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鉄鋼副産物「転炉スラグ」活用 被災田除塩効果実証 相馬
 | 鉄鋼副産物の除塩効果で収穫実績を上げたコメの共同栽培 |
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製鉄過程で出る化学物質を使った土壌改良剤が東日本大震災で津波をかぶった被災田の除塩に効果を見せている。福島県相馬市と東京農大が同市岩子の被災田で取り組むコメの共同栽培で被災前と同等の収量を上げ、有効性を実証した。
改良剤はケイ酸カルシウムを主成分とする。転炉スラグと呼ばれ、鉄鋼製造の副産物として生成される。土に混ぜ込み、除塩のほか、土壌の酸性化、福島第1原発事故で飛散した放射性セシウムの吸収を抑える。
市は製鉄会社から約500トンを譲り受け、50ヘクタールの被災田に水張り前にまいた。稲は順調に育ち、10アール当たり約540キログラムと平年並みの収量を上げた。コメはひとめぼれなどで、今のところセシウムは検出されていない。
共同栽培は昨年始まり、ことしは地元農家約20戸が参加した。収穫米は「そうま復興米」の名称で売り出し、来年は栽培面積を250ヘクタールに増やす。東京農大の後藤逸男教授(土壌学)は「除塩効果が実証できた。ほかの浸水農地にも導入したい」と話している。
2013年10月03日木曜日
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