米 政府機関の一部閉鎖へ10月1日 12時55分
アメリカで与野党の対立から10月以降の予算が成立していない問題で、議会では30日も与野党が大幅な歩み寄りを拒否しており、1日朝からおよそ18年ぶりに政府機関の一部が閉鎖され、数十万人規模の職員の自宅待機や博物館の閉鎖などが避けられない見通しです。
アメリカの予算は、議会の上院と下院の双方で可決されることが成立の条件ですが、10月から始まる新たな年度の予算は、上院で多数を占める与党・民主党と、下院で多数を占める野党・共和党が対立し、成立していません。
30日は、与党が多数の上院が本会議を再開して、野党が多数の下院から送られたオバマ政権が推進する医療保険制度改革の延期を条件にした暫定予算案を採決し、政権に打撃を与えるとして否決しました。
これを受けて、下院は内容を一部修正した暫定予算案を30日夜に改めて可決して上院に送りましたが、上院は再び否決し、与野党は調整を続けているものの大幅な歩み寄りを拒否しています。
このため、アメリカ政府は10月1日になっても行政運営に必要な予算が整わず、およそ18年ぶりに政府機関の一部が閉鎖される事態が避けられない見通しです。
政府機関の一部が実際に閉鎖されても、国防や治安、医療など国の安全や国民の健康に直結する業務は継続されます。
しかし、数十万人規模の職員が自宅待機になるほか、全米各地の博物館や国立公園が閉鎖されることになり、金融市場などへの影響も懸念されます。
自由の女神像も閉鎖へ
オバマ大統領は30日、ホワイトハウスで記者会見を開き、政府機関の一部が閉鎖された場合の具体的な影響について明らかにしました。
それによりますと、政府機関の一部が閉鎖れた場合、1日以降、▽カリフォルニア州のヨセミテ国立公園や、▽首都ワシントンのスミソニアン博物館、▽それにニューヨークの自由の女神像など、観光地となっている全米各地の国立公園などが閉鎖されるということです。
さらに数十万人の政府職員が無期限で自宅待機となり、退役軍人などに対する行政サービスに支障が出ることが予想され、国民生活や経済に深刻な影響を及ぼすとしています。
ただ、アメリカ軍や国境警備隊など国防や治安に関わる業務はこれまでどおり継続されるということです。
また、NASA=アメリカ航空宇宙局は閉鎖されるものの、管制センターは宇宙ステーションで任務を行う宇宙飛行士を支援するため、業務を続けるとしています。
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