農産物直売所「産直市場おく」(瀬戸内市邑久町尾張)で産地などを偽装した鮮魚が販売されていた問題で、岡山県警生活環境課と瀬戸内署は30日夜、不正競争防止法違反容疑(虚偽表示)で、テナントとして入居している鮮魚小売業「栄光水産」(同市邑久町北島)を家宅捜索した。県警は社長男性(57)からも事情を聴いており、同容疑での立件を視野に捜査を進める。
同社の事務所は、社長の自宅も兼ねており、30日午後10時10分ごろ、県警の捜査員が段ボール箱を抱えて入り、書類や伝票などを押収した。関係者によると、偽装は数年前から行われていた可能性が高く、社長は関与を認める発言をしているという。
直売所を運営する岡山市農協(岡山市北区大供表町)によると、栄光水産はアナゴやエビなどを販売する際、中国や韓国、県外産を地元産と偽ったり、養殖物を天然物として販売した疑いが持たれている。
他に瀬戸内市内の2カ所の直売所に入居して鮮魚を販売しており、県警は、この2店の偽装販売の有無についても調べる。
同社は2005年、市農協との取引を開始。3店で年間約1億1千万円を売り上げ。不正発覚後の21日から鮮魚の販売を停止している。健康被害は寄せられていないという。