「自主回収、遅きに過ぎた」 カネボウの希薄な危機意識非難
第三者調査報告 「都合悪いこと、突っ込まずに無視の態度」
カネボウ化粧品の美白化粧品で肌がまだらに白くなる白斑症状が出た問題で、カネボウは11日、外部弁護士の第三者調査報告書を発表した。報告書は医師の診断で化粧品との因果関係が疑われた2012年9月の時点で「対策を講じる必要があった」と指摘。別の医師からの報告を受けた今年5月まで、事態を見過ごし被害拡大を招いたと批判した。
調査によると、11年7月に大阪府の顧客から「手や首が白くなった」との申し出があり、大学病院の医師が9月に診察。「化粧品がトリガー(引き金)になった可能性がある」との診断結果が、カネボウに寄せられた。
調査はカネボウの意図的な隠蔽(いんぺい)は否定したが、「都合の悪いことについては突っ込まないで無視しようという態度が表れている」と危機意識の薄さを指摘。「白斑は病気」としていたカネボウの対応を非難した。さらに5月に因果関係を認識してから7月に自主回収を始めるまで「約2カ月を要したのは遅きに過ぎた」と指摘した。
報告を受けカネボウは記者会見し、責任を明確にするため、夏坂真澄(なつさかますみ)社長ら経営陣の月額報酬を9月から来年2月まで一部返上すると発表。自主回収の影響で店頭売上高が約2割減少したことも明らかにした。
夏坂社長は「発症された方に笑顔が戻るまで全力を尽くして対応したい」と陳謝。引責辞任については否定した。
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