韓米同盟60年、5つの難題

(2)ミサイル防衛はぜいたくな兵器

 ヘーゲル国防長官はSCMへの出席に先立ち、戦時作戦統制権の移管に向け、韓国軍が備えるべき軍事力に関する質問を受け、「MDは明らかに韓国軍にとって大きな力になる」との見解を示した。昨年のSCMでパネッタ前米国防長官が「米国と韓国は(将来のMDについて)協議を続けている」と述べたのに続き、今年も国防長官が韓国のMD参加問題を取り上げた格好だ。

 デンプシー米統合参謀本部議長は先月30日、「北朝鮮の弾道ミサイルが韓半島はもちろん、域内の安全保障を脅かしている」とし、アジア各国が参加する「共同統合ミサイル防衛体制」を推進する必要性を強調した。

 韓国政府は「韓国型のミサイル防衛(KAMD)はMDとは異なる」と公式に否定しているが、米国側は韓国政府にMDへの参加を要求し続けている。韓国政府と韓国軍は韓半島という環境では、MDが「ぜいたくすぎる兵器」だとして、費用は少なくて済むKAMDを推進したい立場だ。

 韓国はMD参加に伴う費用問題のほか、中国の反発などを考慮し、MD参加に消極的な立場だ。

(3)日本との安保協力要求

 米国は長年、韓米日を結ぶ三角安全保障体制の構築を想定してきた。

 韓国を訪れているヘーゲル国防長官が先月30日、朴槿恵大統領を表敬した際、韓米日3カ国による安全保障関係を構築するためには、韓日間の懸案を整理する必要があると言及したのもそのためだ。

 しかし、韓日の安保協力には韓国の反対世論に直面する。最も端的な例が昨年の「韓日軍事情報保護協定」の密室合意をめぐる論争だ。韓国政府は昨年4月23日、同協定に仮調印した事実を公表せず、6月にひそかに閣議決定したが、調印直前に事実が明るみに出て、結局協定は結ばれなかった。

 米国際戦略問題研究所(CSIS)のラルフ・コッサ研究員は「米国と最も近い同盟国である韓国と日本が米国とはよく協力するが、韓日が互いに協力しないというのは、米国にとっては異常な状況だ」と指摘した。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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