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カネボウ白斑 使用中止後「悪化」例が続出

(2013年9月12日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

「公表早ければ…」 

画像カネボウ化粧品の商品を使い、白斑症状が出た兵庫県の女性の手の甲=8月29日

 不自然に肌色が抜けた手や首を隠すため、日差しの厳しい日も手袋をし、マフラーを巻いて仕事に向かう。美白化粧品の使用をやめたら、余計に症状が悪化した。「少しでも早く公表してくれれば、ここまでひどくならなかったかもしれない」。カネボウ化粧品の商品を使って白斑症状が出た兵庫県の女性(45)は悔しそうに話した。

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 カネボウが11日に公表した第三者調査報告書は「遅くとも化粧品と白斑の因果関係が疑われた2012年9月時点で適切な措置を取るべきだった」と対応遅れを批判した。女性の症状が出たのはちょうど12年夏ごろ。11年春から対象回収品を使い始め、「肌が白くなったね」と友人に褒められ、喜んだこともあった。

 次第に首の後ろが不自然に白くなったが「変な日焼けをしたのかな」としか思わなかった。医師に受診すると「尋常性白斑かもしれない」。処方された塗り薬では改善せず、化粧品が原因とは思わずに使用を続けた。

 カネボウが自主回収を発表した今年7月、使用をやめると顔の白い部分の面積が急に広がり、手の甲は色が抜けて真っ白になった。カネボウは当初「使用をやめれば改善する」と説明していたが全く逆だ。不安をブログにつづると、同じように「使用中止後に悪化した」という女性らの書き込みが相次いだ。

 報告書は、カネボウが12年以降、徳島県や大津市、北九州市、大阪市など全国の顧客から白斑の相談を受けていたのに「担当部署が白斑は病気だと思い込み、社内で情報を共有するシステムも不十分だった」と指摘。「都合が悪いことは突っ込まず無視しようという態度と評価されてもやむを得ない」と断じた。

 女性は「何度も情報がありながら公表しなかったのは、隠そうとしたのではと思ってしまう」といぶかる。

 使用をやめて2カ月が過ぎても症状が改善する気配はない。「一番の不安は本当に治る方法があるのかということ。カネボウは慰謝料を払うよりも、治療方法を見つけてほしい」と訴えた。

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