復興支援、白河でコメ生産 吉野家 農業法人を設立
吉野家ホールディングス(HD)は1日、白河市の農家と共同出資し、コメなどの生産を手掛ける農業生産法人「吉野家ファーム福島」(白河市表郷金山)を設立した。主要食材の自社生産を強化し、コメなどを安価で安定的に調達する狙い。本県では食品の放射性物質検査態勢が確立されており、安全性に問題はないと判断した。平成26年度から生産を開始する。
耕作放棄地などを借りて26年度から牛丼などに使うコメをはじめ、ハクサイ、キャベツ、青ネギなどを生産する。当初は約4・3ヘクタールの農地で生産する。農地は順次拡大し、29年度までに約13ヘクタールの規模を見込む。コメは同年度に年間35トン程度の収穫を目指す。生産物は全量を吉野家HDが買い取る。
吉野家ファーム福島は、地元から新規雇用5人程度を計画している。同社の資本金は1000万円。吉野家HDの出資比率は議決権ベースで49%。地元農家2軒が共同出資した。
吉野家HDは神奈川県でも農業を営んでいる。本県での事業を東日本大震災の復興支援につなげる。
吉野家ファーム福島の森本桂次社長は同日、県庁で畠利行農林水産部長に設立を報告した。森本社長は「福島の農家が農業に自信を取り戻せるよう微力ながら貢献したい」と語った。畠部長は「心から歓迎します。しっかりと支援していきたい」と応じた。森本社長は収穫した食材について「店舗は限定していないが、少なくとも東北地方では提供したい」と語った。
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県内では、カゴメの農産物生産販売子会社いわき小名浜菜園が、いわき市でジュースなどの加工品や生食用のトマトを栽培している。キユーピーは、白河市でTSファーム白河を運営しサラダ菜、レタスなどを栽培している。外食チェーンのサイゼリヤは西郷村でレタスを生産している。
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