◇巨人1−0ヤクルト
ヤクルト戦に先発しプロ初勝利を挙げた巨人の阿南(市川和宏撮影)
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巨人が5投手による無失点リレーで競り勝った。4年目の阿南が先発して5イニングを4安打に抑えてプロ初勝利。6回に長野の適時打で先制した後は、マシソン−沢村−西村−山口が完璧に封じた。ヤクルトは6年ぶりの最下位が決定した。
ワンチャンスをものにした。試合後の巨人・原監督が「相手の術中にはまった…」と振り返った一戦。漂う重い雰囲気を長野がバットで振り払った。6回2死二塁で、石川から右前適時打。9月22日の広島戦(東京ドーム)以来の打点を挙げ、チームを勝利に導いた。
「徹(阿南)がいい投球をしていたんで。勝つだけなんで…」と静かに快打を振り返る長野。本人が言う通り、この一打で阿南にプロ初勝利をプレゼント。「同級生ですし」。言葉は決して多くはないが、勝利の味はしっかりとかみしめた。
持っている男だ。この1勝で巨人はヤクルト戦勝ち越しを決定。セ5球団すべてに勝ち越す「完全優勝」を2年連続で達成した。2シーズン続けたのは長嶋茂雄監督時代の1976、77年以来の快挙だ。そんな区切りの勝利を決めるのが長野のバット。9月22日はリーグ連覇を決める決勝打を放ち、この日も決勝打。おいしいチャンスを見逃さない嗅覚はさすがだ。
10月に入り、チームはCSモードに突入。この日は長野の適時打による1点に終わったが、原監督も打線については「状態が上がった打撃をしている」と手応えを感じている。残りは4試合。上げ潮でCSに向かうため、背番号7は先頭に立ってチームをけん引する。 (川越亮太)
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