連載・あらゆる差別やめよう「東京大行進」
今回９月２２日に東京で行なわれたこの「差別撤廃東京大行進」に関して、月３回発行されているタブロイド新聞への投稿依頼があったので引き受けることにしました。この記事に限らずページの枠を頂いたので、このブログに記事を書く際には【連載】と表示して３回くらいに分けて掲載となります。
読者の皆様においては過去記事の繰り返しになるとは思いますが、その点においてはご了解下さい。尚、この新聞への投稿記事に関してはいずれまとめて単行本などにして発行の予定です。客観的記事になり、これまでの口語体でないので読みずらいと思いますがご理解下さい。
共産党機関紙・しんぶん赤旗が大きく報道
あらゆる差別への抗議と多様性を持つ社会の素晴らしさを日本政府や社会にアピールするとしたデモが９月２２日に東京都内で開催された。主催した団体は「People's Front of AntiRacism」という、このデモの為に急遽作られた組織である。
このような組織のデモを日本共産党が大きく扱うことは珍しい。共産党が自ら主催するデモでもないのに、これだけの扱いを行なったのにはそれなりの意味があり、先ずはそこから考察する。
これだけ大きく扱っている割には共産党との関連づける箇所は最後の５行しかない。
「東京大行進」には日本共産党の小池晃副委員長・参院議員、徳留道信都議、新宿区議５人も参加しました。
たったこれだけだ。本文記事以外に「政府は厳格対応を」と記した共産党のアピール文の掲載は見られるものの、このデモが何故行なわれることになり、日本共産党がどのように関わりを持ってきたのか？
その点に関しては全くと言って良いほどに説明がない。日本共産党との関わりは書いていないが、その背景として次の記述が見られた。
『「大行進」に至った背景には「在日特権を許さない市民の会」（在特会）など、排外主義団体があります。在特会が発足したのは２００７年。インターネット上で差別発言を過激化させ、０９年には京都の朝鮮学校で児童らを侮蔑。昨年８月の韓国大統領の竹島訪問を契機に、コリアンタウン（韓国人街）で知られる東京・新大久保や大阪・鶴橋などで「朝鮮人を殺せ」「ガス室にたたきこめ」と叫ぶデモを繰り返すようになりました。
以上、しんぶん赤旗より引用。
このような説明は一方的過ぎるが、日本のマスメディアどころか韓国の報道機関も何度か伝えているので、在特会は日本国内は勿論のこと韓国などでも広く知られた存在となった。
「在日特権を許さない市民の会」について、ここで触れておきたい。在特会は２００７年（平成１９年）１月２０日に東京で正式に発足した。日本国内に居住する在日朝鮮人や韓国人に与えられた特権を許さないというスローガンの下で活動を開始。
瞬く間に勢力を拡大させ２０１０年頃には会員が一万人を突破するという日本においては最大の会員を有する保守系団体となった。これまでのような講演会や勉強会を中心として活動する保守ではなく、自ら行動する保守と名乗り積極的に街頭などにおけるデモを主催してきた。
この在特会をインターネットで検索すると、対立関係にある団体や個人という箇所が目に付く。
【これらの朝鮮人の特別的優遇へのヘイトスピーチに対し、在日朝鮮人（北朝鮮・韓国）の団体が相次いで抗議声明を出し、人種差別撤廃条約に基づく国内法整備や、ヘイトスピーチ規制の検討を求めた。NGOの在日コリアン青年連合は「レイシズム（人種差別主義）蔓延（まんえん）の原因は、在日の歴史的経緯について教育を怠り、植民地支配の清算を放置してきた日本政府、日本社会にある」と主張した。朝鮮学校の無償化除外といった政府の姿勢が、草の根の排外主義に「お墨付き」を与えている、とした。また在特会の新大久保のデモに対し2月以降「ザイトク帰れ」などと指を突き立て、抗議のプラカードを並べ叫ぶ「レイシストをしばき隊」なる一団も出現しているという。】
意図的に伏せられた有田芳生と「しばき隊」
団体としては「レイシストしばき隊」そして、それと共同歩調を取って来たのが有田芳生参院議員である。赤旗の記事に目をやると実はこの「しばき隊」も有田芳生参議院議員の名前は見つけられない。
このデモの先頭で横断幕を持つ日本共産党の小池晃議員と同じく隣で横断幕を持ったのは有田芳生議員であったが、赤旗の写真でもわかるように小池議員の姿はあっても、有田芳生議員の姿はない。
二人並んで仲良く横断幕を持って行進しているのに、写真では小池議員の姿だけでその隣にいた有田芳生議員はそこでハサミを入れられたのか、その姿は紹介されていない。
有田芳生議員の芳生はヨシフと呼び、熱心な日本共産党員であった両親は旧ソ連の独裁者であったヨシフ・スターリンからその名前を取って命名したと言われている。有田芳生議員も日本共産党に入党した経験を持つ。
しかし、有田芳生議員はその後共産党指導部と対立し、事実上日本共産党からは除名処分の状態にある。本人はあくまでも離党したとしているが、この共産党においては離党も除名も殆ど扱いとしては同じだ。
よって、事実上の除名処分と同じ扱いの人物と共産党の副委員長が仲良く並んで、先頭に立って横断幕を持ってデモ行進をした写真などはとても掲載出来なかったという訳だ。
しかし、この有田芳生議員や「しばき隊」を全く紙面において紹介しなかった赤旗の報道姿勢には疑問を感じない訳には行かない。この「差別撤廃・東京大行進」にはこの有田芳生議員と「しばき隊」を抜きに報道することは、背景やこれまでの経緯を全く無視することになるからです。
赤旗が何故この有田芳生議員と「しばき隊」の名称を伝えなかったのか？それは明らかに日本共産党に取っては都合の悪いことがあるとの判断が働いたからであり、最近になって「しばき隊」が名称変更を言い出したことにもつながる。
そもそもがこの「しばき隊」と有田芳生のコンビこそが、「東京大行進」の主役であり伝えなければならない客観的事実である。それを抜きに本来は「東京大行進」を語ることなど出来ない。
また、この「東京大行進」には刺青を見せびらかし、在特会員に罵声を浴びせ暴行を加えたり脅迫する暴力団顔負けの「男組」と名乗る「しばき隊」の別働隊も参加していた。
このしばき別働隊の「男組」の組長や本部長などは９月２９日に警視庁公安部によって、脅迫・暴行の容疑で逮捕された。このようなヤバイ連中も参加していたのが、この赤旗が大きく取り上げた「東京大行進」であった。
又、あらゆる差別に反対すると言いながら、参加者同士では互いに罵倒しあう内部抗争があり、先立って行なわれていた関西における差別反対デモでは同性愛者に対する差別的言動も見られたという。
日本共産党がこの「東京大行進」を乗っ取りをかけて、自らの政治活動に利用しているのではないか？或いは最初から裏では日本共産党主導の活動だった。このような諸説が乱れ飛んでいる今回の「東京大行進」について、「しばき隊」のデビューから有田芳生議員の介入に至る経緯を次回から検証することにしたい。