続投に意欲を示しており、重く受けとめるべきだ」などとして、主要な労働組合が候補者を擁立する動きもなかったことから、古賀氏を引き続き会長に推薦する方針を固めました。 古賀氏は電機連合出身で６１歳。 古賀氏としては、支援してきた民主党が政権を失い、野党に転落する中、連合が掲げる「働く人を軸にした安心社会の実現」に引き続き取り組みたいとして、会長にとどまることを判断したものと見られます。 連合会長の任期は、２期４年が通例で、３期目に入るのは異例です。 また、「役員推せん委員会」は、新しい事務局長に、鉄鋼や造船など金属産業の組合で組織する基幹労連の神津里季生?委員長を推薦する方針を固めました。 これらの人事は、１０月の定期大会で正式に決まる見通しです。 自民?公明両党は、国会審議の在り方を巡って、「総理大臣や閣僚が国会審議に縛られ過ぎれば国益を損なう」として、副大臣の活用など、日本維新の会がまとめた改革案を基に野党側と協議を進め、来年の通常国会が始まるまでに結論を得たい考えです。 国会審議の在り方を巡って、自民?公明両党は、「総理大臣や閣僚が国会審議に縛られ過ぎれば、必要な海外出張ができないなどの支障が出て国益を損なう」として、野党側に協議を呼びかけることにしています。 自民?公明両党としては、副大臣を「閣外大臣」として位置づけ、国会審議でより活用するなどとした改革案を、日本維新の会がすでにまとめていることから、この案を基に野党側と協議を進め、来年の通常国会が始まるまでに結論を得たい考えです。 これに対し日本維新の会も自民?公明両党と協力して、国会審議の在り方の見直しを急ぎたいとしています。 ただ野党側には、「総理大臣や閣僚への質問時間を十分に確保できなくなるおそれがある」という懸念も根強くあるため、自民?公明両党は、各党の意向にも配慮しながら意見集約を図ることにしています。 内閣官房参与を務める静岡県立大学の本田悦朗教授は、ＮＨＫの日曜討論で、消費税率を予定どおり来年４月に８％へ引き上げれば、デフレからの脱却の妨げになりかねないとして、時期を１年間程度、先に延ばすか、毎年１％ずつ引き上げることが望ましいという考えを示しました。 この中で、本田内閣官房参与は、来年４月に予定されている消費税率の８％への引き上げについて「足元の経済指標の数字は悪くないが、これをもって消費税率を引き上げるのは懐疑的だ。デフレから脱却しつつあるときに増税するのはいかにもタイミングが悪い。できたら１年間待ってほしい」と述べました。 そのうえで、本田参与は「１年間増税を先延ばしすると、財政の健全化に疑念が生じるおそれもある。１％ずつ５年間かけて税率を上げることができれば、安定したインフレが実現できる」と述べ、消費税率を８％へ引き上げる時期を１年間程度、先に延ばすか、毎年１％ずつ引き上げることが望ましいという考えを示しました。 政府内では、麻生副総理兼財務大臣が消費税率の引き上げは国際公約だとして、予定どおり来年４月に８％へ引き上げるべきだとしている一方、本田氏のように慎重な対応を求める意見もあり、安倍総理大臣は、今後発表される経済指標や有識者らの意見も踏まえ、秋の臨時国会までに最終判断する方針です。 復興庁は、事業者に税制上の優遇措置を認める「復興特区」の制度について、震災からの５年間で、被災者の雇用がおよそ７万５６００人見込まれるなど効果を上げているとして、積極的に活用するよう呼びかけていくことにしています。 政府は、東日本大震災からの復興を支援するため「復興特区」の制度を設け、被災者を雇用したり、設備投資を行ったりした事業者を対象に、法人税の軽減など税制上の優遇措置を認めています。 復興庁によりますと、こうした税制上の優遇措置を受けているのは、ことし６月末の時点で、青森、岩手、宮城、福島、茨城の５つの県で、合わせて１５５０の事業所となっています。 そして、これらの事業者が提出した事業実施計画をまとめたところ、震災からの５年間で、被災者の雇用がおよそ７万５６００人、設備投資はおよそ１兆７００億円見込まれるとしています。 このため復興庁は、事業者に税制上の優遇措置を認める「復興特区」の制度について、被災者の雇用や設備投資の促進に効果を上げているとして、積極的に活用するよう呼びかけていくことにしています。 自民党は、来年度予算案の概算要求を巡って、先の参議院選挙の公約で打ち出した、雇用対策や中小企業の支援策などを優先して盛り込むよう、各省庁に求めていく方針です。 政府の来年度予算案の概算要求基準では、成長戦略や防災対策などの重点政策は、「優先課題推進枠」を新たに設け、最大で３兆５０００億円規模の要求を各省庁から受けるとしています。 これについて、自民党は、先の参議院選挙で公約として打ち出した、雇用対策や中小企業の支援策、それに、大規模災害に備えた社会資本整備などを優先して概算要求に盛り込むよう、各省庁に求めていく方針です。 概算要求は今月末が締め切りで、自民党では、今週から、政務調査会の各部会ごとに、概算要求への盛り込みを求める政策の絞り込みや、実現を求める優先順位などについて本格的に検討することにしています。 エジプトで、事実上のクーデターに抗議するデモ隊と治安部隊との間で衝突が起き、多数の死傷者が出ていることを受け、外務省は、エジプト全土を対象に新たな危険情報を出し、渡航の延期に加え、滞在中の人にも早期の国外への退避を検討するよう求めています。 外務省が出した危険情報によりますと、軍による事実上のクーデターが起きたエジプトでは、クーデターに抗議するデモ隊と治安部隊との間で衝突が起き、多数の死傷者が出ており、今後、治安がさらに悪化して、社会的混乱が拡大することも懸念されるとしています。 このため外務省は、エジプト全土を対象に「どのような目的であれ渡航を延期することを勧める」としてきた危険情報の段階をさらに引き上げて、エジプトに滞在中の人にも「事情が許す限り早期の国外への退避を検討してください」とする新たな情報を出しました。 外務省は、やむをえない理由で渡航?滞在する場合は、不測の事態に巻き込まれないよう最新の情報の入手に努めるとともに、極力外出を控えるよう求めています。 エジプトで、デモ隊と治安部隊との衝突で８００人以上が死亡するなか、ファハミ外相はデモ隊に対してあくまでも厳しい姿勢で臨む考えを示し、１８日に呼びかけられている大規模なデモでさらなる流血の事態が懸念されます。 エジプトでは、事実上のクーデターで大統領職を解任されたモルシ氏の出身母体、ムスリム同胞団を中心とするデモ隊と治安部隊との衝突が各地に拡大し、死者の数は８００人を超えています。 こうしたなか、エジプトのファハミ外相は、１８日、記者会見を行い「今、起きているムスリム同胞団らによる暴力や犯罪を見過ごすことはできない」と述べ、デモ隊に対してはあくまでも厳しい姿勢で臨む考えを示しました。 そのうえで、多数の犠牲者が出ていることに国際社会の批判が高まっていることについて、ファハミ外相は「エジプトの主権の問題だ」と述べて、国際社会の動きは内政干渉に当たるとけん制しました。 首都カイロでは、１４日の強制排除によって２つの広場で３００人以上が死亡しているほか、１６日から１７日にかけても、モスクに立てこもった数百人のデモ隊と治安部隊の間で銃撃戦になるなど激しい衝突が続いています。 ムスリム同胞団は１８日も全土で大規模なデモ行進を呼びかけていて、強硬な姿勢を崩さない治安部隊との衝突でさらなる流血の事態が懸念されます。 中国で一時、最高指導部入りの可能性も指摘されながら失脚し、収賄などの罪に問われている薄煕来元重慶市書記の初公判が、今月２２日に開かれることになりました。 内陸部重慶市の薄煕来元書記は、中国共産党の高級幹部の子弟グループ、いわゆる「太子党」の代表格の１人とされ、一時は最高指導部入りの可能性も指摘されましたが、妻が殺人事件に関与するなどスキャンダルが次々と発覚して失脚したうえ、自身も先月、収賄や横領などの罪で起訴されました。中国国営の新華社通信は、山東省済南市の裁判所が１８日、薄被告の初公判を今月２２日に開くと発表したと伝えました。 薄元書記は重慶市で暴力団の大規模な取り締まりや低所得者に手厚い政策を進めたことから、世論の一部に根強い支持があるとされ、党内でも薄元書記の刑事責任をどの程度問うべきかについて、長く意見がまとまらなかったと指摘されています。 起訴内容は公にされていませんが、ことし３月に本格的に始動した習近平指導部は、国民が強く不満を持っている党の幹部の汚職に厳しく対処する方針を強調していることから裁判の行方が注目されます。 K10038460111_1308181310_1308181324.mp4 木くずなどを燃料とするバイオマス発電は、コストが高く普及が難しいとも指摘されていましたが、国が再生可能エネルギーによる電力の買い取り制度を整備したことなどで、この分野に参入する企業が増えており、普及に期待が高まりそうです。 バイオマス発電は、燃料となる植物が二酸化炭素を吸収することから、国際的に二酸化炭素を排出しない発電とされ注目されていますが、高いコストや採算性が課題だと指摘されていました。 しかし、去年７月から電力買い取り制度が始まり、石油元売り大手の「昭和シェル石油」は採算性に一定のめどが立ったとして、１６０億円をかけ、川崎市にある製油所の跡地に、発電能力が４万９０００キロワットと国内最大規模のバイオマス発電所を新たに建設することを決めました。 また大手製紙会社の「王子ホールディングス」は、これまで利用されていなかった間伐材などを使った大型のバイオマス発電事業を、静岡県と宮崎県、それに北海道で再来年から始めることにしています。 原子力発電所の運転が停止するなか、電力買い取り制度の後押しや新たな収益につなげたいというねらいもあって、バイオマス発電事業への企業の参入が増えつつあり、普及への期待が高まりそうです。 厳しい暑さが続くなか、家庭で飲む缶ビールの売れ行きが好調ですが、この夏は、景気回復の期待感も加わって「外国産」や「地ビール」といった値段の高いビールの販売が大きく伸びています。 観光地などで販売される「地ビール」を扱うスーパーの「成城石井」では、３３０ミリリットルで３９９円という茨城県の酒蔵が作ったビールなど、３００円から４００円程度の「地ビール」の売り上げが伸びています。 先月の売り上げは、そのほかのビールがほぼ前年並みであるのに対して、各地の地ビールは１年前よりも３０％増えました。 ２０代の男性客は「これまでは１００円台の安いものを買っていましたが、最近は高級ビールを飲みます」と話していました。 一方、デパートの「そごう?西武」では、国産のビールと比べて価格が２倍から３倍になる「輸入ビール」の売れ行きが伸びています。 西武池袋本店の場合、先月の輸入ビールの売り上げは、１年前と比べおよそ３０％増えており、５００ミリリットルで９８０円というイギリス産のビールなどがよく売れているということです。 この店の熊谷栄さんは「ちょっといいものを買いたいというムードがあるので、安さだけにこだわらず、いい商品を展開したい」と話していました。 景気回復への期待感を背景に、これらの会社以外でも高めのビールの販売を強化しています。 中国では先月からビザの更新にかかる期間が３倍となり、現地の日本企業の中には社員が出張できなくなるケースが増えていることから、日本企業が作る団体は関係当局に改善を求める検討を始めました。 中国では、外国人による不正就労や不法滞在が増えているとして、先月、入国管理法が改正されてビザを更新する審査が厳しくなり、パスポートを預かってから手続きを終えるまでの期間が、これまでの５営業日以内から３倍の１５営業日以内となりました。 中国では、原則としてパスポートがなければ飛行機に乗ったり、ホテルに宿泊できないため、現地に進出する日本企業の間では、ビザを更新するのに土日を含めておよそ３週間、中国国内の出張ができなくなるケースが増え、業務に支障を来しているという声が上がっています。 このため、北京に進出した日本企業が作る団体は、中国の関係当局に対し、ビザの更新をできるだけ早く行うよう求めるなど対応を検討しています。 今回のルール改正は、すべての国が対象で、日本に限ったものではありませんが、沖縄県の尖閣諸島を巡る問題で日中関係が悪化しているなか、日本企業には新たな問題がふりかかっています。 中国政府は先月販売された新築住宅の価格が、調査した９０％近い都市で前の月に比べて上昇していると発表し、価格の抑制策は依然として大きな効果を挙げていないことを示しています。 中国の国家統計局は、毎月全国の７０の主要都市の新築住宅の価格を調査していて、１８日、先月の調査結果を発表しました。 それによりますと、全体の９０％近い６２の都市で、価格が前の月を上回りました。 各都市の上昇率をみますと、▽上海で１．９％、▽北京で１．６％、▽南部の広州で１．１％と、いずれも前の月に比べて１％以上上昇しており、大都市圏での価格上昇が目立っています。 中国政府は、住宅価格の上昇が続けば、購入が難しくなった市民の間で不満が強まることを懸念していて、ことしに入ってから、所有する不動産への課税を強化するなど対策を進めていますが、住宅の上昇傾向に依然として歯止めがかかっておらず、政府の価格抑制策が大きな効果を挙げていないことを示しています。 今週開かれるＴＰＰ＝環太平洋パートナーシップ協定の閣僚級の交渉会合を前に、茂木経済産業大臣はアメリカ側の交渉責任者であるフロマン通商代表と会談し、目標とされているＴＰＰの年内の妥結に向けて、日本とアメリカで連携していくことで一致しました。 会談では、初めに茂木経済産業大臣が「日本でもＴＰＰの準備を進めているので、自由貿易の推進に向け連携を深めていきたい」と述べたのに対して、フロマン通商代表は「ＴＰＰなど多くの課題について協議できることを楽しみにしている」と応じました。 またフロマン通商代表は、目標とされているＴＰＰの年内の妥結に向け、日本の協力を求めたのに対して、茂木大臣も「年内妥結は日本の方針でもある」と述べ、連携を強化していくことで一致したということです。 ＴＰＰ交渉を巡っては、今週ブルネイで閣僚級の交渉会合が開かれ、日本からはＴＰＰを担当する甘利経済再生担当大臣が出席することになっています。 閣僚会合では、難航している関税を巡る交渉や、特許や著作権のルール作りなどを中心に議論を行うことになっていて、年内の妥結に向け交渉を加速できるかが焦点になっています。 会談のあと、茂木大臣は記者団に対して、「ＴＰＰの年内妥結に向けて、建設的、積極的に協力していきたい」と述べました。 大統領の信任厚いフロマン氏 ６月下旬にアメリカの通商代表に就任したフロマン代表は、オバマ大統領とは大学時代からの友人で極めて関係が近く、政権１期目は、ホワイトハウスで国際経済を担当する大統領次席補佐官としてオバマ大統領を支えてきました。 政権スタッフの中でもオバマ大統領からの信頼が特に厚いとされ、日本のＴＰＰ＝環太平洋パートナーシップ協定への交渉参加を認めるかどうかの日米間の事前の協議にも深く関わり、強い姿勢で交渉に臨むタフネゴシエイターとしても知られてきました。 オバマ政権は、ＴＰＰを通じてアジア太平洋地域にアメリカ流の貿易や投資のルールに基づく自由貿易圏を作ることを２期目の通商戦略の柱の１つに位置づけており、ＴＰＰの交渉合意の実現に向け、フロマン代表は、ホワイトハウスからいわば送り込まれる形で通商代表部のかじ取りを任されました。 各国の利害対立で交渉の遅れも指摘されるなか、フロマン代表が就任してからアメリカは、年内の交渉合意の目標達成にとりわけ強い意欲を示すようになっています。 エジプト情勢の緊迫が続いていることを受けて、現地に進出する日本企業のなかには、社員の安全を確保するため、日本人社員をエジプトから退避させる動きも出ています。 大手紙おむつメーカーの「ユニ?チャーム」は、外務省が新たな危険情報を出して、エジプト滞在中の人に早期に国外への退避を検討するよう求めたことを受けて、カイロ郊外の工場で働く日本人社員全員をサウジアラビアへ退避させることを決めました。 会社側によりますと、社員の安全は確認しており、工場の操業については、日本人社員の退避のあとも現地の従業員だけで続ける予定だとしています。 また、「住友商事」や「伊藤忠商事」「丸紅」などの大手商社は、状況に応じて引き続き社員を自宅待機にするなどの対応を取っているということです。 進出企業各社は、今後も情勢を慎重に見定めて、安全確保のための一段の対応を取るかどうか検討する方針です。 K10038590611_1308190726_1308190740.mp4 政府がインフラなどの輸出を成長戦略の重要な柱として位置づけるなかで、配達の遅れがほとんどないなど国際的な評価が高い日本の郵便システムを海外に展開しようと、総務省はミャンマーなどアジアの新興国の支援に向けた本格的な取り組みを始めました。 経済発展が続く新興国などを中心に増大が見込まれるインフラ投資をターゲットに、政府は日本の技術やシステムを官民が連携して輸出していくことを成長戦略の重要な柱に位置づけて、取り組みを強化しています。 これを受けて総務省では、配達に遅れがほとんどなく、国際機関からも高く評価されている日本の郵便システムを、海外に広げる取り組みを本格化させることにしています。 このうちミャンマーでは、１９日から総務省と日本郵便の職員が郵便事業を運営する現地の「郵電公社」と本格的な協議に入り、年内をめどに共同で支援計画を策定することになりました。 日本の郵便システムは、郵便物を７桁の郵便番号をもとに高性能の仕分け機を使って素早く個別の住所に配達する仕組みであるのに対し、ミャンマーでは、郵便ポストが少なかったり、郵便物の仕分けが機械化されていなかったりして、非効率なシステムになっています。 このため総務省では来年以降、ミャンマーの郵便システムの改善に向け、専門家の派遣を含めた支援を始めたいとしており、同様の支援について、今後ベトナムやスリランカとも協議を始める予定です。 インフラ輸出目標は３０兆円規模 安倍内閣の経済政策の「三本目の矢」となる経済の成長戦略「日本再興戦略」では、１つの柱として、インフラの輸出で２０２０年度までに現在の３倍の３０兆円規模に拡大する目標が盛り込まれています。 経済成長に伴う急速な都市化などで、新興国を中心に、世界のインフラ需要は増大すると見込まれています。 特に、発電所などのエネルギー関連や、鉄道や道路といった交通、さらに上下水道などのいわゆる水ビジネスを中心とした生活環境の分野は巨大な需要が見込まれますが、欧米諸国に加え、韓国や中国も国を挙げて自国の企業を支援し、受注競争は激しさを増しています。 このため日本としても、安倍総理大臣や閣僚の外国訪問に企業のトップの同行を求め、日本の技術力を売り込むなど支援態勢を強化しています。 今回の郵便システムの海外展開もこうした成長戦略の一環で、総務省としては、関連する機器の輸出も見込めるうえ、郵便物などの取り扱い数が減っている日本郵便の事業の国際化を図るねらいもあります。 先月?７月の日本の貿易収支は、円安で原油など燃料の輸入額が増えたことなどから１兆円を超える赤字となり、赤字の規模は７月としては過去最大となりました。 財務省が１９日発表した先月の貿易統計によりますと、先月の日本の輸出額は５兆９６２０億円と、去年の同じ月に比べて１２．２％増加しました。 これは、円安でアメリカや中東向けの自動車の輸出が増えたことや、中国向けのペットボトルなどの原料となる化学製品の輸出が増えたことなどによるものです。 一方、輸入額は６兆９８６０億円と去年に比べて１９．６％増加しました。 主な要因としては、円安で主にドル建てで輸入されるＬＮＧ?液化天然ガスや原油の輸入額が円換算で増えたことや、中国からのスマートフォンの輸入が増えたことなどによるものです。 この結果、輸出から輸入を差し引いた先月の日本の貿易収支は、１兆２４０億円の赤字と１３か月連続の赤字で、その規模は統計が比較できる昭和５４年以来、７月として最大となりました。 財務省は「円安の影響で輸出額は増加しているものの、それ以上に燃料の輸入額が膨らむ傾向が続いている」と話しています。