もう、ﾔﾀﾞ

バジリスクと彼のお母さん、
何でこんなにまで、しなきゃいけないの？

夕方5時半、
彼のお母さんとﾊﾞｼﾞﾘｽｸがきた。

彼もﾀｲﾐﾝｸﾞよく、帰ってきた。

お母さんとﾊﾞｼﾞﾘｽｸは、
見計らってやってきたのかな？


書きたくないくらい、
嫌な思いをさせられてしまいました。
彼の目の前で。

怖かったです。


悲しいです。

そして、
もう嫌です。

私、
バジリスクに顔をｶﾐｿﾘで切られそうになりました。

よけたけど、
耳と耳の上が切れて、
血がたくさん出て、
病院に行きました。


彼には申し訳ないけど、
今は、
彼とも一緒にいたくなくて、

病院の帰りに、
「ごめんなさい。しばらく離れて考えたい」
と言いました。


彼は、
「ﾊﾞﾊﾞｱと縁切る、バジリスクはｽﾄｰｶｰで訴える、そばにいてくれ」
と必死に言ってましたが、

私は、
「縁を切らなくてもいい、お母さんだから。でも、私はお母さんが変わらない限りは、もう会いたくないし、お母さんの話も聞きたくない。バジリスクはどうでもいい、傷害で警察につき出せるけど、そんなことはしないから安心して。本当に私のことが大事なら、愛してるなら、お母さんでもﾊﾞｼﾞﾘｽｸでもなく、私を守ってよ」
と言いました。

部屋に戻って、
少しだけ服を持って、
彼に、
「ちゃんとご飯食べてね。もう行くね。ごめんね」
と言ったら、

「ｵﾚ、ちゃんとするし。そやから行かんといてくれ。頼む」
と言うから、

「お母さんが私に頭下げて謝ることと、二度と私に何もしないし言わないって約束をしてくれて、ﾊﾞｼﾞﾘｽｸをｽﾄｰｶｰで警察に訴えたら、電話ちょうだい。じゃなきゃ私、怖くて帰れないよ」
と言ったら、

「当たり前やな。ｵﾚ、ちゃんとするし、ちゃんとして電話するから、そしたら戻ってきてくれるか？」
と聞くから、

「分からないって答えたら、そうしないの？分からないって答えたら、また諦めるの？」
と聞いたら、

「いや。ｺﾞﾒﾝな、こんな怖い思いさせて。ちゃんとして電話するし、信じてくれ、待っとってくれ」
と言うから、

「うん。じゃ、行くね」
と言って、部屋を出ました。


ｼｭﾝの部屋に行ったら、
ｼｭﾝはﾋﾞｯｸﾘして、
「それ何？怪我したの？」
と聞くから、

「ﾊﾞｼﾞﾘｽｸにｶﾐｿﾘで切られちゃった」
と言ったら、涙出てきて、
ｼｭﾝに抱きついて、
子供みたいにﾜﾝﾜﾝ泣いてしまいました。

事情を話したら、
ｼｭﾝは怒りまくってしまって、
「警察いくぞ」
と言うから、
何で？と聞いたら、

「間違って首とか切られたら死んでたんだからな！」
と言う。

そだ、冷静に考えれば、
ｽﾄｰｶｰ通り越して、傷害も通り越して、殺人未遂にだってなるよね。

でも、私はﾊﾞｼﾞﾘｽｸを警察に突き出すつもりはありません。

ｼｭﾝが、
「もう絶対帰るな、別れろ」
と言うから、

「彼が約束を果たせなかったら、私もう戻らない。ｼｭﾝ、しばらくここにいてもいい？」
と聞いたら、

「しばらく？何言ってんの？ｵﾚもう絶対帰さないし、許さない」
と言って怒りまくって大変。

私、
ずっと体の震えが止まらなくて、
ｼｭﾝにだっこされながら、
30分くらい震えてました。


今は震えもおさまって、
ちゃんと冷静さも取り戻しました。


彼、きっと今ごろ、
すごく辛い気持ちでいるんだろうなぁ。

お母さんやﾊﾞｼﾞﾘｽｸは、
私が血を流したのを見ても、
二人して私に、
鬼女とか、自業自得とか、因果応報とか言ってました。

彼は私が切られた時、
最初は切られたとは思わなかったみたいでしたが、
血がたくさん出てくるのをみて、
慌てて私を抱き上げて車に乗せて、
病院に連れてってくれました。

病院で医者に、
どうして切れたのか？
とか色々聞かれましたが、
お手入れをしていて、
と答えました。
こんな風に切れてるのはおかしいと言われましたが、
お手入れだと言い張りました。


治療を終えて、
診察室を出たら、
彼が私にかけよってきて、
「大丈夫か？」
とか聞いて、
私の手を握ろうとした時、
私は彼の手を払い除けてしまいました。

私の心が、
「ｼｭﾝ、怖いよ、助けて」
って悲鳴をあげてるような、
そんな感じでした。

本当に本当に怖かったの。

切られたことも、
何もかも全部。


ｼｭﾝがさっきから、
一生懸命、晩ごはんを作ってくれてます。
あまり料理は得意じゃないのに、
ﾁｬｰﾊﾝとｽｰﾌﾟ作るって。
切るだけで時間かかってる。
ありがとう、ｼｭﾝ。
いつも守ってくれて、ありがとう。



もう、疲れました。

明日また病院に行かなきゃ。

耳と耳の上をｶﾐｿﾘで切られたくらい、たいしたことないのに大袈裟だと思う、ﾊﾞｼﾞﾘｽｸの立場の人とか、不倫反対派の人とか多いんでしょうね。

笑いながら、
因果応報だとか、
もっとやれ、ﾊﾞｼﾞﾘｽｸと母ちゃん！とか、
ざまみろとか、
そんな風に思うんですかね？

どう思われてもいいんですけど、

耳と、耳の上(いわゆる頭です)でも、
ｶﾐｿﾘで深く切れたら、
たくさん血がでるんです。
大したことないわけじゃないんです。



こんなことをされて、
お母さんとﾊﾞｼﾞﾘｽｸに、恐怖は感じますけど、
別に憎いとか恨むとかは、
不思議と全然ありません。
ただ、怖くて悲しい。


彼のことを、
愛してる気持ちも変わりません。

でも、このまま、
彼や彼のお母さんが何も変わらないままだと、
私は彼とは、もう居られないと思います。



































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