From 上念司@大門オフィス
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●今月の月刊三橋では、電力自由化やメガソーラービジネスに絡んだ、
とんでもない問題を取り上げました。
日本のインフラを使って、中国が、、、
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980_2013_06/index.php
「構造改革ビジネス」、恐るべしです。
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上念司@大門オフィス
一昨年破綻した安愚楽牧場の旧経営陣が特定商品預託法違反事件で逮捕されました。
出資者は約7万3000人、被害額約4200億円というトンデモない金額です。
過去に発生した巨額詐欺事件と比較してみましょう。
1985年 豊田商事 2000億円
2000年 法の華三法行 950億円
2007年 近未来通信 400億円
“カリスマ経済評論家”であった海江田万里氏(現・民主党代表)が広告塔をやっていただけに被害の広がり方はハンパなかった、、、全くシャレになっていません。
海江田氏は自身の著作で安愚楽牧場を取り上げ、以下のように煽っていたそうです。
「13・3%の高利回り」
「年間50万円までの分配金については非課税」
「所有の牛に万一のことがあっても、代わりの牛が提供され、最初の契約どおりの利息が支払われることになっている」
「元金確実で、しかも年(利回り)13・3%と考えれば、他の金融商品は真っ青!」
「オーナーになってはいかが」
ソース:海江田氏、安愚楽牧場絶賛“動かぬ証拠” 民主、参院選へダメージ必至
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130621/plt130621113700...
まるで国家破産本の巻末にある怪しげなファンドの広告みたいです。
こういった詐欺事件の手口は古くて新しいので、皆さんも気をつけましょう。
さて、安愚楽牧場のビジネスモデルは「和牛オーナー商法」として知られています。
元々、生産農家などの間で和牛の子牛を共同購入し、牛が育って首尾よく売れたら牛肉を配当するという慣行がありました。
和牛オーナー商法はこの慣行を換骨奪胎して、広く一般の人から出資を募り、大規模に繁殖牛(母牛)を飼育して、子牛の売却益を配当として還元するモデルに作り替えたものです。
もちろん、出資者に約束した計画通り母牛が子牛を生み、その子牛が予定通り販売できれば何の問題もありませんでした。
そのためには、少なくとも繁殖牛(母牛)が年に1回子牛を産む必要があります。
これを実現するには母牛の受胎率は80%を超える必要があります。
しかし、実際の受胎率は60%でした。
また、コスト削減のため通常よりも狭いスペースで牛の飼育をしていたため、病気などで大量死してしまうケースなどもあったようです。
ソース:安愚楽牧場:受胎率を高く設定 元幹部「実は6割」毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20130619k0000m040142000c.html
さて、この安愚楽牧場のビジネスモデルを牛から不動産に変えて国家的に推進してきた国があります。
そう、みんな大好き支那です。
2008年末、支那政府はリーマンショック後の景気落ち込みに対応するため4兆元(約50兆円)規模の景気対策を打ち出しました。
富士通総研のレポートによると、「4兆元投資」のうち財政支出については中央財政からの増加支出額は1.18兆元(08年に1,000億元)で、地方政府の支出が1.25兆元(08年に1,300億元)とのことです。
あれ、おかしいですね?
中央と地方を足しても4兆元にならない、、、
そうなんです。
実は支那の地方政府は中央から押し付けられた地方負担分の支払に困っていたんです。
しかも、支那共産党の統制経済によって地方政府は地方債の発行を禁じられています。
税の補足率も極めて低く、増税もままなりません。
そこで彼らが使ったのは、「起債はできないが、債務保証はできる」という抜け道です。
半官半民の土地開発公社のようなハコ(融資平台)を立ち上げ、そこに銀行から多額の融資を受けます。
もちろん、地方政府が債務保証しますので、銀行のリスクはゼロ!(のはず?)
銀行は通常の預金の他に、「信託」や「理財産品」といった高利回り商品で巨額の資金を集め、「融資平台」にブッ込みました。
オルドスのような内モンゴルのド田舎に巨大ニュータウンが建設されたりしたのはみんなこのスキームだったのです。
和牛商法と同じく、建設したインフラがキャッシュフローを生み続ければ、巨額の債務の返済や金利負担も問題ありません。
チャイナは永久に高度成長するんですよね?(ねぇ、イアン・ブレマー君?)
高すぎる経済成長見通しを前提として、ほとんどねずみ講のような高利回り商品が支那国内に出回っています。
もちろん、つくったインフラにキャッシュフローなど大してありません。
元々、作り過ぎですから。
配当に窮した「融資平台」の運営者は何をするでしょう?
安愚楽牧場の場合は、「分牛の術」を使って、架空の和牛への投資資金を募り、集めた資金を配当に充てました。
いわゆる「タコ足配当」です。
今現在、「信託」や「理財産品」は過去にないぐらい高利回りで資金を集めていると言います。
まさかその資金がすでに配当金に回っているとか???
本来はこういうことは金融当局(日本で言えば金融庁と日銀)がしっかり取締りをしなければいけないのですが、支那はご存じの通り全く統制が取れていないので規制、監督はザルです。
仕方ないので、香港からの資本流入をブロックして(偽装輸出取引規制)、市場金利の暴騰も放置するという荒療治に出ました。
これって、ガン細胞を殺すために健康な細胞まで皆殺しにするような政策じゃないですかと、他人事ながら心配になってきました。
とはいえ、支那共産党には毛沢東精神があることですし、誰よりも「歴史」に学んでいるそうですからきっと何とかするんでしょう。
10億人の人口が5億人に減っても、金融危機は封じ込めるんじゃないでしょうか?
まぁ、その時には支那共産党そのものがなくなっているかもしれませんがw
チャイナショックで億万長者を目指すなら、ぜひこの本を参考にして下さい。
(但し、あくまでも投資は自己責任でお願いします)
『「アベノミクス亡国論」のウソ(イーストプレス)』
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PS
月刊三橋最新号のテーマは、電力自由化をめぐるレント・シーキング。
「反原発」な気分を上手く使ったショック・ドクトリンでもあるので、
かなり三橋さんが怒っていました。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980_2013_06/index.php
PPS
月刊三橋7月のテーマは「中国大炎上」です。どうぞお楽しみに。