カネボウ化粧品の美白化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑(はくはん)」の症状が相次いでいる問題で、同社が委託した弁護士による調査報告書の内容が明らかになった。1年前に購入者から相談を受けた大阪の大学病院から指摘があったにもかかわらず、今年7月の自主回収まで約10カ月間、対策を怠っていたとして、同社の対応の遅れを指摘している。
カネボウ以外でも16人被害報告調査報告書によると、まず2011年10月、美白化粧品の購入者から「顔に白抜けの状態が出た」との相談があった。翌年2月には、同社の販売員3人にも白斑の症状が出て、本社に問い合わせがあったが、カネボウ側は医師に相談するなど適切な対応をとらなかった。
さらに12年9月には、大阪府内の大学病院の医師から、症状と化粧品との関連を疑う連絡も入った。報告書では、この時点で「因果関係を疑い、適切な措置をとるべきだった」としている。
この問題では今月1日時点で、9959人に白斑の症状が確認され、被害者数はさらに増える見込みだ。