リアルサウンド 10月2日(水)11時53分配信
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JKT48『Fortune Cookie in Love - Fortune Cookie Yang Mencinta』 |
AKB48の海外姉妹グループ、SNH48(中国・上海)の宮澤佐江と鈴木まりやが10月11日、上海の専用劇場でデビューすることが決定した。
SNH48の公式サイトで9月29日、鈴木まりやと共に同劇場に初登場することが発表された宮澤は、翌日に自身のブログ『おやすみなさえ』にて、「10月11日、12日、13日のSNH48の劇場公演に出演出来ることになりました!!」と改めて報告。上海の専用劇場の写真を掲載し「今までSNH48のメンバーではありながらも、どちらかというと指導者にちかかったのですが、やっとメンバーの一員として彼女たちと同じステージに立てるので、リハーサルから正直楽しみです」と心境を語った。
昨年11月1日からSNH48に移籍するも、就労ビザの取得が難航し、中国での活動がままならない状態が続いていた宮澤と鈴木。宮澤はSNH48の移籍後、AKB48チームKを一時兼任していたが、6月の選抜総選挙スピーチで自ら「SNH48一本に力を入れていきたいと思います」と専任を発表したことも話題になった。宮澤はツイッターでそのことに触れ、「選挙のスピーチは賛否両論だったけど、あの言葉に悔いはない。私はSNH48だ!って胸を張ってステージに上がらせてもらいます!」と語り、鈴木も「1年かかったけど、まっていてよかった。本当に緊張していますが、みなさん楽しみにしていてください!」と、二人にとって劇場デビューが念願だったことを明かした。
今回の発表を受けて、いよいよ本格的な活動が期待されるSNH48だが、同グループは中国に根ざした人気グループとなれるのだろうか。今後のSKE48が抱える課題を、アイドルに造詣の深い放送作家のエドボル氏に訊いてみた。
「まず、AKBグループの海外進出としての成功例として、インドネシアのジャカルタで活躍するJKT48が挙げられます。JKT48は地元のメディアなどにも進出していて、AKB48からの留学生である仲川遥香さんなどは、日本で言うところのボビー・オロゴン的な地位さえ獲得しているようです。JKT48は、過去に来日して東京ドームでお披露目したこともあり、日本のファンにとっても、どんなグループに成長しているかというのが、ある程度わかっています。それに比べ、SNH48は来日もしていませんし、映像などで伝わってくる情報を頼りにする限り、まだエンターテイメントとして成長段階のようです。SNH48はメンバー発表から1年くらい経過した今になって、ようやく動き出したという印象ですね。運営も向こうのスタッフがやっているのですが、恐らく、AKBグループというものがどういうものなのかも、やっと伝わった段階ではないかと」
最近、中国ではAKB48が人気を集めているとのニュースも報道されているが、SNH48の進出はまた別の問題だと言うことだろうか。
「中国でのAKB48の人気は、結局のところ輸入したエンターテイメントとしての人気だと思います。地元のエンターテイメントとして根付くというは、やはり根本的にハードルの高さが違うのではないかと。AKB48の人気が、そのままSNH48の人気に繋がるかというと、そういうわけではない。多少地ならしにはなるかもしれませんが、SNH48自体がきちっとしたエンターテイメントを作れなければ成功は難しいでしょう」
では、そんな状況の中で日本からの留学生である宮澤と鈴木には、今後どんな役割が期待されるのだろうか。
「宮澤さんたちが向こうに行っているドキュメンタリーなどを観る限り、彼女たちはまず、AKBとはなんなのかを伝えていく作業から始めているようです。舞台に立つというのはどういうことなのか、歌を歌うというのはどういうことなのか、タレントとはなんなのか。そういう根本的な部分から、向こうのメンバーやスタッフにちゃんと伝えていくことが重要だと思います。中国のエンターテイメントの状況というのが、正直言って日本からだと見えにくい部分もあるのですが、AKBで作り上げてきたものを異国にもしっかりと伝えて、地元の人がちゃんと楽しめるものを作れれば、失敗はしないと思います。そういった意味でも、宮澤さんと鈴木さんの役割は大きいですよね」
これまで指導者的な立場でSNH48に関わってきた宮澤と鈴木。今後、二人がステージに立つことによって、これまで以上に異国のメンバーをしっかりと牽引できるかどうかが、SNH48の成否をわけそうだ。
リアルサウンド編集部
最終更新:10月2日(水)11時53分
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