高速道:架道橋1183本、点検不備 635本は放置状態
毎日新聞 2013年10月01日 02時35分(最終更新 10月01日 02時43分)
高速道路をまたぐ全国の架道橋を会計検査院が調べたところ、建設してから一度も点検していないなど、安全が確保されていない橋が約4分の1の1183本に上ることが分かった。コンクリートが劣化した危険な橋が多数放置されている恐れがあり、検査院は各高速道路会社に対し、管理者である自治体の点検状況を確認するよう要請する方針。
架道橋は、高速道路で分断された地域の通行を確保するために高速道路会社側が造る。橋の上は市町村道などが通り、各社と協定を結んだ自治体側が維持管理している。
検査院が調査したのは、東日本▽中日本▽西日本▽首都▽阪神▽本州四国連絡の6高速道路会社管内にある架道橋4484本。うち635本は建設後全く点検されておらず、点検したかどうか書類などで確認できない橋も548本あり、全体の26%に問題があった。自治体の担当者は「架道橋は住民の生活道路であることが多く、交通量が少ない。維持管理の予算が足りず、人員も限られ、点検の順位が後回しになっていた」などと説明したという。
架道橋は高速道路とセットで造られ、建設後40年以上が経過して老朽化したものが多い。2009年2月には静岡県内の東名高速で、橋から剥がれたコンクリート片が落下するトラブルも起きた。検査院は、高速道路を走る車が危険にさらされているとして、道路会社に自治体と協力して安全を確保するよう求める方針だ。各社は「まだ指摘を受けておらず、現段階ではコメントできない」としている。【古関俊樹、神足俊輔】