アイドルキラー・アイドル向田茉夏 覚醒しすぎの可愛さが天元突破状態
松井玲奈をはじめ、グループの多くのメンバーたちから「究極的に可愛い」と寵愛を受けるSKE48の向田茉夏の可愛さが、もはや人智を超えたレベルに突入している。茉夏が笑えば世界が笑う。彼女の「可愛い」は“全力”のSKEイズムの完成形の一つである。
『逆転王子様』を歌う向田茉夏。これはアイドルの一つの完成型である。(©AKS)
SKE48に第2期生として加入し、デビュー当時から「前田敦子の再来か」と大きく期待されてきた 向田茉夏。しかし、茉夏は2期生を中心に結成されたチームKⅡのエースポジションを与えられたことで、1期生中心のチームSのセンターにしてSKE48の顔でもある、タイプの全く違う松井珠理奈と長く比較され続けてきた。ファンも、もしかしたらメンバーたちも、彼女の描くエース像にはどこかモヤモヤしていたかもしれない。
前に出るのが苦手で、恥ずかしがり屋な彼女。前SKE48劇場支配人の湯浅洋が言うところの“茉夏ペース”で、選抜メンバーからは一度外されてしまったり、今年の選抜総選挙を辞退したことで「まさか卒業か」とファンを不安にさせたりしながらも、自分なりの歩調で成長をしてきた結果、ここにきてその天性の「可愛さ」が絶頂期を迎えている。
SKE48初の組閣(チームシャッフル)以前の、彼女が所属していたチームKⅡでのオリジナルユニット曲『フィンランドミラクル』で、すでにその可愛さは到達点を迎えたというのが、SKE48ファンの共通認識だった。誰もが認める彼女のTO(トップヲタ=一番のファン)である松井玲奈は、今年5月に行われた茉夏の生誕祭公演に送った手紙にて、『フィンランドミラクル』の茉夏についてこう評している。
「茉夏にもよく言っているけど、フィンランドミラクルはほんとうに可愛い! あれは可愛いの代名詞。 可愛いで検索したら出てくるべき動画! 動きの一つ一つ、楽しそうに歌う姿が、手の動きが、肩甲骨のラインが、 指差しの横顔が 、 ほんとうに可愛い。」
相当マニアックな指摘だが、誰もそこに異論はないだろう。しかし、茉夏は組閣により移籍した新チームSでセンターポジションを与えられたユニット曲『逆転王子様』で、これまでの可愛さのK点を超える、バッケンレコードを叩きだした。
ふわふわのピンク色の衣装に身をつつみ、ほんのりとした笑顔で「自分だけの王子様」について歌う茉夏。SKE48のチームカラーである、髪を振り乱して汗を流す“全力”のパフォーマンススタイルとは異なるものだが、それゆえにダンス巧者が顔をそろえる新チームSにおいて、自身の存在を際立たせることに意図せずに成功している。いや、その可愛さが“全力”なのだ。“全力”で可愛い。一挙手一投足が可愛い。作られた可愛さではなく、「可愛いとか褒められるのが苦手」と語る彼女から、どうしようもなく漏れだしてしまう真実の可愛さなのだ。あまりに可愛すぎて動悸がするレベル。もう、言葉で説明するのは馬鹿らしくなるほどなので、ここまで読んで頂いた方には申し訳ないのだが、実際に名古屋の劇場公演に応募していただくか、せめてDMMでの公演配信動画を観ていただくことを“全力”でおすすめしたい。
AKB48グループの総所属メンバー数は250人を超えており、自分のキャラクターをどう出していくかに頭を悩ませているメンバーは多い。だが彼女を見ていると、もしかしたら無個性であることが最大の個性になるような気すらしてくる。
向田茉夏の「可愛さ」はもしかしたら、アイドルとは何か?という根本的な問いに対する答えなのかもしれない。
SKE48(えーすけーいーふぉーてぃーえいと)
日本の女性アイドルグループ。AKB48の全国進出プロジェクトの第一弾として2008年7月に愛知県名古屋市に誕生した。グループ名のSKEは、本拠地の同市栄区(SaKaE)から。AKB48同様、秋元康がプロデューサーを務める。コンセプトは、AKB同様「会いにいけるアイドル」に加えて「地域密着・地域貢献」。中京圏を中心に活動しているが、近年は知名度も高まり全国規模を行なっている。2012年のNHK紅白歌合戦に『パレオはエメラルド』で単独出場した。